アクロイド殺し (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 3)

  • 早川書房
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感想 : 711
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300035

感想・レビュー・書評

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  • 作家の代表作と言われるこの作品は、はじめから直感的に犯人が分かりました。なので評価は4にさせていただきました。次回に期待します。

  • 昔読んだことがある、のにスッカリ展開を忘れていて、再び新鮮に騙されました。忘れっぽい記憶力に乾杯。

    「振り返って、やり残したことがないだろうかと考えた」
    この一文にひっかかりを覚える読者がどれだけいるのでしょうか?大胆な仕組みかつ巧妙な文章……まったく、素晴らしいという他ありません。
    それにしても、今作の犯人のなんて自信家で図太いことでしょう!
    確実に真実に迫ってくるポアロの側にいながら、じっと逃げずに描写し続けたのだから大したものです。
    何はともあれ、未読の方にはあれこれ検索する前にぜひ、本書をお手にとっていただくことをおすすめしたいですね。

  • The Murder of Roger Ackroyd(1926年、英)。
    ポアロ・シリーズ。アクロバティックなトリックが有名な作品で、この作品によってクリスティは推理作家としての地位を確立したと言われる。

    医師のシェパードは、村の名士アクロイド氏から相談を持ちかけられた。今朝シェパードが死亡診断した女性の本当の死因について話したい事があると言う。しかし、全てを語り終える前にアクロイドは何者かに刺殺されてしまう。そんな折、シェパードの隣に越してきた人物が探偵ポアロであることが判明し…。

    発表当時は、このトリックのフェアネスについて物議が醸されたらしい。否定的な見解もあったようだが、現在では叙述トリックの名作として認められている。いずれにせよ少なくとも小細工ではない(小細工というには、あまりに大仕掛けなので)。

  • シリーズ3作目。
    この手法はわからんよ!
    犯人は語り手で、物語は実際に起こったことではなく、彼の手記という形で進んでいく。
    なので犯人に都合好く進んでいるため罪までは書かれていない。
    それをポアロが謎解きしていくスタイル。
    これは出版された当時としては珍しい手法だったのではないだろうか。
    先入観。
    小さな村では噂話がどんどん広がり誇張されていく住みにくい世界なんだなと。
    みんな自分が可愛くて嘘つき。
    金持ちの周りは大変。

  • 読む前に犯人を知っていたからそこまでの衝撃はなかったけど、一般的なスタイルの小説しか読んだことの無い当時の人からしたら凄い衝撃だっただろうなと、、、

    5分間で人殺してトリック設置して靴履き替えてってのは現実的にどうなんだろう?とは思ったけど、なかなか面白かった

  • 村の名士・アクロイドが殺され、容疑者である義子が行方不明に。様々な嘘で隠された事件の謎を暴くため、医師シェパードとともに名探偵ポアロが動き出す。

    ぼくが初めて触れたポアロ作品。この挑戦的な内容が1926年に発表されているというのがやっぱり素晴らしいよね。登場人物の心理を巧みに利用した展開が実に上手い。事件に揺れて巻き起こる疑心暗鬼。どのキャラもあやしく見えてきて最後まで犯人がわからなかった。嘘を少しずつ真実へと塗り替え、事件の闇が照らされていく中で「これはもしや…!」となりながら真相に立ち会った時の興奮がすごかった。ラストも皮肉が効いてて好き。

    まさにテーマは嘘。みんなが少しずつ嘘をついていて、それがパズルのように謎を散りばめている。語られる言葉は真実なのか嘘なのか。そして現実と同じように、語られるものだけが真実とは限らない。沈黙に真実が宿ることもある。透かし彫りのように立体的に描かれた事件と人間心理が見事な作品だった。

  • 始めから犯人の手記だったという結末はあまりにも斬新で、これが約100年前に書かれたものであるであることを考えるとアガサクリスティーの底知れないミステリーの構成力、創造力に感動させられる。
    物語を楽しんでいる一方で、筆者の才能をこの目で味わえることに喜びを感じている自分がいる。

  • あまりにも有名すぎる故に、結末はある程度わかった状態で読んだ。
    それでも十分すぎるくらいに面白いストーリーとトリック。

    解説にもあったが、自分は物議をかもす本書のトリックについても作者の細かい気配りが感じられた。
    文句なし!

  • ポアロ3作目。物議を醸し出した作品と前評判で聞いていたものの、真相がわかって納得できた。材料は等しく目の前にあるものの、読み解くことは非常に難しく、ミステリーとして存分に味わえた。

  • もしかしたらわたしが犯人なのでは?と途中で思っていて、本当にそうだとは…
    こういうパターンもあるよってことね。

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