白昼の悪魔 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 20)

  • 早川書房
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本棚登録 : 1001
感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (756ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300202

感想・レビュー・書評

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  • 孤島のリゾートホテルを舞台としたクローズドサークルものです。
    トリックはシンプルで、またそれが分かれば犯人の正体もおのずと分かるので難易度は比較的優しめですが、人間関係が反転するさまは鮮やかですし、序盤のあの一言など大胆な伏線も張られていて巧妙です。全体的に良くまとまったパズラーでクリスティの特長が活かされている作品だと思います。

  • 「日の下のいたるところに悪事ありで、白昼にも悪魔がいる…」

    読みやすく愉しめました。過去読了した作品でも探偵ポアロの犯人を炙り出す手法は見事だなと感じて来ましたが、やはり今作も健在でした。読了感は良かったのですが、犯人を特定するためのキーワードを見過ごしていた事が心残り…。

    最後ポアロがリンダに語りかけた言葉にぐっと来ました。優しい…さすがジェントルマン。

  • クリスティー作品は何冊か読みましたが読後感の良さで言えば本作が一番!
    ミスリードに上手く誘われ後味の悪い結末ばかりを予想し、不安になりながら読んでいただけに痛快でした。
    やっぱり家族の崩壊で終わってしまうのは悲しいし、何とか幸せにならないかなと願っていたので嬉しさもひとしお。
    パズルのピースがはまってみれば全く違った全体像を見せるのはミステリの真骨頂ですね、その点も非常に楽しめました。
    一つ興味深いのは『白昼の悪魔』というタイトル。序盤は悪女である女優だとほのめかしていましたが、実際は犯人コンビの悪意を指しているよう。
    被害者が悪い女であるのはそうだけど、それだけじゃなく哀れでどうしようもない”弱さ”があったというような夫の評価が意外でした。
    にしても。。と思わないでもないですが、人間はコインみたいには綺麗に善悪ないのかなとも思ったり。
    『アクロイド殺し』『春にして君を離れ』など読後少し考え込む作品も味わい深いですが、こういった爽やかな作品でも楽しませてくれるクリスティー、さすがです。

  • 犯人が予想外の人物だった。

    「価値というのは善良な心か、優れた頭脳の持ち主です」というポアロの言葉は至言。

  • ポアロシリーズ20作目。リゾートホテルでいかにもな殺人が起こって、犯人っぽい人間にはアリバイがあるけど、さてどうなる?みたいな。
    個人的に訳に少し癖があるように思ったのが残念。ポアロは「ですます」調で話して欲しいな。


    以下ネタバレ



    もう、冒頭からがっつり伏線で衝撃。クリスティーマジですごいな。
    ポアロのフェチが描かれているから読み飛ばしてたけど、あの場面完全にトリックの鍵ですやん(笑)
    アリーナが妖艶な魔女っぽく描かれていると思いきや、ただの馬鹿っていうね……。そうかーそうなのかーってなったわ。
    クリスチンはポアロが気に入ってる風やからまさかなーとびっくり。
    パトリックはいかにもな感じやったけど、あのトリックはすごいな。窓から落ちてきた瓶ね。なるほどなー。

    ガードナー夫妻、いいわぁ。クリスティーが描くおしゃべりなおばさま、好きなんよね(笑)ガードナー氏も大事な場面で絡んでくるし。

    ラストポアロがリンダに話す場面が好き。こういうフォロー入れるのがポアロのいいところよね。

  • ポアロ
    読み始めてしばらく、ポアロものって好きじゃないのかもって思ったが、終盤が近づくにつれひきこまれた。思いもかけない犯人!ビックリ!

  • これぞポワロという感じ。緻密なトリックと痛快な謎解き。いつも通り楽しめました。

  • 「何の気なしにすすーっと読み流した一文が、実は伏線でした」の気持ち良さ。ラストがこそばゆくて、なんだかもじもじしてしまいました。

  • 目次後の登場人物説明が皆ホテルの滞在客で、途中の容疑者リストが出てくるまで確認しづらかったせいなのか、それとも被害者に同情できなかったせいなのか、いまひとつ楽しめなかった。相変わらず細かな所から事件解決の糸口をつかむのは見事なんだけど。人間って色々な見方ができるんだなーと、真相以外に深い部分がある。

    気になったのが表記。まアとか、平仮名と片仮名の組み合わせが不自然すぎる。アッ!など、片仮名のアが頻繁に出すぎる。ただでさえ、登場人物名が片仮名なのだから、やけに目につきすぎた。また「いらした」ではなく「いらっした」という表記も何度かあり、違和感があった。訳者の癖なのか。

  •  クリスティー特有の人物同士の繋がりやポアロの捜査は面白かったものの、「ナイルに死す」程は引き込まれなかった。

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