愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫 フ 1-1)

  • 早川書房
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200212

感想・レビュー・書評

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  • 誰にも読まれない本を保管する図書館に閉じこもる主人公、という設定が好き。いっそずっと閉じこもっていてほしかった。

    なんだか安っぽい邦題だけど、原題はすごい。
    「妊娠中絶―歴史的ロマンス1966年」
    でも題名に似合わず、文章はとてもふわふわしている。

  • 久しぶりに小説を読んだ!!
    しかも洋物なんてどのぐらいぶりだろう…。

    原題だと「The Abortion~」って(◎_◎) 確かにそのまま邦題にしたら
    お話の内容とちょっと違う印象になりすぎるだろうけど、
    よくよく考えると、主人公とヴァイダが出会う図書館は
    誰でも自分が書いた本を「置きに来る」事を目的として
    運営されていて、その本は置かれたっきり読まれない様や
    自分の一部であったものを、他者の介入で剥ぎ取られること
    で変化する主人公の様子は「堕胎」っぽいっていう解釈は
    すっごい私的な私の感覚です。

    4部構成でしかも小さい題目で細々区切ってある
    ので読みやすい。古い映画を見ているみたいな
    雰囲気のある小説です。

  • 本を受け取り、保管することが生業の彼も、子供を授かり、育てることは出来なかった。

  • 面白かった!
    短かったし、かなりシンプルな文章だったからすぐに読めた。

    誰もが自分で書いた本をもちこんで、置いて貰える変な図書館。
    そこで働く主人公はもう3年ぐらい図書館から出たことが無い。
    そこへ現れたヴァイダと恋人になるが彼女が妊娠してしまう。
    話し合った末、中絶の手術を受けに図書館から出かけることにした主人公だったが…みたいな話。

    不思議な感じのする文体で素敵だった。淡々としてるのに暖かみがあって、ユーモアもなんだか独特。
    図書館だけがなんというかカフカさんみたいな奇妙さ、不気味さを放っていたけど、後は普通だった…と思ったけどそうでもないか。主人公はなんだか少しずれてるし、ヴァイダもほとんどギャグといっていいくらいの美しさだ。

    そういうすこしづつ変な感じのものが日常に紛れ込んで、でも普通に話が進行する感じが良かった。

    なんか解説の人は徹底的なアンチクライマックスの小説みたいなことを書いてたけど、個人的にはどっちかというとリアリズムって言った方がしっくり来る気がした。少しだけ変な世界でのリアルな日常って言う感じ。

    気に入ったシーンは以下。素敵なシーンが多かった。

    •図書館に持ち込まれた本23冊の紹介。気になるのは『ベーコンの死』
    •飛行機の翼にあるコーヒーのしみみたいな模様をお守りにするシーン
    •ヴァイダの服を脱がせようと主人公ががんばるシーン。
    •主人公達がグリーンホテルに泊まるのをやめたとき、フロントが「部屋が悪かったのですか!?」と追求するシーン。「あれは母の部屋だったんです。」
    •手術室の音から中で起こってることを想像するシーン。

  • 泣いてる人には、ハンカチと棒キャンディーをあげるようにしているというエピソードが好き。
    淡々とした印象を受けるけれど、どこか引き込まれる。
    もやもやする

  • いつまでも図書館でしんとして生きていくわけにはいかない、という話。しずかなやさしい本。

  • ヴィアンの「うたかたの日々」に雰囲気似てると噂を聞きつけ購入。
    うーん、あたしはうたかたの日々の、ラストに向かって崩壊していくところが好きなので、ちょっと違うかな。

    不思議な図書館が「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」みたいでどきどきした。世界の終わり〜が読みたくなったよ。

    09.01.18

  • あまりぴんとこなかった。主人公が働いている図書館がひとつの重要な設定になっていて、そこはだれもが自分で書いたこの世で一冊の本を持ち寄って所蔵できるというコンセプトで、一瞬すてきかもと思ったけれどよく想像してみると、面白くない図書館かもしれないなんか嫌だなあと思ったということと、主人公の恋人ヴァイダが絶世の美女で街を歩けば通りすがりの人がひっくり返り4歳の男の子も釘付けになるぐらいの美しさということになっているが(私は『マレーナ』のモニカ様を想像した)、主人公の男が薄らボンヤリしていて嫉妬もしないし気も利かないし、ヴァイダが中絶手術を受けたあとに、彼女にはクラムチャウダーを注文して自分はバナナスプリットを食べているところにちょっとそういう人には主人公になってもらいたくないなあと感じた。


    http://jp.youtube.com/watch?v=wP49hwm7JeA

  • よく覚えてない・・。

  • わたしのヴァイダは

    花のように美しかった

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著者プロフィール

作家、詩人。1935年、ワシントン州タコマ生まれ。56年、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグらビート・ジェネレーションの集うサンフランシスコへ。67年に小説『アメリカの鱒釣り』を刊行、世界的ベストセラーとなる。主な著作に『西瓜糖の日々』『ビッグ・サーの南軍将軍』など。風変わりで諧謔に富んだ作風は世界中の若者たちの想像力をかき立てた。84年、ピストル自殺。

「2023年 『ここに素敵なものがある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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