アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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制作 : Agatha Christie  羽田 詩津子 
  • 早川書房 (2003年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300035

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アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  名探偵ポアロシリーズ。ジェームズ・シェパード医師が語る形で物語は始まる。シェパード医師には、キャロラインと言う姉がいて、これがまた、ゴシップ好きと言うか、おしゃべりで、放送局みたいな女性である。シェパード医師の隣に、越してきた変な男性が実は 名探偵エルキュール・ポアロだった。
     
     友人である ロジャー・アクロイドが、何者かに刺され亡くなった。 シェパード医師が第一発見者で電話により呼び出されたことから、不審に思い窓を割ったところ、ロジャーの死体があった。義理の息子ラルフ・ペイトンやロジャーの執事、秘書たちに疑いがかかる。

     しかしながら、前日に自殺した女性との色恋沙汰、アクロイド家の金銭事情(ロジャーはケチで請求書を回しても、使途にはうるさかった。)それゆえか、財産の分配金には皆驚くほど貯めていた。と話題は尽きなかった。

     警察の捜査が信用できないロジャーの姪フローラは、キャロラインと相談し、シェパード医師に頼み込みポアロに独自に捜査を依頼する。ポアロが加わったことで、難解を極めた犯人探しが、スピーディーにはかどるようになった。

     不思議なのは、シェパード医師が、日誌と言うか、手記にまとめていたことだ。それでも、ラルフ犯人説は根強く残っていた。メイドの証言をとっていくうち、上下関係だったり、いろんなことがわかり、当月でやめるメイドが実は、ラルフと極秘に結婚した事が明らかになった。

     結末は、意外と言おうか、考えたら最初から一人しかいなかった。そう、あのポアロの目は節穴じゃなかったんだな。録音機を使ったトリックは、他の作家にもあった。それよりなによりドラマのポワロ役の人が頭から離れなかった。

    2017.11.13読了

  • アガサ・クリスティー
    名探偵ポアロシリーズ3「アクロイド殺し」

    面白かった~。よかった楽しかった。
    すっごく気持ちのいい読後感です♪

    今回も
    登場人物の誰もかれもがみんな怪しくて、空気は始終不穏でした。
    その中に仕掛けられた真犯人への注目をそらす巧妙なアガサマジック。
    これにはまんまと嵌められてしまいますね。

    登場人物の一人一人に不穏な影を漂わせる人格を持たせることで
    犯人捜しには混乱を与えられるばかりか、その分ストーリーは深みの増した
    人情味のある一つのドラマにもなっています。
    もう本当にとても素敵です。

    .......それは──あなたです!

    ポアロが犯人に向かってそう言い放つ直前に はっ..!!!!!! と気づき
    気づいた直後にするすると謎が解けていくあの心地よさ。
    一気に上り詰めて一気に脱力します。
    はぁ~.........(笑)

    だけどどうしても崩せない大きな問題が一つありました。
    それが最後まで引っかかっていたけれど、最後まで真相を明かさないのは
    ポアロ(アガサ)恒例(?)の憎い演出。
    そこがポアロの魅力でもあります。

    そして
    ポアロにはきっと見えていたのだと思います。自らの死を臨んで
    事に及んでいたのではないかという犯人の心のうちが....。
    そうしたければそうなさい...ならば少しでも楽にと。粋な計らいです。

    最後に読み終わってページを閉じて
    書棚に収めようと保護していた書店のカバー外すと....うっ!!!
    ハヤカワさんもやりますねぇ....^^

  • 有名過ぎてネタが割れている名作に敢えて今頃手を出す。
    ネタバレも何も、
    横溝正史『夜歩く』既読だからなぁ。
    というワケで「犯人」が
    どこでボロを出しているかに注意しながら読んでみた。
    なるほど、巧妙だけど、
    この手の小説を多少読み慣れていれば
    ピンと来る箇所がいくつか。
    そうでない読者は多彩な人間模様に
    目眩ましを食わされるのでしょう。
    ほとんどの人物が厄介な事情を抱えて
    秘密を隠しているし、
    また、そうした人にありがちな、
    ばつの悪さをごまかすための饒舌さが鬱陶しくもあり……。
    面白かったけど、幕引きは少々後味が悪い。
    ポアロが真犯人に自ら落とし前をつけるよう促すところが。
    他の客が全員帰ったと思わせておきながら、
    実は刑事が控えていて逮捕、の方がむしろ良心的な気が。
    でも、そうすると「作品」が正しく完成されないから
    ダメなのね。
    いや、刑務所で書いたっていいじゃない(笑)!

  • 深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿だった。それぞれの思惑が絡み合い多くを語らない登場人物。真犯人を突き止めるべく、名探偵ポアロが謎に挑む。

    アガサ・クリスティの代表作の一つであると同時に、ミステリ界に「フェア・アンフェア論争」を巻き起こした本作。その言葉の意味を確認する前に、ぜひ予備知識なしで手に取り、真相まで辿り着くことを全力でお薦めします。
    いつも完敗ですが本作も見事に裏をかかれ、ポアロの名推理が光ります。最後の一行までじっくり読ませ、後引く読後感。読みやすい訳にも助けられます。

  • 深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。


    ・レビュー


    いやあ、面白かった。
    本作『アクロイド殺し』は原題『The Murder of Roger Ackroyd』で、色々タイトルが違ったりすることが多いけれど、およそは『アクロイド殺し』であることが多くて、ハヤカワのクリスティー文庫がいいのかなとは思う。というのも他の作品も全て刊行しているので出版社を統一できる利点があるから。訳は女性が訳したものがいいと思う。

    アガサ・クリスティーによって1926年に発表された推理小説なのだけれど、普通に現代小説と同じような感覚で読むことができるレベルに読みやすい。クリスティーといえばまず『そして誰もいなくなった』を思い浮かべると思う。僕も最初に読んだのは『そして誰もいなくなった』であって、実はこれを読んだ時かなり読みにくいなと感じた。内容は大いに満足のいく傑作だったと思うけれど、今回再びクリスティーを読もうと思うまでは、読みにくいイメージが先行してしまってなかなか手を出せなかった。
    ただし実際に読んでみると羽田詩津子さんの訳が素晴らしかったのかもしれないけれど、まったく滞り無く読むことができたので早く読んでおくべきだったと思った。
    というのもこの作品はなるべく早いうちに読んでおかないといつどこでネタバレに遭うかわからない作品で、ミステリファンならあとで読もうとしているうちにさらりと答えを言われてしまう可能性が非常に高い。これに関しては自分の書評ブログ(哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂)に警告付きで書くとして、とりあえずネタバレ無しでレビューしたい。

    『アクロイド殺し』は6作目の長編で、エルキュール・ポアロシリーズの3作目にあたる。同じクリスティー作品としては『そして誰もいなくなった』、ポアロシリーズでは『オリエント急行の殺人(オリエント急行殺人事件)』『ABC殺人事件』とともに推理小説史上に残る名著とされている。無論、クリスティーの代表作であり、更にこの作品に関しては人気作家として売れ始めるきっかけにあたる。勿論、フェアかアンフェアか、その内容に関してすさまじい議論を呼んだことが原因の一つでもあったとは思うが、作品の質だけを見てもなかなかに素晴らしいといえる。
    特筆すべき点としては、作中に登場するキャロライン・シェパードという登場人物は、クリスティーが生んだもう一人の名探偵「ミス・マープル」の原型であると本人が語っている。

    ストーリーは非情にわかりやすくシンプル。事件が起き、名探偵ポアロが謎を解き明かしていく、次第に登場人物が次々と容疑者に上がり、最後にはあらゆる謎の答えがたった一人の犯人を導き出すという、オーソドックスな探偵小説だ。
    ……といいたいところだが、議論を呼んだ「とある仕掛け」に関してはその限りではない。ただ、現代の推理小説ではしばしば行われる手法の一種ではあるし、やはりコロンブスの卵だったということかもしれない。

    ともかく、何も知らずに読むことができれば幸運だとさえ言われているネタバレされやすい作品であることは確かだ。僕は幸いにして、ネタバレよりも早く読むことができた。結論から言うと、それでも完全にトリックや犯人を見破ることができた。ミステリファンなら前もって情報を仕入れていてなくとも注意深く読んでいくことで見破れると思う。ただだからといって作品の質が落ちるということはないんじゃないかなとは思った。見破っても、逆に面白い。

    この作品はいわゆるホームズ役がエルキュール・ポアロ、ワトスン(ワトソン)役が町の医者であるシェパードである。そして被害者はタイトル通りアクロイド氏。
    トリック云々を抜きにしても、シェパードとポアロが登場人物の関係性や発言の真偽、あるいは真意を探っていく様はミステリ・推理・探偵小説の独特の面白さである。
    ポアロの人柄もいい。非情に面白いし、時には少々キザであるし、紳士的であり、学者的でもある。探偵として面白いキャラクターであることは言うまでもない。
    “名探偵、皆を集めて「さて…」と言い”なんて言うけれど、まさにポアロによる謎の解明はクライマックスとしてとても面白かった。
    ミステリファンならポアロシリーズの最初に、ミステリ初心者なら3作目か4作目辺りに読むといいかもしれない。古典ミステリの名作として、色褪せない面白さがある。

  • The Murder of Roger Ackroyd(1926年、英)。
    ポアロ・シリーズ。アクロバティックなトリックが有名な作品で、この作品によってクリスティは推理作家としての地位を確立したと言われる。

    医師のシェパードは、村の名士アクロイド氏から相談を持ちかけられた。今朝シェパードが死亡診断した女性の本当の死因について話したい事があると言う。しかし、全てを語り終える前にアクロイドは何者かに刺殺されてしまう。そんな折、シェパードの隣に越してきた人物が探偵ポアロであることが判明し…。

    発表当時は、このトリックのフェアネスについて物議が醸されたらしい。否定的な見解もあったようだが、現在では叙述トリックの名作として認められている。いずれにせよ少なくとも小細工ではない(小細工というには、あまりに大仕掛けなので)。

  • 出版当時、この表現手法は賛否両論を生んだようだが、現在一つの手法として定着したことを鑑みればアガサクリスティ氏はしてやったりという気分だろう。確かに飛び道具的な面はあるがミステリーの新時代を感じさせたであろうことは想像に難くない。それまで読者は場外から推理していたものが、ある視点の推移により強烈に当事者意識を持たすことに成功している。

    古典的名作であるがいままで未読だったことを喜びたくなるような作品だ。

  • 最後のあたりで、

    そういうことかああ!とぞわぞわし、

    次のページチラ見したらきっと犯人書いてある!視界に入れたらだめだ!とぞくぞくしながら読みました数ページ。


    やっぱりアガサ・クリスティは裏切らないなあ。

  • アガサクリスティーの中でもフェアかアンフェアかの議論が絶えない名作。騙される!がうたい文句の作品ですが、何故か私はかなりはやい段階で犯人が分かってしまいました…確信が持てぬまま、まさかと思いながら読んでいましたが。語り手に注意を払えば良いかと。想像力が大切だと思います。

  • 名探偵ポワロが登場する。いつもの助手ヘイスティングスがいない中のミステリー。

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アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の作品紹介

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)のKindle版

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