森を抜ける道 (ハヤカワ・ミステリ文庫 テ 4-10)

  • 早川書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150775605

作品紹介・あらすじ

休暇中のモース主任警部は宿泊先で『タイムズ』のある見出しに目をとめた。記事によると、警察に謎の詩が届けられ、それには一年前の女子学生失踪事件を解く鍵があるらしい。やがて事件の担当になったモースは、彼女が埋まっていると詩が暗示するワイタムの森の捜索を開始する。だが、そこでは意外な発見が待ち受けていた!一篇の詩から殺人事件の謎へ、華麗な推理が展開する英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • スウェーデンから旅行にやってきた若い女性のリュックが見つかり、女性は行方不明。近くの森を探したが遺体はみつからない。バス停付近で女性を見たという情報も何件かあるが・・ この女性がバス停に立っているという場面がTVにはあった気がする。森の中の湖もうっすらと記憶に。あとはその後の展開もまったく覚えていなかった。

    「主任警部モース」初原作読み。
    犯行に至った犯人の心理よりは、モースとルイスのやりとり、警察署内の人間関係と捜査の進展過程を楽しむ。TVではわからない心理が書いてある。

    序章と本文、エピローグ全71章に文学作品とか政治家とかの言葉の引用が冒頭に書いてある。
    引用でおもしろかったのは、「委員会とはなにか?不適当な人びとから選ばれて、不必要なことをする、気の進まない人たちのグループ」(リチャード・ハークネス 1960.6.15日付:ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン)
    これは33章でモースが同時に起こっている市内の少年たちの暴動さわぎに対する警察内部の会議に出席したあと、ストレンジ主任警視が、この後いろいろな委員会ができて、さらにこの少年たちの父親に罰金を科すべき、と言ったところ、本部長が「いいアイデアだが、難点は、そういう若者の大半には父親がいないことだよ」という章。

    物語の設定は1991年から92年。当時のイギリス、ロンドンの世相も取り入れられているのだろう。

    女性の身長の記述で、カリンは背が高く(5フィート8インチ半)、ドクター・ホブスンは小柄で5フィート4インチくらい、とある。160cmだと小柄で171cmくらいになると大柄となるのか。

    1992発表
    1993.8ハヤカワミステリ
    1998.10.15発行  図書館

  • 好きだったマックスが亡くなってしまい、残念。。

  • モース警部シリーズ10作目。
    (ブルックナー8番を聞きながら。)
    誰かが私に呪文をかけた。
    この本を開くと瞼が重くなる。

    長くて登場人物も多くてまどろっこしい表現も多かったけれど、
    これまで読んだシリーズの中ではこれが一番面白かったかも。
    たぶんしないかもしれないけれど再読するならこれ。
    どこが気に入ったって訳ではないけれど女性たちそれぞれのたたずまいが凛としている。

    だけど、どうしてモース警部ってあんなにモテるんでしょう・・・

  • 「わたしを見つけて、スウェーデンの娘を

    わたしを蔽う凍った外被をとかして

    青空を映す水を乾かし

    わたしの永遠のテントを広げて」

                   A・オースチン(1853-87)

    この詩がキドリントンのテムズ・バレイ警察に届き、1年前のスウェーデン人女子学生事件の再捜査が始まる。

    事件担当のジョンソン主任警部にストレンジ警視が言う。

    「人はときとして間違った理由から正しいことをすることがある。

    しかしモースはどうか?

    彼はむしろ正しい理由から間違ったことをすることが多い。

    正しい理由とは・・・わかるな?

    だから彼がときどき飲みすぎるとしても・・・」

    「モースに事件を担当させたいということですか?」

    「うむ、そのほうがいいと思う」ストレンジは言った。

    森を抜ける道」コリン・デクスター

    デクスターのモース主任警部シリーズ第十作「森を抜ける道」は読者のどんな名推理も追いつかない傑作推理小説です。

    本書でデクスター氏は再びゴールド・ダガー賞を受賞しました。

    名実ともにイギリスの推理小説家としてコナン・ドイル、アガサ・クリスティのすぐ横の椅子に鎮座することとなりました。

    WOWOW8/31(土)午後2:00でスタートする「新米刑事モース~オックスフォード事件簿~」が話題なのもイギリスにおけるモース警部の衰えない人気ぶりにささえられています。

    「森を抜ける道」エピローグ最後の行

    「彼の住所はおわかりですか?」秘書が訊いた。

    「いや、キドリントンの警察本部(E・モース)あてに出してくれ、それでいい」

    「このイニシャルは・・・なんの略かご存知ですか?」

    「”E”か?」

    編集長はちょっと考えた。

    「うーん、いや、わからん。誰も知るまい」  (完)
    編集
    レビューの公開

  • モース警部の造形や、ユーモアだけではつらくなってきたな。

  • これは「本格」なのだろうか。。。
    物語としては面白いが、、、、犯人も動機も途中で何となく分かるし、ほぼ犯人の自白でけりが付くし、、、期待はずれ。

  • 好きな作家さんなのだけどなぜか読んでると眠くなる。
    いつものモース警部の魅力は健在。つまりとっぴな想像力、天才的ひらめきと思考回路。全編ほぼ推理の連続で次第に事件の全貌が分かってくるというのもいつもどおりかな。ただここ何作かではかなり面白い方であると思う。
    ただこの辺は嗜好のちがいかな。僕は短くコンパクトにまとまったほうがキレがいいように感じるタイプなので、これだけ長いとなんとなく散漫になっているような印象を受けてしまう。それが自分内の評価を下げているのかな?

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