まるで天使のような (ハヤカワ・ミステリ文庫 41-4)

  • 早川書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150722043

感想・レビュー・書評

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  • 最後で驚く物語ではない。最初にクイン自身が1つの可能性として提示したものがそのままだったのだから、当然予想もつく。最後で「あっ」となるタイプの小説として書いてないんだろうと思う。それでも、本当によく練られたミステリーで、少し読み返してみてもよく出来てるとしか言えない……。

    それよりも、タイトルの意味に気付くのが読み終えて表紙を眺めた時だったので驚いた。「まるで天使のような」善良な人しか出てこない。そういう人たちの裏面。それが一番のテーマだった。

    翻訳が残念すぎるの。女言葉に「の」が多すぎるの。不自然なの。

  • 柿沼瑛子さんの「初心者のためのマーガレットミラー入門」を読んで、読みやすそうなのを選んでみた。彼女は奇跡のような作品、と書いていた。

    わたし、最後の行まで、気づいてなかった。驚いちゃった。いろいろと。
    なんとなく、推理小説にでてくる悪い側の人々って、無駄なく動いて失敗しないような気がしちゃってて、あんなに精神崩壊してるって思わなかったんだ。再び相対しても、わからないほどになってる、なんてさ。
    (悪い側、っていうのもざっくりだけどまあひとまず)


    そういう意味で、わたしが感じるリアルに近い人々がいる小説を書く人みたいだ、と思う。

  • 初マーガレット・ミラー。五十年前の作品なので、さすがに今読むとちょっと古いが十分面白かった。
    一文無しで山中に放り出されたクインは、新興宗教施設で宿を借りる。そこで一人の修道女に依頼され、町へ出てある男の消息を調べることになるが、その男は5年前に死亡しているという…
    探偵が田舎町で昔の事件をコツコツ調べていくという地味な話だが、登場人物それぞれの鬱屈した心理が迫ってきて読みやすく、ラスト3行には拍手。

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