マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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制作 : Dashiell Hammett  小鷹 信光 
  • 早川書房 (2012年9月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150773076

マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 10代に読んだ時はぶっちゃけ「チャンドラーよりテンポいいタフガイ&不二子ちゃん小説」みたいなアホな感想しかなかったが改めて30年ぶりくらい読み終えて戦慄が走る。一晩で読めたこれが1930年の小説か!あれか。現代から「ハードボイルド」て典型から事後的に眺めていたから「型」鑑賞的になる。ハメットが発明してチャンドラーがスタイルを固めたあのアメリカンウェイオブ軽妙会話翻訳調の「ハードボイルド」の「様式美」になんか目眩しされていたかな。これ大きく言えば20年代ロストジェネレーションが抱えた第一次大戦後の 「問題」のパルプフィクション側の回答であり回答の仕方=器の発明である。しかしサム・スペードの非情さを比較して例えば日露戦後の『大菩薩峠』机龍之助のべったりとした仏教的ニヒリズムと違うのなんでだろう。僕の好きな久生十蘭にも似た酷薄さ突き放しはあるが、北米のtoughてものの概念に中にある種のsatireが含まれる感があり生に執着しつつ(十蘭は基本「死んでもいい」)ちょっと狂ってる。ハードボイルドがその後ダンディズムに陥落しなければよかった。たがらあとがきにもあったが、戦後初期に紹介された際の「行動派探偵小説」の呼び名の方が改めて相応しいような気がす。行動は身体張る暴力だけでなく言動も含む。ハッタリやカマかけかましながら嘘ば嘘のままネゴシエートで真実に到達し、解決するが解決はなんかパズル解きのアクメはなく、巻き込まれてただ離脱する日常復帰の徒労感。これって第一次大戦従軍帰還兵の心理に相当マッチしたんではないか。しかしそして今ググっびっくりした訳者小鷹信光『行動派探偵小説史(1961年)』が全文webで公開されてますよ!

    https://www.kodakanobumitsu.com/2-初舞台-マンハント/1-行動派探偵小説史/1-1922-1932-悪徳の世界との対決/

  • 先日ラジオのDJが、この作品がハードボイルドの始祖なんだと熱く語ったのを聞いてきて、夫が読みたがった本を私も読んでみました。。

    うーん。ハードボイルドの定義はなんだろう。
    私は、美女にモテモテでクールでかっこいい主人公が、銃撃戦をしながら目的を果たしていくようなイメージでした。とにかくアクションシーン満載、みたいな。
    でも、この作品は違いました。
    アクションではなく騙し合いの心理戦が大半です。

    もともとハードボイルドはあまり読んだことがなく、楽しみ方がイマイチわかりませんでした・・・

  • 謎ががあり、落ちがついている点で、レイモンド・チャンドラーよりもミステリとして読みやすい。サム・スペードは、フィリップ・マーローよりも軽い印象。

  • ハード・ボイルドの出発点となった作品。
    推理は特にしていないように思うが、その話し方なんかは以後の作品に大いに影響を与えただろう。
    今にしてみると、あまりにまんま過ぎて笑える部分もあるが。

  • 映像が無いとわかりにくい。
    ハードボイルドの入門書には不向き。

  • 最後の章で依頼人を追い詰めるまで主人公が好きになれませんでした。
    最後でようやく主人公の頭の切れや冷徹さが出て『ハードボイルド』なのかな、と思えましたが途中まではただ暴力的で
    粗野な探偵としか見えませんでした。

    マルタ騎士団由来の鷹にはロマンを感じます。

  • マッチョイズムの主人公を探偵業の理想と作者が序文で述べているが、その主人公像が合わなかった。手巻きタバコの描写がかなり多かったのが印象的。ちょっと手巻きタバコを嗜んでいたおかげで紙にタバコ葉を巻く描写がよく理解できた。

  • ハンフリー・ボガート主演の映画があったのを知っていた程度だったが、読んでおくべき本として出ていた事をキッカケに購入したもの。

    文字も大きいし、漢字も難しい字が出てくるでも無いのだけど、何故か読み進められない。ずっと我慢して一応読み終えたけれども、最後までこの本の良さが分からないままだった。

    思うに、書かれてある文字を読んでもビジュアル化しにくい。たとえ外国の事、見た事が無いものであっても、書き方次第で伝わるものだが、映画化されたとは思えないほど、目の前に画像が出て来ない。

    次に、ストーリーの進め方のテンポが悪い。会話だけで済む所に、いちいち状況説明が入るのは、読む方にとってはノッキングを喰らわせられる様に感じる。


    そしてやはり訳が悪いと思う。舞台が米国であるにしても、主人公のスペードの喋り方をするのだろうか…従業員の、若い女の子に対する態度や喋り方も、最後まで違和感を覚えるし、ちょっとした表現の仕方においても、適切な日本語が選ばれているとは思えない。ベテランの訳者による完訳とあるのだが、日本人読者としてはもっとリアリティをもった身近に感じられる訳の方が良い様に思う。

    ストーリーとしては、半分過ぎた辺りから少し推理小説的展開を見せるがそれ以上には発展せず、際立ったトリックも無い。と言うよりも、無理アリアリのクライマックス…何とも残念な思いのみ残った。

  • サム・スペード男前だなぁ。ただただそんな感じ。ハードボイルドの何たるかはよく分かってないけど、筋は一本通すってことかな。完全無欠の正義の味方ではなくて、損得勘定と欲深さが臭う人間味のある探偵って感じ。ホームズみたく、世俗を超越してる不思議なキャラクターじゃなくて、まぁこんなギリギリダーティーなことやってる人いるだろうなぁってライン。
    出てくるやつ出てくるやつ、鷹の像が欲しくて仕方ない、罪深き大人ばっかり。
    パートナーのマイルズの死はあっけなさすぎてちょっと可哀想。

  • むむ、面白い!チャンドラーより好み。
    今更ながらハードボイルドにはまるかも。

    依頼人、同僚とも信用できないことを織り込み済みで行動していく探偵スペード。
    強いメンタリティーは、最近悲鳴を上げ愚痴をこぼすサラリーマンに落ちぶれている自分にとっては目指すべき姿のようにも思える。筋の通し方は女性に対してもある意味平等。う~ん、プロフェッショナル。

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マルタの鷹〔改訳決定版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の作品紹介

私立探偵サム・スペードの事務所を若い女が訪れた。悪い男にひっかかり、駆け落ちした妹を連れ戻して欲しいとの依頼だった。スペードの相棒が相手の男を尾行するが、相棒も男も何者かに射殺されてしまう。女の依頼には何か裏があったのか…。やがて、スペードは黄金の鷹像をめぐる金と欲にまみれた醜い争いに巻き込まれていく-ハンフリー・ボガート主演映画で知られる、ハードボイルド小説の不朽の名作。改訳決定版。

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