愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫 フ 1-1)

  • 早川書房
3.53
  • (39)
  • (77)
  • (114)
  • (12)
  • (6)
本棚登録 : 1087
感想 : 80
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200212

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 冒頭の図書館のシーンすてき

  • 雨が窓に打ちかかり、本のあいだにこだまするのが聞こえる。

    ああ、けがれのない愛は、たんに大きくなる肉体的状況であって、わたしたちのキスのようにはいかない。

  • おもしろい

  • さようなら、「電子書籍」 という記事の最後にこの本の内容が 紹介されていた。
    「電子の本」という夢は、「電子書籍」とは別かもしれない。
    URLはこちら http://wired.jp/2013/08/02/farewell-ebooks/5/ 『http://wired.jp/2013/08/02/farewell-ebooks/5/』 : 
     『わたしが「電子の本」について考えるとき、いつも思い浮かべるのは、リチャード・ブローティガンの『愛の行方』(原題は “Abortion: An Historical Romance 1966”)の冒頭に登場する奇妙な図書館だ。この図書館に自分が書いた「本」を収めようと、多くの人がやってくる。どんな本なのか、そのタイトルを見ていくだけでも楽しい。ほとんどがアマチュアである、彼ら彼女らが書いたあまりにも個人的な本は(例えば『ホテルの部屋でろうそくで植物を育てる方法』のような)、誰にも読まれないまま、いずれは洞窟の奥に捨てられてしまう。

    でもいまならば、そうした本も静かに読者との出会いをネット上で待つことができる。「電子書籍」の栄光は、ベストセラーや古典のなかに、『ホテルの部屋でろうそくで植物を育てる方法』のような本が、平然と存在しているところにあるとわたしは思う。「緊デジ」以後の日本の「電子書籍」が、そうした本も含めて発展してくれることをわたしは強く期待する。だがもし、その期待がかなわないなら、わたしたちはより自由になるために、むしろ「電子書籍」というぎこちない言葉のほうを、そろそろ脱ぎ捨てたほうがいいのかもしれない。』
    読むきっかけは上記の記事だったが、読み始めると全くそれとは違う世界に引きこまれていきます。
    読者のいない一風変わった図書館の仕事に固執する主人公。
    シュールな主人公の周りに起こったできごとが、ちょっと違った優しい視点で丹念に綴られていく。
     すっかりその感覚に浸っていると・・・。
    旅から戻った時の災難とも言える出来事は、幸か不幸か主人公とその恋人を現実的でフツーな暮らしに連れ戻してくれる。
    ホッとすると同時に魔法が消えたような読後感は、
     「不思議の国のアリス」が現実世界に戻った時のようで、物足らなさを感じてしまう・・。

    その後、「訳者あとがき」と「解説(高橋源一郎)」を読み、作者のことを知る。
    ビート・ジェネレーション から フラワー・ジェネレーション(ラブ・ジェネレーションピッピー族)の頃 絶大な人気だったのだそう。
    やがて忘れ去られていたが、また再評価され始めたようです。
     といっても、もう一冊何かを読む気にはならないけど・・・。

    参考 
    ・ URLはこちら http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3 『ビート・ジェネレーション - Wikipedia』 :  (第一次世界大戦から1920年代までに生まれた世代)
    ・ URLはこちら http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC 『ヒッピー - Wikipedia』 :  1960年代後半〜

    2013/8/9  予約 8/13  借りる。 8/15 読み始める。 9/9 読み終わる。

    内容と著者は

    内容 :
    内容(「BOOK」データベースより)
    ここは人々が一番大切な思いを綴った本だけを保管する珍しい図書館。
    住み込み館員の私は、もう三年も外に出ていない。そんな私がある夜やって来た完璧すぎる容姿に悩む美女と恋に落ちた。
    そして彼女の妊娠をきっかけに思わぬ遠出をするはめになる。
    歩くだけで羨望と嫉妬の視線を集める彼女は行く先々で騒動を起こしてゆく。
    ようやく旅を終えた私たちの前には新しい世界が開けていた
    …不器用な男女の風変わりな恋物語。

    長篇第4作にあたる本書は美しい文章とユニークな設定で発表当時から高く評価され、現在も普遍的な人気を誇っている。
    伝統的な文学の形態にとらわれず、平易な言葉で美しい世界を作りだす彼の作品は、レイモンド・カーヴァーなど、アメリカを代表する作家たちに大きな影響を与えている。

    著者 : ブローティガン,リチャード 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    詩人、小説家。1935年ワシントン州タコマに生まれる。
    50年代後半にサンフランシスコに移住し、執筆活動を始め、1964年に小説『ビッグ・サーの南軍将軍』でデビュー。
    1967年発表の小説『アメリカの鱒釣り』は若者たちの圧倒的な支持を得て、ブローティガンの代表作となった。
    その後も1968年の小説『西瓜糖の日々』など幻想的な要素を盛りこんだ作品を次々に発表し、一世を風靡した。

    1976年頃からアメリカと日本を往復し、大江健三郎や吉行淳之介らとも交流があった。
    詩集『東京日記』や短篇集『東京モンタナ急行』など、日本を舞台にした作品もある。
    1984年カリフォルニアの自宅で拳銃自殺

    訳者 : 青木 日出夫
    1936年生、早稲田大学大学院英文学科修了英米文学研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • ふと、「心地よく秘密めいたところ」P.S.ビーグル著をおもいだすなど。あれは都会派現代系ダーク・ファンタジーだけれども。 http://mediamarker.net/u/shojicyt/?asin=4488548016

  • 知的な感じでかつ卒がない文体。だいたい知識に寄れば文はどんどんゴリゴリと硬くなっていくのが道理だと思うが、これはそうではない。読み易いのは有り難いが、その分軽いという印象もある。アメリカらしいのかもしれない。テーマはともかく読後感は村上春樹ととても近い。

  • ヴァイダと出会う前までは良かった。
    最初の方を読んで(設定がすき)期待しすぎたせいで、ヴァイダ出現後から思っていたものとちがうなと話についていけませんでした‥
    共感は全くできませんでした。

    先に皆さんネタバレや感想を見てから読めばもう少し読みやすかったのかなと思います。

  • ブローティガンの三作目。図書館員である主人公は、図書館に勤めてから三年間一度も外に出ていない。その図書館は普通の図書館ではなく、一般の人々が書いた著作を持ち込む不思議な図書館であった。そんな主人公の元に顔も身体も完璧な女の子が現れる。 ブローティガンらしく淡々とした小説だった。24時間いつでも著作を持ち込む人々のために生きているような主人公。その終わりも呆気ない。

  • うつくしい人 西加奈子 p64

全80件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

作家、詩人。1935年、ワシントン州タコマ生まれ。56年、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグらビート・ジェネレーションの集うサンフランシスコへ。67年に小説『アメリカの鱒釣り』を刊行、世界的ベストセラーとなる。主な著作に『西瓜糖の日々』『ビッグ・サーの南軍将軍』など。風変わりで諧謔に富んだ作風は世界中の若者たちの想像力をかき立てた。84年、ピストル自殺。

「2023年 『ここに素敵なものがある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

リチャード・ブローティガンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
フランツ・カフカ
リチャード・ブロ...
ポール オースタ...
ポール・オースタ...
リチャード ブロ...
ボリス ヴィアン
イタロ カルヴィ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×