ナイト・ストーム〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (V・I・ウォーショースキー)

  • 早川書房
4.26
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (677ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150753740

作品紹介・あらすじ

わたしが嵐の真夜中に閉鎖された墓地へと向かうはめになったのは従妹のペトラのおかげだ。彼女が指導している少女たちが、そこで罪のない儀式ごっこに興じていたのだ。だがわたしが見つけたのは胸に鉄の棒を突き立てられた男の死体だった。ヴァンパイア殺人!事件はマスコミの好餌となり、わたしはその渦中へ…歴史に秘められた過去の闇と、現代社会の暗部が、ヴィクを追い詰める!ショッキングな展開を見せる最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 嵐の真夜中に閉鎖された墓地で起きたヴァンパイア殺人事件からはじまった一連の事件に巻き込まれたヴィクが、ヴァンパイア(現代社会の暗部)に追い詰められる。

    ひとりで多くを背負い込み、五里霧中のなか、警察もマスコミも大衆もすべて頼りにできず、自分ひとりで動き回る。なんとか信用できるのは牧師のみ。
    いままでと同様、動き回って、突っつきまわって、その中から真実を拾い上げてゆく。

    最後で大逆転がまっているが、それでもすっきりとはいかない。社会の暗部は残ったたまま、そこに作者の意識がある様に思う。

  • ヴィク、墓場でティーンエイジの少女たちと同業者の死体と出会う。カーミラブーム、アメリカの保革対立、移民問題、ナチスのユダヤ人迫害からんで、ストーリーは複雑に展開。一気に読めるのはさすがです。最後はヴィクが死体になったかと怖かったー

  • ひさしぶりのVI。健在。相変わらず強くて、愛情深くて、無鉄砲で、正義の味方。事件のストーリとともに、彼女の日常が、周りの人々が、生き生きと描かれているのが魅力。二頭の犬と、お隣さんも相変わらずいい味出してる。大満足。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ひさしぶりのVI。健在。」
      読みたーーい。表紙イラストが再び変わってからご無沙汰しているので、たっぷり楽しめるかな?
      その前にエッセイ「沈...
      「ひさしぶりのVI。健在。」
      読みたーーい。表紙イラストが再び変わってからご無沙汰しているので、たっぷり楽しめるかな?
      その前にエッセイ「沈黙の時代に書くということ」も読まなきゃ。。。
      2012/12/06
  • 旅行のお共に何か適度に読み応えがあって面白いものを……と思い、10年振りくらいでサラ・パレツキーの V.I. シリーズを読む。このシリーズは大学時代に好きでよく読んでいたのだが、その後も毎年一冊くらいのペースで出つづけていたらしい。あの素晴しく魅力的だった V.I. も、もう 50歳のおばあちゃんだよ……。
    ストーリーは上院議院選挙候補者の娘達、偏向報道を繰り返す保守系巨大メディア、過去に傷を持つ大富豪、精神鑑定により責任能力なしとされた犯罪者を収容する精神病棟といった要素が複雑に絡みあい、そして 25年前の殺人事件へと継がっていく……というもの。プロットは複雑だが、伏線は綺麗に回収されるし、論理的な破綻も少ないので読み易い。若干、予定調和に過ぎるきらいもあるが、もともとがエンターテイメント小説なんだから、それでいいのだ。
    パレツキーと山本やよいのコンビも健在だが、表紙イラストが江口寿史でなくなってしまったのが非常に残念。あの都会的なセンスがシカゴの街を行くV.I. のイメージにピッタリだったのに。

  • かっこいい!!の一言。いつも通り一気読み。

  • カッコいいなぁ、ヴィク。

  • シリーズを通じて、「理不尽なことや、それを押し通そうとするような勢力には激しく立ち向かい、他方で“弱者”を決して切り捨てようとせず、温かい目線を向けようとしている人物」として描かれてきたと思うが、本作でも彼女のそういう姿勢は健在である。愛すべきヒロインだと思うが…本作の最終盤では「シリーズを止める気か?!」と本気で思った場面が…

  • 「ウィンディ・ストリート」を読んでから止まっている(新版の「サマータイム・ブルース」を読むべきかどうか悩み中←多分読みますが)

    早川書房のPR
    「V・I・ウォーショースキー・シリーズ最新作! 少女たちの儀式ごっこと吸血鬼殺人、そして旧友の依頼が、ヴィクを歴史の闇に挑ませる」

  • 探偵ウォーショースキーの16作目。

    旧知の新聞記者マリとパーティに出席していたヴィクは、
    従妹のペトラに呼び出されて、
    雨の中を少女たちを探して墓地に入り込む。
    ヴァンパイア・クラブの儀式をしようとしてたが、
    男の死体を見つけてしまう。
    なぜかそれが、上院議員候補へのメディアによる攻撃に巻き込まれ、
    ヴィクも個人攻撃されてしまうことに。

    進化論を攻撃する論戦に思い出したのは、
    こどもの頃に読んだ本を思い出した。
    その著者は、「約束を破り楽園を追われた”ヒト”を祖先とするぐらいなら、
    仲間で協力し合って厳しい環境を生き残った”サル”を先祖としたい」
    というようなことを書いていたっけ。

    偏向報道をする人気スターが過去の罪に追い詰められるのは、
    意外な展開だった。
    最後に華々しく罪を暴くのは良いのだけれど、
    死んだふりはしなくて良かったかも。
    新聞記者をクビになってしまったマリは、
    とりあえず選挙のメディア・アドバイザーになったようだが、
    今後はどうなるのやら。

  • もしかしたら星5は若干甘いかな。
    久しぶりに読んだヴィクなので。

    でも、お話は破綻がないですし
    ヴィクが行動的で、格好いいのは◎。

    今回はヴァンパイアの降霊術に嵌った
    少女たちが殺人事件に巻き込まれ
    それを収拾するところからお話が始まります。

    事件をおってゆくと、心を病んだかつての
    大学での友人が依頼してきた調査とも
    繋がりがあることがわかります。

    今回は精神病院が出てきて、そこで療養
    する人のためにもヴィクは戦うのですが…
    パレツキーらしく、光の当たらない所で
    涙を飲んでいる人のことも軽んじないのは
    流石です。

    今の50代の女性って、まだまだ
    魅力的で、発信力がありますね。

    ちょっと一時期しょげていたヴィクより
    私はこっちのほうが好きです。

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