真紅の歓び (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 1-17 スペンサー・シリーズ)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150756673

感想・レビュー・書評

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  • スペンサー・シリーズの15作目。

    あれ、こんな犯人の内面を描くようなシリーズだったか?
    荒っぽい言い方をすれば、いまどきのミステリーのようだ。
    そして、前作にまして、
    いよいよスーザンが仕事上のパートナーのようになってきた。

    アフリカ系アメリカ人の女性を殺し、
    バラを置いていく事件が続く。
    犯人は自分が警察官だという手紙を警部補に送ってきたため、
    部外者のスペンサーが応援を頼まれる。
    (そんな馬鹿な、とここで突っ込むようでは、
    このシリーズの読者とは言えない)
    スーザンの家に侵入者があり、赤いバラが置かれた後、
    犯人が名乗りでるが、スペンサーや警部補たちは真犯人ではないと見抜き、
    「個人的」に捜査を続ける。

    1988年当時のボストンにサントリー・レストランがあって、
    寿司や天ぷらを出していたとは知らなかった。

  • むかし、スペンサーシリーズが好きで何作か読んでいた。久々にこのシリーズを読んだけれど、特別なトリックがあるわけでもない、犯人のサイコ度も低めだということに気づいた。

  • 1○フックトラグ
    ・hooked rug
    ○マルディ・グラ
    ・フランス語で「肥沃な火曜日」の意で、謝肉祭の最終日、灰の水曜日の前日を意味する。英語の「Shrove Tuesday」(告解火曜日、懺悔の火曜日、パンケーキ・デイ)に相当する。ニューオーリンズ(アメリカ合衆国)のニューオーリンズ・マルディグラが有名だが、今は宗教色は消えパレードや音楽が中心の祭りになっている。その規模は、リオのカーニバルと同じく世界の主要カーニバルのひとつに数えられる。wiki.漢語では,「狂歓節」。
    ○バーバラ・ウォルターズ
    ・(1929年9月25日 -)は、米国のテレビジャーナリスト、作家、テレビ司会者。『トゥデイ』、『ザ・ビュー』の司会、『ABCイヴニング・ニュース』の共同アンカー、『ABCニュース』の記者を務めている。wiki
    2○ミドリ・リキュール
    ・1978年にサントリーがミドリ・メロン・リキュールを発売。これは従来品に残るウリ科独特の野菜臭を低減した完成度の高いリキュールであり、日本を代表する銘酒の一つとして各国に広まった。現在では約30カ国に輸出されている。wiki.
    ○シャルトルーズ
    ・シャルトリューズ (Chartreuse) は、カルトジオ会に伝えられた薬草系リキュールの銘酒で、「リキュールの女王」とも称される。エリクサーの一種であり、フランスを代表するリキュールのひとつとされる[4]。wiki.
    ○ベルーガ・キャビア
    ・wikiによれば,キャビアの最も高価な種類で,キロあたり七千から一万ドル。
    ○ブレムナー・ウェファース
    ・Bremner Biscuit Companyの neutral tasteのクラッカー。
    ○モクシイ
    ・炭酸飲料。現在,キリン・ホールディングズ傘下。
    ○デヴィル・ドッグズ
    ・スナック菓子。
    ○そのどうにもならない欲求に視点を向けるのも役に立つかもしれない
    ・原文:Might be worth looking at the bondage. スーザンが言っていることは,単に「the bondage/縛り方」に視点を向けるのも役に立つかもしれない,ということか?
    4○タンク・マクナマラ
    ・複数の新聞に掲載されていたマンガ(の主人公)。
    ○アイリッシュ・リヴィエラ
    ・アイルランド系アメリカ人の人口密度の高い地域の俗称。マサチューセッツ州では,Marshfield,Scituate,South Boston,The South Shore。
    ○レヴォラー・ブラインド
    ・Levolorは,ブラインドのメーカー名。
    5○アラブ産アルマジロ
    ・アルマジロ(スペイン語: Armadillo)は、北アメリカ南部からアルゼンチンにかけて分布している(wiki)。 どうやら,アラビアにはアルマジロはいないらしい。
    ○イメルダ・マルコス
    フィリピン共和国第10代大統領のフェルディナンド・マルコス夫人。1986年にフェルディナンドとともにハワイ州に亡命した。のちに帰国。本書(1988年)の時点では亡命中。
    ○リーガル・シーフッド(Legal seafood)
    ・1986年に, Legal Sea Foodsは, NBCの Today Showで "Best Seafood Restaurant in America" に選ばれた。wiki.
    6○ベン・ウェブスター
    ・ベンジャミン・フランシス・ウェブスター(Benjamin Francis Webster、1909年3月27日-1973年9月20日)(「ザ・ブルート」、もしくは「フロッグ」という呼び名でも知られている)は、強い影響力を持った、アメリカ人のジャズ・テナー・サックス奏者。wiki.
    ○ゲルシー・カークランド
    ・バレリーナ。1952年生まれ。
    ○バタフライ
    ・ストリップショーの踊り子が恥部を覆う三角形の布類。原文:G-string.
    12○ああ,荒野よ……パン一かたまりとワイン一瓶,……それに汝
    ・『ルバイヤート』のエドワード・フィッツジェラルドによる英訳:
    "A Book of Verses underneath the Bough,A Jug of Wine, a Loaf of Bread—and Thou /Beside me singing in the Wilderness—/Oh, Wilderness were Paradise enow!"
    ○ジークムント・スペンサーだ。
    ・Sigmund Freud.
    13○デイジイ・ダック
    ・ドナルド・ダックのガールフレンド。
    ○リング誌
    ・ボクシング雑誌。
    ○コモン・グラウンド
    ・Common Ground: A Turbulent Decade in the Lives of Three American Families。1985年。 J. Anthony Lukas著。『海馬を馴らす』25章では,スーザンが読んでいた。ピューリッツァー賞を受賞したノンフィクション。ボストンの人種問題がテーマ。
    14○ジェイン・ポーリー
    ・NBCの番組「Today」の共同司会者。
    16○スチュアート・グレンジャーだったらケニヤで
    ・スチュワート・グレンジャー(1913~93年)が主演した映画『キング・ソロモン』(『ソロモン王の洞窟』の再映画化。1950年)。当時イギリス領だったケニア・タンガニーカ・ウガンダとベルギー領コンゴでロケーションを行う。『告別』11章に既出。
    ○モホーク刈り
    ・モヒカン刈り
    18○アルカトラズの鳥類研究者(birdman)
    ・アルカトラズ島( Alcatraz Island)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州のサンフランシスコ湾内、サンフランシスコ市から2.4kmのところに浮かぶ、面積0.076km²の小島である。昔は灯台、軍事要塞、軍事監獄、そして1963年まで連邦刑務所として使用され、ザ・ロック、監獄島とも呼ばれている。1972年、国立レクリエーション地域となり、1976年及び1986年にランドマークの指定を受けた。カモメを始めとした海鳥の生息地としても知られる。服役した受刑者の中には、有名な者も多い。ロバート・フランクリン・ストラウドは、殺人罪でカンザス州レブンワースの刑務所に服役中に看守を殺して死刑判決を受けた後、嘆願により1920年終身刑に減刑され、1942年アルカトラズ連邦刑務所に移送され、1959年他所へ移送されるまでの17年間をここで過ごした。レブンワース刑務所でカナリアを飼ってその病気について研究し、本も書いていたことから「バードマン」(鳥人間)というあだ名で知られたが、同刑務所で、研究の名目で手に入れた道具を酒の密造に使おうとしていたことが発覚するなどしてカナリアの飼育が禁止され、アルカトラズ時代には鳥を飼ってはいなかった。wiki.
    19○WKDKのジミイ・ウィンストン・ショウ,ボストンの思潮。
    ・未詳。WKDKは,Newberry, South Carolinaのラジオ局。ジミイ・ウィンストンも未詳。
    ○メイナード・ゴールドマン
    ・不明。ここ以外には登場しないようだ。文庫本『蒼ざめた王たち』の解説者,木村二郎氏のいう,オークションで「次作に自分の名前を出してもらえる権利」を競り落としたひとか。
    20○ケリイ・ドレイク
    ・コミック『Kerry Drake』の主人公。地区検察局をやめて警察官となり,顔のない男などと戦う。
    21○エ・プルリブス・ウナム
    ・「多数から一つへ」を意味するラテン語の成句で、「多州から成る統一国家」であるアメリカ合衆国を表す。1782年に議会により制定されたアメリカ合衆国の国璽の図柄の一部としてリボン状の装飾の上に書かれている。法で制定されてはいないものの、「 E Pluribus Unum 」は事実上、アメリカ合衆国のモットーであると広く認識されてきたが、1956年にはアメリカ合衆国議会により法 (H. J. Resolution 396) が可決され、「 In God We Trust 」が公式モットーとして採用された。wiki.
    21と22の間○濃紺のドレスに花をつけて立っている。
    ・She was there in a dark blue dress with red flowers on it.
    24○フロマッジオ
    ・Formaggio Kitchen.高級食材店。
    ○ラーイオスからきみのイオカステに?
    ・ギリシア神話の登場人物。エディプスの父テーバイの王ラーイオスとその妻イオカステ。エディプスは実の父を殺し、実の母と親子婚を行ったため、オイディプースの名は「エディプスコンプレックス」の語源になった。wiki.
    27○ラフロイグ
    ・スコットランド西海岸沖に浮かぶアイラ島に所在するシングルモルト・スコッチ・ウイスキーの蒸留所、および、そこで産出されるシングルモルト・スコッチウイスキーの銘柄である。独特の強烈なピート(泥炭)香を持つのが特徴。ラフロイグとは、ゲール語で「広い湾のそばの美しい窪地」を意味する。2014年、サントリーホールディングスがビーム社を買収、ビーム社はビーム サントリーと改称した。現在はサントリーホールディングスがビーム サントリーを介してラフロイグ蒸留所を所有している。
    ○ニコルズ・アンド・メイ
    ・Mike Nichols と Elaine May。グラミー賞を受賞したコメディ・デュオ。
    ○タラゴン
    ・タラゴン(Tarragon)は、キク科ヨモギ属の多年生植物。フランス語のエストラゴン (Estragon) の名で知られる。ドレッシングなどサラダの味付けに使用する。フランス料理で広く利用され、タルタルソースなど多くのソースに加えられる。また、鶏肉、魚介、卵料理まで、淡白な味を引き立て、料理の味を劇的に変化させることから「魔法の竜」と呼ばれている。 wiki.
    30○ロイス・レイン
    ・デイリープラネット社の新聞記者。クラーク・ケント(スーパーマン)の同僚,恋人。
    ○ランボー
    ・シルベスター・スタローン主演の映画の主人公。ベトナム戦争から帰国した元米陸軍特殊部隊兵士。
    32○<体調を整えておくべきだ,ゴーディ>。左の方は海が何もない自由な世界の幻想をたたえて広がっている。無限に広がっているがその中へ入れば私たちは死んでしまう。
    ・訳し漏れがあるのだろう。ペーパーバックは,以下のごとし。
    <体調を整えておくべきだ,ゴーディ>。As I ran now there was a kind of music to it.<Big wheel keep on turning.>左の方は海が何もない自由な世界の幻想をたたえて広がっている。Maybe Felton's last illusion of empty freedom as he fled along it. 無限に広がっているがその中へ入れば私たちは死んでしまう。  <>内は斜体。
    32:<誇り高きメアリ,燃え続けよ>。……<海辺をうねるように走る(Rolling on the seashore)>
    ・ティナ・ターナー(ロックンロールの女王)の『Proud Mary』:「Big wheel keep on turning/ Proud Mary keep on burning/ And we're rolling, rolling/ Rolling on the river 」。
    33○サントリー・レストラン
    ・Best of Bostonで,Restaurant Suntoryが1987 Best Japanese Restaurantに選ばれている。すしと天ぷら。270 Tremont Stにあった。ネットでは270 Tremont St.という所在地も見つかるが,現在はボストンには,お店はないのかも知れない。
    スペンサーもこのあと,箸をじょうずに使えるようになったと思う。
    33○マラソン・マン
    ・ウィリアム・ゴールドマンが1974年に出版したサスペンス小説。1976年、ダスティン・ホフマン、ローレンス・オリヴィエ主演で映画化された。wiki.
    ○ブリッジウォーター国立病院
    ・Bridgewater State Hospital。州立かも知れない。マサチューセッツ州南東部にある,男性専用の触法精神障害者収容施設。この病院を題材としたドキュメンタリー映画,『Titicut Follies』(1967)がある。

  • ★粗筋★
    犯行現場に薔薇と精液を残す謎の連続殺人の犯人を捕まえろ!
    クワーク警部補から依頼を受けたスペンサーが走って走って捕まえるハードボイルド・ミステリーな物語。


    やっぱ後年のスペンサーシリーズの方が、いい感じに力が抜けて読みやすい作品になっとるなーと実感。
    この「真紅の歓び」も悪くはないんやけどね。

  •  スペンサー・シリーズである。第一作からずっと追いかけてきている。最近は世界が確定してその中で堂々巡りをしているような感じで、ちょっと読みにくくなっている。あいかわらず、ミステリーと呼ぶ気がしないほど、その範疇ではあっさりとしたものである。もっとも、作者のインタビューなどを読むと、確信犯であるのだろうけど。実際、このストーリーも、サイコ・サスペンスなんだろうけど、そんなことはどうでもいいのであって、スペンサーとスーザンの本当の対決がメインである。
     どっちもプロであり、自分の仕事や能力、やり方やルールに自信を持っているからこそ対決してしまうことはよくわかる。そういう意味では、「拡がる環」や「ダブル・デュースの対決」とは違うと思う。が、困ったのことは、その対決の意義とそこから得たものを、主人公たちの言葉を借りて作者が説明してしまうことである。それが興ざめだったけど、実は、犯人の最後の一言は感動したし、どうでもいいような犯人にかすかにコンプレックスを持ってしまうスペンサーはけっこうかわいいのであった。
     さて、この文章を読んで、さっぱりわけがわからない人。実は、そのあたりが冒頭に書いた「世界が確定してその中で堂々巡りをしてる」って感じなのです。多分、全15回の連続ドラマをの9回目くらいを始めて見たような気分になると思います、始めて読むと。できれば、「初秋」あたりから読んでください。

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