- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150777036
感想・レビュー・書評
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二転三転の国際謀略サバイバル・サスペンス。飛行機のハイジャックにより、連れ出された9人の乗客。彼らが監禁されたのは北極圏の一軒家。犯人の目的は、犯人は…
奇抜な設定の中で繰り広げられるサバイバル・サスペンス。9人の乗客も政府要人の娘、天文学者、土木技師、殺人容疑者と移送途中の警察官、ナイトクラブ歌手と様々。誰もが怪しく、誰もがウソをついているようにも見える。
『逃げるアヒル』の方が面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
脱出不可能な「吹雪の山荘」に人々が閉じ込められ、そこで殺人が起こる…のだが——毎度こんなことばっかり言っていて恐縮ではあるが——本作はクローズド・サークルものではない。では何かと問われれば、のっけから国際的謀略が登場することもあり、サスペンスということになるのだろう。
この手のお話において、「自称○○、しかしてその正体は…」てなキャラクターはお約束。ただ本作の場合はそれのオンパレードすぎて、しまいには驚きもすり減ってしまったし、ラストで明かされる真相もなんだかよくわからなかった。死んだら死にっぱなし、みたいなのも多くて、本格ミステリのようなご丁寧な謎解きがないのだ(それは作品の瑕疵にあらず、ジャンルの違いによるものではあるけれど)。
なおクローズド・サークル的環境の成立要件としては、本作の「寒冷」というのは、かなり画期的なアイディアであると思う(三津田信三「シェルター 終末の殺人」の次くらいに)。それだけに、ここで疑心暗鬼の連続殺人事件が起こらなかったのが、つくづく惜しい。
2013/8/28読了