ロマンスのR (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 4-18)

  • 早川書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150763688

感想・レビュー・書評

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  • 探偵キンジー17作目。

    大富豪からの依頼は、刑務所から出所する娘リーバを迎えにいってほしい、
    というもの。
    会社の金を横領した罪だったが、なぜか会社の元上司とよりを戻す。
    元上司にはマネー・ロンダリングの疑いがあり、
    そのリーバを利用しようと刑事がキンジーに近づいてくる。
    キンジーが前から心憎く思っていた刑事だったため、
    久々に恋愛関係に陥るキンジー。
    元上司とは不倫で、しかも他の女とも浮気をしていることもあり、
    リーバに目を覚ますことを勧めることになる。

    これが日本で最後のキンジーの作品だというのに、
    リーバに振り回されてばかりで、探偵として良いところがあまりないような。
    大胆さといい、頭の回転の速さといい、リーバの方が探偵に向いてる?

    ヴィクとキンジーなら、キンジーの方に親近感を感じていて、
    いつまでもヘンリーの隣に住んで探偵を続けてほしい気がしていた。
    でもこの作品を読んで、キンジーに「運がめぐって」きても良い気がした。
    どちらが幸せなのか、キンジーにとって。

    そういう意味では、翻訳が途中になってしまっているのは、
    良かったのかもしれない。
    でもなー、やっぱりその後が知りたい。

  • 大富豪から受けた仕事は、ごく簡単なものだった。出所する一人娘のリーバを刑務所に迎えに行き、自宅まで送ってほしいというのだ。仮釈放の身のリーバは、制限の多い生活でキンジーに友人づきあいを求めてくる。だが、彼女と愛人関係にあった元雇い主が金融犯罪に関与していることが判明したとき、事態は一変した。捜査当局が彼を摘発しようとリーバの証言を求めて接近してきたのだ……久々の恋に燃える女探偵、事件に挑む。

    キンジー・ミルホーン・シリーズ第18弾、ようやく『R』まで来ました。が、7年の積読期間を経て読み終えた今、日本では『S』以降が出版されていないという現実に愕然・・・。本国では『V』(2011年)まで出ているのに。ハヤカワ・ミステリ文庫での復活を期待します。
    さて、本作ではキンジーは新たな恋に陥り(解説者曰く)色ボケ状態で、ゲスト登場人物のリーバに主役の座を譲る羽目になるのですが、リーバのキャラが魅力的でハラハラさせられながら楽しく読めました。キンジーも「わたしはたいていヒロインだが、ときには、他人の人生ドラマのなかでちょい役しか演じないこともある」ことを学んだと報告してますので、問題なし。ヴィクとは違うキンジーの魅力も十分楽しめる一冊でした。

  • キンジー・ミルホーンのシリーズ。
    文庫化されました。
    キンジーは南カリフォルニアの小さな町サンタ・テレサの私立探偵で37歳。
    大金持ちの老人ラファティが、出所する娘リーバを迎えに行って、落ち着くまで付き添って欲しいという依頼。
    簡単に思えたが…
    横領した金をギャンブルで全部すったというリーバは、まだ30そこそこで、刑務所暮らしで太ったかという予想より綺麗だが、どこか不遜に見えるというのも面白い。
    刑務所では案外適応していたらしい賢さもかいま見えるが、もともと大酒飲みで薬もやればギャンブル好きという問題は大あり。
    ロージーの店に連れて行くと、偶然を装って現れたのはかっての雇い主ベック。リーバを告訴した上司のはずだったが…
    家主のハンサム老人・ヘンリーの出会ったマティとの恋の行く末は?
    市警のチーニー・フィリップス警部補が、リーバの件で接近してくる。
    ベックがマネーロンダリングを行っていて、リーバはその手先だったというのだ。裁判なしで罪を認めたのは愛人関係にあった彼のためで、なんと身代わりで入獄していた?
    国税庁とFBIがリーバに情報提供を求めてくるのだが…
    キンジーは3ヶ月前にチーニーが結婚したと聞いて内心がっかりしていた。ところが、じつは電撃結婚の後すぐ冷めたらしくもう離婚していたと知る。
    ディーツとは1年3ヶ月連絡なしで既に終わったらしい。
    事件の最中に、チーニーと突如、盛り上がる。知り合ってからは長いので、電撃婚の相手よりは信頼できそうなのか?
    姿をくらませたリーバを追ってリノへ飛び、金を追って現れたギャングに殴られたりしつつ、真相を追うキンジー。
    騙されていた割に意外にやり手のリーバが、たくましく活躍するので、読後感はかなりいいです。
    チーニーがおしゃれな男なので、普段全くかまわないキンジーもさすがに気を遣い?リーバにファッションのアドヴァイスを貰うのがおかしい。そうそう、少しはおしゃれしたほうがいいわよ!
    携帯電話のない時代なので、どこかのんびりした部分も。
    終盤の危機に、恋人チーニーが颯爽と助けに現れるどころか、全然出てこないし気にもされてない?のがある意味、らしいというか。
    1982年以来書き継がれているシリーズも18冊目。これは2004年発表の作品です。小説の中ではまだ1987年ぐらい?
    次作も翌年出ていますが、翻訳が遅れてますね。
    作者は1940年生まれ。キンジーより10年上なんですね。

  • 女性探偵キンジーのシリーズ。なんと「アリバイのA」からはじまってRだ。全部読んでます。全部内容は忘れてるけど。主人公の日常生活がこまこまこまこま書かれていて大好きなシリーズ。 今回はちょっと番外編っぽい感じ? キンジーが刑務所から出所する女性を迎えにいくという仕事を頼まれて、キンジーをして「この女、神経が鉄でできてる」といわしめるその女性が事件にかかわっていて、というストーリー。わたしに言わせれば私立探偵って全員、神経が鉄でできてると思うけど。その女性とキンジーが仲良くなって一緒に買い物に行ったり、マクドナルドのハンバーガー食べたりするところがすごく楽しい。ふりまわされてあたふたするキンジーがかわいい。恋人出現とか、もはやこれはコージーミステリでは? このシリーズこんなにおもしろかったか!とあらためて思った。(番外編だからかな。)

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