バルザックと小さな中国のお針子 (ハヤカワepi文庫)

  • 早川書房
3.68
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本棚登録 : 293
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200403

感想・レビュー・書評

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  • 文化革命の時代の中国を描いた作品。作者自身も、ここの主人公たちのように地方で再教育させられた若者らしい。
    その後フランスで、フランス語で書かれた本書。

    小説って人生で大切なものだな、という事を再認識させてくれるので、小説好きの人は一度読んでほしい作品。

    小裁縫が最後にする決断が、なんとも素敵で、後味も良かった。

  • SL 2022.3.12-2022.3.15
    文化大革命下の中国。再教育に送られた僕と羅。
    過酷な環境でも、若者らしい純粋さで美しい少女に恋するふたり。
    そして「本」。毛沢東は本を発禁にし焚書も行ったけれど、「本」の力はもっとずっと強く、人の心に働きかけて人生を変えてしまうことさえある。
    こんなにも自由にいくらでも本を読めることに感謝

  • 文化大革命により「知識階級」とされ、「再教育」のために山奥の山村に送られた若者二人と、近くの街に住む若い娘を軸にストーリーが展開する。この運動の滑稽さや恐ろしさも書かれているが、淡々としているせいか、そのこと自体に注目はいかない。本の背後にある文化大革命で、毛沢東は多くの書籍を発禁処分とし焚書まで行われたわけだが、なぜ本にこだわったのか。「本」には人生を変える魅力があるということが伝わってくる一冊。

  • 文革時代の様子を知れて、よかった。
    また最後のオチもせつないながら、どこか自分にも似たような事があったような気がして、過去の思い出が別の視点を通して、違った経験に見えた事が感慨深かった。

  •  文化大革命時の中国。反革命分子の息子として、再教育と称して山奥の村に送り込まれた僕と親友の羅(ルオ)。2年経っても街に戻れる確率は1000分の3、早朝より起こされ、重労働に明け暮れる日々の中、2人は美しい仕立て屋の娘に出会い、恋に落ちる。
     やがて、ひょんなことから禁書のバルザックを手に入れた2人は、字を読めない彼女に、物語を語って聞かせるが……。

     厳しい状況の中での、友情あり、恋ありの青春小説。どんなことをしても手に入れたい本への憧れと、親友の恋人への恋心。思いもよらぬラストも、時間が経てばじんわりとしみてくる。少し照れそうだけど、映画も見てみたい。

  • 失恋したから、禁書時代にダイヤモンドほど重要とされた洋書を、失恋したからといって燃やしてしまうとは。青年って不思議。相手はどうせブスなのに。

  • 2007-03-00

  • なるほど、バルザックなわけだ。作者が映画監督なせいか、どこか映画的。

  • 中国の文革下の状況を背景に下放された少年たちの様子が描かれています。文体のリズム、言葉の選ばれ方が素晴らしいが、それを充分味わうには原語であるフランス語で読む必要がありそうです。

  • 最後は肩透かしだったけど、小説を手にいれるために奮闘する二人の姿にはとても心を動かされた。最近、文化大革命のときのことを語っている弁護士の男の人の記事を読んだのもきいているのかもしれない。文化は誰にもとめることは出来ないと思う。

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