ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 13)

  • 早川書房
3.67
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感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300134

作品紹介・あらすじ

名探偵ポアロは偶然から、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。が、ポアロを含めて八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺された。しかも、居合わせた客は殺人の前科をもつ者ばかり…ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む。

感想・レビュー・書評

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  • ポアロもの長編。ブリッジのルールが分からなくてもどかしい感あったが終盤のたたみかける展開が読ませる。解説によるとポアロとオリヴァ夫人が絡む話の一作目と。クリスティーのセルフパロディ的夫人が面白くて好き。

    • ポプラ並木さん
      111108さん、こんばんは。クリスティーのポアロシリーズ、結構読んでいますね!自分も年代順に読んでいます。次は「1937年:もの言えぬ証人...
      111108さん、こんばんは。クリスティーのポアロシリーズ、結構読んでいますね!自分も年代順に読んでいます。次は「1937年:もの言えぬ証人」のようです。別の読書サイトで読み友さんと盛り上がっています。ブリッジの意味が分からなかったのでちょっと残念でしたね。
      2021/12/12
    • 111108さん
      ポプラ並木さん、コメントとフォローありがとうございます♪
      クリスティーは図書館や本屋さんで見つけた順に読んでるので、年代バラバラなんです。あ...
      ポプラ並木さん、コメントとフォローありがとうございます♪
      クリスティーは図書館や本屋さんで見つけた順に読んでるので、年代バラバラなんです。あとで霜月さんの攻略本でいつ書かれたのか確認してます。
      「もの言えぬ証人」はBSドラマで観てキャラが面白かったのでいつか読んでみたいと思ってます!
      皆さんのレビューから思わぬ発見や「その通り‼︎」というのを見つけると嬉しいですね〜
      2021/12/12
  • 疲労感半端ない。押し寄せる波また波、何度も何度もポアロにぶん殴られ、真相が行ったり来たり。最後にはぎゃ~~となる。犯人予想は当たった!と余裕ぶちかましていたが、簡単にはいかず、ハズレ。ブリッジというトランプゲーム中にパーティー主催者・シャイタナが殺される。ブリッジをしていた4人に犯人が絞られる。4人ともブリッジ中に移動している。4人全員怪しく犯人に思えてしまう。しかし、ポアロが4人に話しの中で仕掛ける。そこでポアロの中で辻褄が合わなくなり犯人を除外していく。最後の最後で大負けした時の悔しさとともに読了。⑤

    • ポプラ並木さん
      111108さん、コメントありがとう。感想の書き方が悪かったですね。外れました・・・一時当たった!と思ったのですが、その後二転三転でまさかの...
      111108さん、コメントありがとう。感想の書き方が悪かったですね。外れました・・・一時当たった!と思ったのですが、その後二転三転でまさかの展開でした。読了後は疲労感しか残りませんでした。111108さんは当たりました?これで1勝10敗です。
      2021/12/12
    • 111108さん
      いえいえ一瞬でも当たってたんですからポプラ並木さんはさすがですよ!私はレイス大佐やバトル警視を〝常連さん〟と知らずに読んでたためかなり後半ま...
      いえいえ一瞬でも当たってたんですからポプラ並木さんはさすがですよ!私はレイス大佐やバトル警視を〝常連さん〟と知らずに読んでたためかなり後半まで疑ってかかり、容疑者を絞り込めず迷走しました。疲労感‥確かに(笑)
      2021/12/12
    • ポプラ並木さん
      確かに!レイス大佐やバトル警視も怪しいかも?と思いましたが、結構正統派のクリスティですのでそれは否定しましたよ~
      確かに!レイス大佐やバトル警視も怪しいかも?と思いましたが、結構正統派のクリスティですのでそれは否定しましたよ~
      2021/12/12
  • トランプゲームの点数表が鍵になるとあらすじに書いてあったのを真に受けて、ブリッジについて散々調べてしまいました…が、ルールを知らなくても楽しめる作品でした。

    ロリマー夫人が自分が真犯人だと、ポアロに告げる場面は、自白の場面としてはこれまでに見ない静けさで驚きました。こんな美しい幕引きは、ポアロシリーズで初めて見ると思っていたら、そこはやはりそのまま終わらせてはくれませんでした。
    すぐに嘘だとポアロが見抜きます…。
    今回は後ろ暗い過去を持つ人物ばかりで、やはりこの後も2転3転する展開に目が離せなくなります。


    オリヴァ夫人はやかましいけれど、自分の足で警察が掴んでいなかった手掛かりを得ていて、ポアロとはまた違った推理の仕方で楽しかったです。発想が飛躍しがちで推理と呼んで良いのか疑問ですが、楽しくて好きな人物です。

    ロマンスあり、人物についての掘り下げ良し、謎解きも毎回ながらお見事です。

    ただ、前半の雰囲気は少しだけ退屈してしまいました。もっとシャイタナ氏について知りたかったとも思います。
    ヘイスティングスも大事な役だったけれど、出番が一瞬…もっと見たかった…!

  • 悪趣味で評判の悪いシャイタナ氏がある晩パーティを開き、客がブリッジに興じている最中に刺殺される。客は、過去に殺人を犯したと思われる者が4名と、ポワロを含む探偵役が4名。探偵役の4名は、シャイタナ氏の殺害に過去の殺人が関わっているとみて捜査を行う。

    『アガサ・クリスティ完全攻略』の中で本作は評価がかなり低い。私は結構好きな作品だが、評価が低い理由はわかるような気がする。
    まず、シャイタナ氏が話の早い段階であっさりと殺されてしまい、強烈なキャラクターを生かすことができていないこと。え、本当にこれで退場?というあっけなさだ。さらに、話は客の4つの殺人に移り、シャイタナ氏とその殺害の謎はなんだかどうでもよくなってくる。謎の解明も、ブリッジというなじみのないゲームでの心理分析がメインなので、わかったような、わからないような、もやもやした感じが残る。
    それでも私が本作を好きなのは、殺人者4名のストーリーが面白いからである。それぞれの性格をよく表すエピソードが生き生きと描かれており、クリスティの描きたかったのはむしろこちらだったのかと思わせるほどである。

    物語としてバランスは悪いかもしれないが、後半パートはずいぶん面白いので、トータルでは楽しめる作品である。

  • アガサ・クリスティの中でとても好きな話だが、家にある文庫の活字が小さく感じたので再読するために今の文字の大きさの文庫を買い直してしまった。そして再読。
    犯人が誰かと考えながら二転三転を楽しむ話だが、犯人を知っていて再読しても十分話が面白い。クリスティーらしさ満点の傑作だと思う。

  • 登場人物が少なくて、序盤から4人のうち誰が犯人かが絞り込まれて、全員があやしいけど、犯人になり得るけど、ならない、といったような二転三転あり、面白かったです!最後無事閉幕〜と思ったら、そこからまたぐいぐい読ませる。

  • ポアロもの。

    シャイタナ氏のパーティによばれたポアロ。8人の客が4人づつに分かれてブリッジに興じている間に、シャイタナ氏が刺殺されてしまいます。
    シャイタナ氏に近いテーブルにいた4人が疑われますが、この4人は其々に隠された“前科”があって・・・。
    上記の“容疑者グループ”に対して、ポアロ達“探偵(?)グループ”には、ノンシリーズ等にも登場しているバトル警視やレイス大佐、そしてクリスティーを彷彿させるオリヴァ夫人など、ええキャラ揃いです。
    容疑者4人の過去を洗うバトル警視と、彼らのブリッジの点数表などから心理状態を探るポアロとの協力関係が良いですね。
    そして、終盤の怒涛の展開が、もう二転三転でグイグイ読ませます。
    犯人は“一周廻ってそうきたか”という人物で、真相にいきついたポアロに脱帽です。
    ブリッジのルールを知っていれば、より楽しめたかもしれませんね。
    “ババ抜き”ならわかるのですけどね(笑)・・。

  • 久々に再読。一部覚えていたが犯人は忘れていた。
    ポアロが呼ばれたパーティーで、ブリッジの最中に主催者が殺された。
    犯人は客の誰かとしか考えられず、彼はポアロに「殺人を犯して逃げおおせた者を集める」と言っていたため、罪を暴露されることを恐れた犯行と思われたが、4人の客たちは本当に過去に殺人を犯しているのか、そして今回の犯人は誰なのか‥
    捜査陣はポアロのほかバトル警視、オリヴァ夫人、レイス大佐と大盤振る舞いで、それぞれの捜査の仕方が面白い。
    容疑者が4人なので地味に見えるが、それぞれキャラが立っているし二転三転するストーリーでどんどん読み進んでしまった。被害者がインパクトがあるキャラなのでもう少し掘り下げてくれたらもっと楽しかったかも。

  • ひらいたトランプ
    ポアロシリーズ長編。再読だが記憶は曖昧。途中、うっすらとだが犯人を思い出したと思ったのだが。恥ずかしい事に、意外性のある結末に初見読みの様なリアクションをしてしまった。作品構成が良くトリックも上手い。
    しかし、終盤、とある人物が都合よく睡眠薬を飲んでいる事、それを犯人が見越している事は腑に落ちないが。
     初見の際にはまだポアロシリーズの世界観を把握していなかった為、バトル警視やレイス大佐、オリヴァ夫人まで疑ってかかった事を思い出した。後々彼らが登場する作品を沢山読んでいる為、完全に容疑者から除外される訳だが、いかに筆者が「容疑者はこの四人」といっても我々読者は素直に取らないし、筆者はあのクリスティだ!!と構えて読んだ記憶がある。そのせいで理路整然と簡潔に完成された今作の魅力が小さくなっていた事に今更ながら気づいた次第だ。

     シャイタナという如何わしい人物がポアロ、バトル含めた優秀な探偵役と名目上は素晴らしい人物合計八人を招待しパーティを開く。シャイタナはパーティ招待メンバーに過去の事件を匂わせ彼らの秘密を握っている事を喜んでいたが、二組に別れて開催されたブリッジのゲーム中、何者かに刺殺されてしまう。ポアロ達のグループはシャイタナと別の部屋におり、メンバーはポアロ、バトル、レイス、オリヴァといわば探偵的素養がある人物達。一方、殺害されたシャイタナと同室にいたのは4人のグループでそれぞれが過去に何かを隠していると思われる人物。犯人はこの四人のうちの誰かである事は間違いなく、彼らの過去を捜査しながら真相を突き止めていく。
     ストーリーの土台としてポアロがブリッジの戦い方、スコアシートの取り方などからそれぞれの人物の性格や特徴を読み解き、今回の殺人のケースに当てはめて推理を進めていく。ブリッジを知らない人には彼らの性質をどの様にポアロが読み解いていったのかが少しわかりにくい。また、それぞれが過去に何らかの事件を起こしているだろうと推定できる設定の為、彼らの過去について明かされていく事実が物語に深みを与えている。
     登場人物が限られている事が今作をシンプルにそして一人一人を深く掘り下げる事に適しており、他の作品の様に登場人物の名前や性格に悩まされる事がない。ブリッジ要素以外はわかりやすく読みやすい。僕は今作を手に取ったのが比較的早い段階だったため、探偵側の人物達の知識がなかった。本来であれば非常に洗練された謎解きミステリーだが、あろう事にバトルやレイスを疑ってかかる始末で個人的に反省した部分だ。(全てを疑う様にしたのもクリスティなのだが(笑)
     ポアロと並び、バトル警視やオリヴァ夫人の活躍も魅力的で、特にオリヴァ夫人の強烈な個性がシリーズ中何度も登場を求められる人物になる事はクリスティの表現力によるものだろう。これほど魅力的なキャラクターは中々他のミステリーにも存在しない(他のミステリーで登場する強烈な人物達は“狙い“すぎていて作品に馴染まない様に見える)
     評価としてとても面白かったが、ブリッジを知らない事が残念でならない。おそらく知識があればもっと楽しめた。再読により、ポアロシリーズの世界観を理解した上で読むと何倍も面白く感じた。

  • 誰が犯人か最後の最後まで分からなかったです。
    特に最後に近づくにつれて話が加速していき、一気に読まさせられました。そのせいか、ゆったりと考えることが出来なかったです!
    ミステリ作家としての腕を改めて感じました(^^)

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