エデンの東 新訳版 (4) (ハヤカワepi文庫)

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制作 : 土屋 政雄 
  • 早川書房 (2008年2月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200489

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エデンの東 新訳版 (4) (ハヤカワepi文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 米国カリフォルニアを舞台に、19世紀から20世紀前半までの約100年に渡るある一族における各世代の父と子の葛藤を描いたファミリーサーガとして知られるけど、同時に兄弟、親友、そして男と女の間にある葛藤をも描いていて、米国という国の精神のあり方もここにあるのかな、などと読んでいて思った。第4部だけでなく、全部を映像で観てみたいし、その時には映画化ではスルーされたリーのこともしっかり描いてほしいと思ったけど、もうすでに実現してるか、スケールの大きさで実現不可能かのどちらかなんだろうな。

  • 神はあなたに予言もしていないし、命令もしていない。あなたは自分で、その運命に立ち向かって良い。自分の道を選んで良い。
    「ティムシェル」が僕の大切な言葉になった。

  • この4巻の中で一番分厚い巻である。

    本当に文庫本にしては分厚い。

    読み応えはたっぷりである。

    双子は、大きく成長し、世代の悲しい繰り返しが始まる。

    そして、母親との存在の対峙である。

    父の愛に枯渇するキャル。

    夢見がちなアロン。

    迷える父アダム。

    本当にこの親子は不安定で繊細である。

    話の展開に私は、今回想しているときに思った。

    いとうせいこうの全く関係のないドキュメントといっていい植物について

    書いた文庫本を読んだのだが、植物についてこう説明している。

    「毎日が昨日と違うこと。
     自分を繰り返さぬこと。
     だが、1年を経てまたその差異を保ち、繰り返すこと。」(ボタニカルライフ著いとうせいこう)

    ここに生き物の1つの真実をみることができると思う。

    私たちにこれから起こることは決まっている。

    常に毎日死に向かって直進し、成長し、老いてゆき、死んで行く。

    それは世代間でも同じだし、時代も人種もさらには生き物も星とも一緒なのである。

    だけれども今日も明日も毎日に起こることは違う。

    なのに一様にいきものは皆同じ方向を向いて生きて死ぬのだ。

    ここには、同じような過程をだどるというのに、

    その内容が違うことを指していると思う。

    人間の人生にとって、この内容が大切なのだ。

    ここは繰り返さぬこととあるが、むしろ繰り返すことができない

    である。

    繰り返せることがあるはずがないのだ。

    毎日に何一つとして同じことなどない。

    これをこの物語に当てはめると、双子には大きな悲しみが世代を超え降りかかるが、

    彼らには母がおり、迷ってはいるが父がおり、そしてサムとリーがいてアブラがいるのである。

    アブラは、ライザのような強固さはもっていないが、

    もっと懸命で彼女も少女から女性に成長する過程で現実を得ることになる。

    この力が

    そして、古書店をひらくといいながらも、アダムの家の家族になって、すべてを見守り

    切り盛りしてきたリーの力が

    この悲しみの繰返しを繰り返させない力なのである。

    繰り返すことのない毎日であるからこそ、

    私たちはあの腕を上げる父親の姿の涙し、

    希望を見ることができるのである。

    繰り返されることはないのだ。

    許されてもいいのだ。

    すべては繰り返されるという呪縛。

    その幻が破れ、許され未来に笑うことができることがどれだけ素晴らしいことか。

    私たちは、能ふことができるのだ。

    選ぶことができるのだ。

    こんなちんけな言葉では言い表せないが、汝能ふ(あた)

    ということの人間の根源と言えるような力。

    その人間の大切な本質的な力にこの長く壮絶な物語の中で教えられた。

    今表現できることはこのように、ただただ文字数を連ね、

    言葉をつくすしかない自分が情けないが、

    ぜひ皆様に読んで頂きたい作品である。

    私は人生に衝撃を与えるいい作品に出合ったと今でもこの物語を思い出して

    感動しているのだ。


  • “いくら弱くても、穢れていても、弟を殺しても、人間には偉大な選択の権利が与えられています。人間は自分の進む道を選び、そこを戦い抜いて、勝利できるのですから。”
    ティムシェル-汝能ふ、という言葉がこの光と影、選択と許しの物語を貫いていく。

    最後、文庫本全4巻にわたるこの大長編を読み上げ本を閉じたとき、私を包んだのは深い祈りの気持ちでした。

  • キャシーという悪女の凄さ。ティムシェル。最後解き放たれる息子。読みやすいけれど、人間模様が今も昔も複雑なこと、などがずっしりと心に来る。

  • 2014/03
    読みやすい古典。町田樹の曲ってこれ?

  • ティムシェルー汝能ふ。「汝は罪を治むることを能ふ」どんな人生にするかは自分自身で選択する権利がある。 4巻を通じて、いろんな人の「選択」を見ました。切ないけど、力強さを感じる読後感。ティムシェル伝道師、町田樹くんありがとう。

  • マイバイブル

  • 町田君のインタビューを聞いた時、こんなにティムシェルの言葉が重要だったなんて思いも寄らなかった。

    主軸はアダムが主人公になって物語は展開するけれど、サム・ハミルトンやキャル、キャシー(ケイト)、リー、アロン、周りの登場人物たちもそれぞれの生き方があって面白い。
    文中に、たまに「私」が出てくると読んでいる目線が少し俯瞰的になって、また登場人物たちが動くと目線が近くなるというか。

    アダムがケイトと別離した後で恋人を作らなかったのは何故だろう。
    佳境でケイトと過ごす時間が生きる時間だ、みたいな描写があったけど。一途に好きだった時にはケイトを見ていなかったのに。子供たちに目がいくようになってから、そういう存在がいても良いのに。やっぱり離婚していない以上、そういう描写は時代背景として出来ないのかな。それとも聖書の内容を理解していれば、アダムという名前からなんとなく分かる部分があるのかもしれないけれど。


    ----------
    『治めよ』ではなく、『治めん(む)』。
    汝治むることを能う。

  • キャシーがなぜああいう最後になったのか、結局疲れてしまったということなんだろうかと思いつつ、そもそもなぜあんな人生を選んだのか、何がそうさせたのか、と思ったり(自分の能はのまま暴走してしまった感じ)だれも彼女を理解して導くことができなかったのが不幸だなと。アランはキャシーを愛していたかもしれないけどキャシーの求める愛ではなかったということかと。キャルはずっと不憫だったけどちゃんと最後アランに許してもらえて、アブラもそばにいてくれて本当によかったよね。ただアロンはかわいそうだった。

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エデンの東 新訳版 (4) (ハヤカワepi文庫)の作品紹介

アロンがアブラと親密になるかたわらで、孤独なキャルは深夜の徘徊を繰りかえしていた。彼は家族の暖かさを求め、父の愛に飢えていた。しかし、アダムは…。やがてキャルは、死んだと聞かされていた母キャシーの生存とその秘密を知る。それは、双子に襲いかかる大きな悲劇の始まりだった。父子の葛藤はなぜ繰り返されるのか?人間の自由な心とは何か?著者自らが最高傑作と認める大河巨篇、ここに堂々完結。(全四巻)。

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