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作品の紹介・あらすじ
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々—過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
執事小説ということで読んでみる。
不完全かつ信頼できない語り手である執事による、主観と都合の悪いところを意識的にあるいは無意識に隠して語られる、貴族の生活。その色眼鏡がかかったピンホールのように狭い自称からあぶり出される英国貴族の生き方とそれ故の没落。
読みやすいけど、技巧を凝らした小説だと思う。
見えない部分が多いので、この小説を元に当時の政治状況や世情などをさらに調べていくのも面白いかも。
原書は美しいイギリス英語で書かれているんだろうなぁ。
とてもおもしろかった!
これまでの人生を振り返る老執事。
彼の回想という形をとって、第一次世界大戦前後のイギリスの緊迫した空気、風俗が語られます。
すごく物悲しいんだけれど、ユーモアに溢れていて温かいストーリー。
可笑しいまでに生真面目な執事スティーブンスがとにかく愛すべきキャラクターで、彼のこの先の人生に幸あれ!と願わずにはいられませんでした。
テキストに書いてあったことだけど、不完全な語り手としてのスティーブンスがたしかにこの小説の魅力なんだと思う。タイトルもラストもいい。ちがうよスティーブンス!そこは話をちゃんと聞かないとダメだよ!!ってつっこむところ多数。
なんとなく目についたので読んでみた作品。
英国紳士に仕える執事スティーブンスの視点でずっと語られるので、表現が回りくどい。もっと直接的に言ってよ!と私なら言ってしまいそうな会話。でも慣れてくると、この口調と遠まわしな言い方が癖になってくる。
彼が振り返る華やかなお屋敷の過ぎ去りし日々。夕焼けの美しさと切なさを静かに楽しめる一冊。
カズオ・イシグロの代表作。ブッカー賞受賞。
長年、英国貴族に仕えた執事が屋敷をアメリカ人に買われたことをきっかけに、かつて思いを寄せた女性に会うための短い旅に出る、という話。執事という仕事がどういうものか、彼らの思考がどういうものか、銀の食器を磨くことにかける執念とか、すべてを「とりつくろう」ことで成り立つ人生が旅先での回想を通じて語られる。
個人的には、最初はあまり面白いとは思えなかったけれども、それはたぶん英国史に詳しくなかったからで、読み返してみると時代に翻弄される英国貴族の話や、過ぎ去ってしまった栄光の日々などが切実に感じられてしみじみした。
こんなに物悲しい小説をわたしは知らない、というくらい悲しい。盛者必衰という言葉がありますが、栄華を極めたものの衰えた、沈みゆく姿ほど物悲しいものはない。 1950年代末のイギリス。二度の大きい大戦をくぐり抜け、戦勝国として君臨したものの、大英帝国の栄光は失せてしまった。伝統、格式高いダーリントン・ホールの盛衰の物語は同時に大英帝国の盛衰を風刺しているようで。かつては列国の要人を招いて華々しいパー... 続きを読む »
執事小説の代表格だけあって、よくできているんだろうとは思う。1920年代~30年代のイギリスの文化や雰囲気が細部まで丁寧に書き込まれていて、その世界にどっぷり浸かれるし。 ただ、私の好みの執事ではないんだな、主人公・スティーブンスが。 スティーブンスの姿勢は、“忠誠心”を笠に着た“怠惰”と“鈍感”だ。彼が執事として備えているべき広い視野、冷静な視点、繊細な配慮をもってすれば、当然捉えら... 続きを読む »
美しく流れる文章、示唆に富んだ内容、人間味のある人物描画、吸い込まれていきます。ブッカー賞をもらうだけあって、作品として素晴らしい。そして、「過ち自体は些細かもしれないが、その意味するところの重大さに気づかねばならない」この一文は物語において重要であり、僕にとっても重くのしかかるものであった。
最近の主流である“萌え執事”でない執事のお話し。
主人に対する姿勢に、主人公は生まれながらの執事を感じます。
ちなみに『エマ』に出てくるスティーブンスはここが出典なのですかね〜〜
あれ?面白くないんじゃない?…と思いながら一気読み。
ぐいぐい引き込む力のある小説です(^^;間違いなく。
で、最後まで読んで、「いい話じゃ~♪」と^^
途中、何度も「メイちゃんの執事」を思い出してしまった不謹慎な読者です。
英米文学ってこうだ、って定義はもう崩れさってるようで。「イギリス人」が、「アメリカ人」が書いた文学ってこと?じゃあ国籍さえあれば居住地が全然別の場所でも良いってことなのか。イギリスやアメリカを舞台としている文学?いやいやそんなこともないでしょうよSFなら宇宙とかもアリですし、って事で今は「その国の言葉で書かれた文学」ってことに落ち着いてるようで。だもんでカズオ・イシグロさんの作品もれっきとした現代... 続きを読む »
<英国旧家の執事、スティーブンス。初老の彼は、さまざまな過ぎ去りし過去に思いをはせる・・・。> 再びカズオ・イシグロ。 今作がブッカー賞受賞作です。 相変わらずの美しくも落ち着いた文体で語られる、古き良き英国名家の華麗なる日々。 それが執事スティーブンスの回顧という形で語られます。 文体は訳者の土屋政雄さんの尽力の賜物でしょうか。(「私をはなさないで」もこの方が翻訳) ... 続きを読む »
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンス。 そんな彼が、新しい主人に勧められ、気分転換の為に、短い旅に出る中で、かつての主人への敬慕、女中頭への淡い想い、彼の目標だった亡き父、そして彼の人生を振り返ります。 そして、振り返る中で、彼が追求していた品格とは何だったのかが次第に固まっていきます。 品格とは—、 「美しさのもつ落ち着きであり、慎ましさではありますまいか。」 「みずか... 続きを読む »
主人公の老執事がかつての栄光を回顧しながら辿る、一人旅。
こういう年の取り方をしたい、と思わせる作品。
初めてのカズオ・イシグロ。読後の余韻がすばらしい。執事についてはいまひとつイメージが湧きにくいが、それを差し引いても読む価値はあると思います。ある程度年齢を重ねたほうが感動が深いかもしれません。一緒に働いていた女性との再会後のバス停での別れのシーンがいいです。
品川区図書館に、蔵書あり。22年前イギリスブッカ賞、石黒5歳まで長崎で過ごす。福岡伸一が訪問。他、私をはなさないで。がある。訳は土屋政雄。

「黒執事」を読んだあと、執事つながりで読んでみた。
主人公が脳内でセバスチャンに変換されて、ニヤニヤ。
執事ってなんじゃろ?と思って興味が持てず積ん読状態でしたが、「黒執事」で執事の役割がよく分か...





