ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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感想 : 370
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300110

感想・レビュー・書評

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  • アガサ・クリスティーのポワロシリーズで有名な作品。
    地名と苗字がAで始まる殺人予告状がポワロ宛に届き、続けてB、Cの事件も発生する。作品の終盤には犯人は捕まり、なぜポワロに挑戦的な殺人予告をしたのかが判明せず。そして実は・・・。

    推理小説が好きで、オマージュしたものを読んだ人は、犯人が分かったりするかもしれないが、自分は犯人当てをしながら読まないようにしているのです。
    いつもながらに、単純に素晴らしいと思った。

  • 一見、何も関係のない町の、何の接点もない人々が次々と犠牲になっていく事件のように思えますが、一気に繋がっていくのは流石です。
    また、最初からカストが犯人だと読者に知らせた上で、サスペンス調で進むのかと予感させる流れでしたが、今回も、見事に裏切ってくれました。
    個人的にはソーラが怪しいかも?と予想してましたが、今回も見当違いでした…。

    ヘイスティングズが登場してくれ、ポアロとの会話がとてもテンポ良く、心地よかったです。
    ただ、いつもは自信に満ちているポアロが、殺人が次々と起きてしまう度に落ち込む場面が多く、少し可哀想にもなりました。

    体調不良でなかなか読書できなくても、ポアロシリーズはいつも楽しくさせてくれます。
    文章を追っているというより、そこに登場した人物達と同じ目線で町を歩いたり、会話しているようで幸せです。あと22冊、思いっきり沼に浸りたいです。

  • ポアロもの超有名作品。

    ポアロのもとに“ABC”なる人物から挑戦ともとれる警告状が届きます。その予告通り、“ABC”順にそのイニシャルが頭文字の土地と人物が次々と殺害されていきます。
    その殺害現場には「ABC鉄道案内」が残されていて・・。

    まさに“ミッシング・リンク(見えない繋がり)テーマ”の代表作にふさわしい展開で、ミステリの真髄を堪能させて頂きました。
    ヘイスティングズ視点の一人称パートと、謎の行商人が登場する三人称パートが並行して進むというプロットが巧妙でぐいぐい読ませます。
    件の行商人が、どうみても連続殺人に関わっていそうな流れにみえるのですが、“もしこの男が犯人だとしたら、クリスティーらしくないな・・”と、思っていたので、終盤にポアロが明かした真相に納得したと共に、行商人の彼に少し同情しました。
    『三幕の殺人』とかでもありましたが、“ダミー”で殺人を犯すのって、マジで理解不能ですよね(まぁ、ダミー云々以前の問題かもしれませんがね)。
    因みに、ヘイスティングズがいるとポアロも“舌好調”になるようで、二人のやりとりも楽しかったです。

    • 111108さん
      あやごぜさん こんにちは

      そうなんです、〝ダミー〟で殺人って本当どういうこと⁇って感じですよね。『三幕の殺人』では最初の事件のぶっ飛んだ動...
      あやごぜさん こんにちは

      そうなんです、〝ダミー〟で殺人って本当どういうこと⁇って感じですよね。『三幕の殺人』では最初の事件のぶっ飛んだ動機に唖然としてしまいました(@_@)
      『ABC』はドラマでも観たし内容も知ってるからなーと思ってたけど、ポアロとヘイスティングズとの掛け合いを楽しみに読もうかなと思います♪
      2021/11/05
    • あやごぜさん
      111108さん こんばんは♪

      いや、もうホントに“ダミーで殺し”ありえへんって感じですよね。
      私も『三幕の殺人』の第一の殺人の動機には、...
      111108さん こんばんは♪

      いや、もうホントに“ダミーで殺し”ありえへんって感じですよね。
      私も『三幕の殺人』の第一の殺人の動機には、お口あんぐりでした( ゚Д゚)
      おお♪ドラマで『ABC殺人事件』観られているのですね~。内容ご存じでも、ポアロ&ヘイスティングズの原作ならではの味のあるやり取りはお楽しみ頂けると思いますので、是非お読み下さいませ♪

      2021/11/05
    • 111108さん
      お返事ありがとうございます♪
      ポアロの舌好調、楽しみです〜
      お返事ありがとうございます♪
      ポアロの舌好調、楽しみです〜
      2021/11/06
  • Aがつく町でイニシャルAの人物が殺され、Bがつく町で…という連続殺人に挑むポアロ。
    ポアロ宛に殺人予告まで送られていたので、これはもう解かないわけにはいかない!
    先が気になって気になって、一気読みだった。
    面白かったー!
    正直無理がある気はするのだけど、展開の面白さ勝ち。
    ヘイスティングスも出て来るのは初めて読んだ。
    ポアロといいコンビ!
    一冊読み出したらもう他のも読みたくなって止まらない…さすがミステリの女王!

  • 久しぶりに読んだけれど、ホント面白い。
    Aで始まる地でAの頭文字の老婆が、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地ではCの頭文字の紳士が順番に殺害される。
    単なる愉快犯かと思いきや、まさかの真相が明かされ、初読時には呆気にとられた記憶がある。
    既に内容を知っているのに思わず唸ってしまうほどの面白さ。
    何度でも楽しませてくれる作品って最高ですね。

  • 面白かった!
    すっかり騙された(映画見ていたのに全く覚えておらず・・それもどうかと思うけど)


  • 犯行や周りの証言等から、犯人を推測しながらと言うよりも、要所々々で発せられるポアロの含蓄ある言葉の数々に、頭の上は疑問符が飛び交っていました。
    考えるほどよく分からなくなり、犯人も的を絞れず。先が気になるので、犯人探しそっちのけでなかば読み進めてしまいました。


    天才ポアロの言動を理解するのに苦しむ友人ヘイスティングス大尉のような気持ちになりました。結構愉しめました。


    本作品はミッシング・リンク・テーマの代名詞とまでなった作品だそうです。
    これ以降に書かれたミッシング・リンク・テーマの成功作は、クリスティーの着想を下敷きにした上で、いかにしてそれを乗り越えるかという点に腐心したものばかりだと解説にありました。

    アガサ・クリスティさん凄い人なんだなと、色々な作品に触れるごとに、ひしひしと感じているこの頃です。

  • ポアロの元に殺人予告の手紙が。
    アルファベット順に殺人が行われていきます。

    共通の手がかりがなかなか出てこない中、事件はどんどんと起きていきます。

    最後まで読むと、あ、このパターンね。となりますが、このパターンはここから始まったと思うと、やっぱりすごい作家さんなのだなぁと思います。

  •  やっぱりアガサクリスティー、安定で面白い〜〜。読んでてただただ楽しい。

     事実だけに基づいて考えたら、犯人は自明であるように思われるのに、犯人の動機や人間性を考えた時に、思いもよらない真相が浮かび上がってくるところが、さすがアガサクリスティーだなと思った。

     全く無関係に思われる事件を関連づけるミッシングリンクと、記憶障害のある人間が連続殺人犯に仕立てられていく様子を同時並行させているプロット。本当の犯行動機を埋れさせるために連続殺人を起こす。それぞれの事件の背景が、納得いくように最後に明かされる。読後、感嘆すると同時に、クリスティーらしいミステリーだなと思った。

  • 初めてアガサクリスティーに触れた作品だったと思います。少し時代や国が違う作品には躊躇いがありますが、ふつうにおもしろかったです。私にとってはアガサクリスティー登竜門になりましたね。

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