ストライク・スリーで殺される (ハヤカワ・ミステリ文庫NV)

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制作 : Richard Dean Rosen  永井 淳 
  • 早川書房 (1987年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150763015

ストライク・スリーで殺される (ハヤカワ・ミステリ文庫NV)の感想・レビュー・書評

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  • 万年控え捕手に「ベンチばかり暖めてないで、人の役に立つことをしろ」などくすっと笑える大リーガーの台詞が面白かった!野球サスペンスです。

  • 1985年アメリカ探偵作家クラブ最優秀処女長編賞受賞
    原題は『Strike Three, You're Dead』

    投手が頭を狙って投げてくるのは、打者の調子がよいときだ。
    中堅手ハーヴェイ・ブリスバーグは突如、ボストン・レッドソックスからアメリカンリーグ東地区の新設チーム、プロヴィデンス・ジューエルズにドラフトされた。
    現在、ハーヴェイは30歳にしてかつてない好成績、3割9厘という打率を上げていた。
    歴史学の博士号をとったのに、野球を選択したことに対する母の嫌味も最近では気にならなくなった。

    早朝、バッティングの特訓をするため球場に行ったハーヴェイは、ロッカールームの風呂場で28歳のリリーフ・ピッチャー、ルディ・ファースが死んでいるのを見つける。
    ルディは、遠征先でハーヴェイのルームメイトだった。
    ルディの愛猫をひきとりに行ったハーヴェイは、クローゼットのなかに女性の下着を見つける。

    ジューエルズの監督フェリックス・シャロウブの13歳年下の妻フランセスは、試合中ダグアウトで監督の采配に口を出していると評判だった。
    彼女は、アメリカン・リーグ有数の右腕投手ボビー・ワグナーはシーズン終了後フリー・エージェント権を得るが、チームにひきとめなければならないと語っていた。

    ルディの死因は風呂で溺れたことによる窒息とバッドによる殴打だった。
    警察はルディの家にタイプライターが3台あり、死体から3000ドルが見つかったことから、犯罪との関わりを疑った。

    「犯人はチームのメンバーかもしれない」というハーヴェイの発言が新聞に出た日、彼のロッカーにはネズミの死骸がぶらさがっていた。
    遠征先のホテルでフランセスの部屋に呼ばれたハーヴェイは、彼女のナイトガウンがルディの部屋にあった下着と同じブティックの製品であると気付く。
    さらに、ニューヨーク・ヤンキースとの試合中に、ハーヴェイのグローブの中に脅迫状が入れられていた。

    フランセスの元共同経営者は彼女を<東の意地悪な魔女>と称し、仕事をとるためなら手段を選ばなかったと語った。
    自分の会社を売ってジューエルズの一部を所有し、夫を監督にしたのだ。


    <解決篇>

    タイプライターは孤児であるルディが孤児院に寄付するために買ったことが判明した。
    ハーヴェイはルディとフランセスが不動産投資の話をしていたと聞き、彼のロッカーにあった不動産投資の本から当座預金口座の明細書を見つけた。
    ここ3ヵ月間に、3千ドルずつ4回預金していた。

    ハーヴェイは、記録マニアの兄から、先発ピッチャーが後半リードしながら降板させられ敗戦投手になる試合が17回もあったことを知らされる。
    リリーフピッチャーは先発ピッチャーが勝つのを邪魔することができると考えたハーヴェイは深夜、クラブハウスにシーズン記録を確かめに行く。
    いずれもボビー・ワグナーの試合にエディがリリーフして負けた数日後に3000ドルが預金されていた。
    そこにワグナーが現れ、「あんたも気づいたってわけだ」と言った。

    ワグナーを失うことに耐えられなかったフランセスは、ワグナーが不調のままシーズンを終えれば、値打ちが下がって、ジューエルズでも契約できると考えた。
    そこでワグナーを敗戦投手にするために、フランセスに惚れていたルディを買収した。
    そしてフェリックスに働きかけ、ルディにワグナーを救援させるように仕向けたのだ。

    ワグナーは「ロッカーのネズミの死骸がストライク・ワン、ヤンキースタジアムでの警告がストライク・ツー、今度がストライク・スリー、バッターアウト!」とバットを振りかぶって、ハーヴェイに襲いかかった。
    ハーヴェイは地下道を抜け、ダグアウトに逃げたが、ワグナーはハーヴェイめがけて剛速球を投げる。
    逃げ場を失ったとき、スプリンクラーが作動し、グランドキーパーが現れたため、ワグナーは立ち去る。

    ルディに支払った現金の出どころから、フランセスの企みが立証され、彼女は逮捕される。

    登板予定のシーズン最終戦にワグナーは現れた。
    フェリックスはワグナーに投げさせてやってくれと警察に頼む。
    試合は、センターフライをハーヴェイがキャッチしてゲームセット! 
    ジューエルズは1-0でヤンキースに勝利した。
    無失点で投げ切ったワグナーは警官に護衛されて、球場を出て行った。

    <<グロルシュ・ビール>>
    ルディが殺害される数日前に、ハーヴェイはルディの家でグロルシュ・ビールを飲んで酔いつぶれた。

  • MBLのロッカールームで起こった殺人事件を被害者のチームメイトが解いていく。
    MLBの華やかではない場面を描いているのが面白かった。ベンチ裏の会話とか、ファンとのやり取りとか。謎解きのヒントになる人物の存在も扱いが巧いなぁと思った。
    最初は単なる脇役だと思わせておいて、最後に謎のキーを同じ調子で提示する。読んでいてはっとさせられた。
    動機自体は突飛ではなかったし、犯人も意外ではなかったけれど、魍魎跋扈するMBLでは実際にありそうなところが面白かった。
    今現在のメジャーリーガーの年俸高沸はこの頃から懸念されていたのか。
    でも、主人公が野球をやめて無資格探偵になってしまう次作には食指は動かないかも。

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