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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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そう、国境を越すための手段が一つある。その手段とは、自分の前に誰かにそこを通らせることだ。
― 273ページ -
戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。
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帰路、ぼくらは道端に生い茂る草むらの中に、林檎とビスケットとチョコレートと硬貨を投げ捨てる。
髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない。
みんなの感想・レビュー・書評
魔女と呼ばれる老人のもと、鍛え盗み殺す、あまりお目にかかれない双子の物語。と書くとフェアではない気がするのは、なんでだろ。
あまりにも殺伐とした中にあってこそ優しさが香る。侘びの中にあってこそ命の音が聞こえる。
戦火は人を狂わせるが、失うものをキチンと棚降ろすとすれば、最高の反戦なのかもしれない。
アゴタ・クリストフのベストセラー小説。悲惨な戦争をしたたかに生き延びる双子の物語。冒頭から彼らの立ち回りは子供離れしており、二つで一つの強固な人格を思わせる。決して周りの大人たちに媚びることも屈することもせず、その言動はどんな凄惨な境遇にあってもぶれず、揺るぎない。自らの目的を完遂する冷静さは自分の親を文字通り踏み台にしてでも生き長らえるほどの非情さであり強さである。一切の感情を排した文章の行間からはしかし双子の人としての情感も伝わってくるから不思議である。
第二次世界大戦中のハンガリー(作品には明記されていない)に生きる双子の男の子の話。
読みやすいのにずんと重くて、戦争ものなのに読むのが嫌にはならないフランクさもあって、いい読書をしたなあという気持ちになる。
大学時代に研究室でなぜか悪童日記ブームが起こっていたことがあったような気がする。あの時わたしも読んでおけば良かったかもしれない。面白かった。
彼女の作品で最初に手にしたのが本書でした。戦争という異常時下での人間の中の怪物を容赦なくさらけ出し、それを冷徹な文章で綴っていた事に驚き且つ惹かれ、立て続けに読みました。荒削りさも残しつつ読み手を引き込む力は本作に最も強く感じました。
レビューの評価が高かったので、どんな感じなんだろうと思いながら手にとったが、確かにすごい話。ラストの衝撃。
双子が主人公でありながら、二人はほぼ一人の人物として描かれる。人称こそ「僕ら」だが、二人の考えること、することは常に一つだ。
続編はおそらく二人が離ればなれになったところからスタートするのだろう。二人から一人ひとりになったとき、どんな展開が待っているのか。続編が楽しみ。
(2012.5)
残酷な事実も淡々とした日記で表現している文脈は、アイロニー豊かで、とても衝撃だった。私にとっては、初めて読む部類の小説。続編が楽しみ。
ずいぶん久しぶりに再読。 第2次大戦直後のヨーロッパを舞台にした、残酷で美しい物語。主人公の双子が、戦争の町の中で生き延びていく様子を描いているのだが、童話のような断片が語られるうちに、結末にいたって衝撃を受ける。 言い尽くされた言葉だけど、この小説の特徴は何よりも語り口だ。曖昧なことを書かない。感情はきわめて曖昧だから、特に書かない。淡々と語られる物語の中で、主人公たちは自らを強くす... 続きを読む »
形容詞や感情表現を極端に省いた、ニーチェ風に言えば「善悪の彼岸」的な行為や出来事を淡々と綴る文章。これはハンガリー語を母語とする著者が第二言語であるフランス語で執筆したが故の産物かもしれないが、戦時下であらゆる事を学び、慣れ親しむ事で生き延びようとする双子という主題と合わさることで彼らと共犯関係を結んでしまったような感覚を与えてくる。決して双子のそれぞれを描こうとせず、一貫して一人称で「僕たち」を使い続けているせいもあってか、最後にはまるで双子の片割れとは自分のことではないかという気分になってしまった。
双子の少年たちが戦争の時代を生き抜く中で書き綴った記録、という設定が巧みだ。確かにこの小説は、著者が意図的に感情を廃し、出来事のみを坦々と記述しているように見える。しかし、この本を読んだ読者は皆、出来事のみの描写から様々な「実感」や「感情」を読み取ることになるだろう。細かな章立てが効いていて、鬼気迫る状況を食い入るように見つめてしまう。惨たらしい描写があっても、主人公である双子のしたたかさに爽快感をおぼえるのは、人物の感情の動きすら読者に委ねてしまった、作者の余裕から来るのかもしれない。
まさに衝撃。
無駄な部分がない文章が淡々と続いていく。
そして衝撃的な終わり方が待ち構えている。
読まなきゃ損。この言葉は好きではないがこの作品読まなきゃ損です。
この小説ほど、驚きと悲しみが心に衝撃を与えたものはない。
もう一度読みたい けど 読みたくない
そんな一冊である
悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
表面に見えるものは一つの事実で、彼らの気持ちをどのように推し量るかは読む人に委ねられる。彼らが居たのがその時代でなくても、同じような心で生きたのだろうか。現実には会いたくないけど、彼らの全部を嫌いではない。物語の終わり以降に一抹の光を感じる。
黒死館の直後に読んだ為か、文体の軽さに唖然とした。
然し決して文章が拙いとは思わず、寧ろ会話文の緻密さに魅了された。人物各々の価値観や感受性が暗喩され、多岐に渉る人間の本質を赤裸々に描く。
痛恨を思わせるかの如く場面を生々しく映し出し、爽快な程に残酷な情景を描かせるり
主旨が簡素な分、味気無さもあるが、展開や知性的な内容が話の流れを鮮やかに、美しく描かれいる。
こんな本があるんだ。
淡々とした文章なのに、その世界に入り込んでしまって、あたかも双子たちを客観的に傍て見ている気分で読み進んだ。
すぐに続編も借りてしまった。
ラストの謎、なんだろう。解明されるのかな。
この本は、平和な国にのほほんと生きている人には書けない。
それと、自分の気持ちが平静じゃないと読み進められないだろうな。
おもしろすぎてびっくりした!
怖い部分もあったけど、読み始めたら止まらない^^
3冊一気に読みました
双子の男の子の日記調で語られる物語。
簡潔な文体と圧倒的な話で、一気に読み進めてしまった。
彼らの世界に対する態度は、超人を体現しているのか。
<「大きな町」から「小さな町」に疎開してきた双子の「ぼくら」。彼らの過酷な生活を綴った記録> 著:アゴタ・クリストフ 著者はハンガリー出身、第二次大戦においてのドイツによる占領、戦後冷戦期は旧ソ連による全体主義を経験してきた方。こういうものを読むと語らなければならない経験、物語が刻み込まれている気がします。 原題を訳すと「悪童日記」というより「大きなノート」というような意味で、物... 続きを読む »
読みやすいし、印象にも残る。
ちょいえろぐろ。このぐらいがちょうどいい。
キャラもたっている。
文中、解説にも書かれている通り、事実の描写で徹底されている。
英才教育ってこういうことを言うんだろうか、と思いながら読んだ。
ただ、最後の双子の行動が分からない。再読の必要がある。
通勤電車で読むつもりで買ったのに、家で一気に読んでしまいました。おもしろすぎて。
双子の少年の視点で戦争が語られます。冷酷なくらいたんたんとした文章。なのに後半の激しいドラマといったら。これはすごい。翻訳も良いんだろうな。
自分がこの状況だったら、双子や双子のおばあちゃんみたいな生き方ができるだろうか。兎っ子や女中みたいになってしまうんじゃないか。とか色々考えさせられました。
そしてこのラストシーンは???
続編も傑作らしいので楽しみ。
とりあえずタイトル間違ってる。 つけ間違えたのか、読み間違えたのか。 インパクト狙ったのかもしれないけど、本質を殺してしまうようで勿体無いよ。 まず主人公の双子は悪童じゃない。 むしろ心は真っ白だったし、優秀万能美少年で、誠実。 完璧な善人が、モラルの歪んだ世界で客観性をもって合理的に生き残ろうとした結果が、ああなっただけで。 人道的な普通さを排他したからといって=残酷 とは違うん... 続きを読む »

斎藤孝が「絶対感動本50」でススメテいた本。





