- Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300301
感想・レビュー・書評
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「人を殺してしまったかも」とポアロを尋ねて来た若い娘。だが死体や事件はどこ?という変化球の話。オリヴァ夫人の行動力から事態は動き出し謎が謎を呼ぶ。ポアロの脳内モヤモヤが長すぎ?でも楽しくて一気読み。異色の解説も楽しい。
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2023/06/18
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なおなおさん、こんにちは!コメントありがとう(^^♪
勿論、負けました。
でもね、結構いい線は行っていたんですが、犯人は外しました。
...なおなおさん、こんにちは!コメントありがとう(^^♪
勿論、負けました。
でもね、結構いい線は行っていたんですが、犯人は外しました。
えっ、えーーーーーー、というアイテムが出てきて、これはないだろう!と若干焦燥感です。
あと3冊、1回くらいは当てたいな。。。。がんばりま~す2023/06/18
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ポアロは決してなんでもお見通しのホームズの様な探偵ではなく、思考の手順や道筋を整理しながら、ジグソーパズルの様に組み合わせていく、とても人間味のある探偵だ。従って、当然、推理の道筋が違っていて軌道修正する事もあるし、事件の連鎖を未然に防げない事もある。しかし最後には真実に行きつき、そしてハッピーエンドで物語は結末する。今回もとある二人の人物が、ポアロの策略によって結ばれる事になる。彼はキューピッド役を務める事がしばしばあり、幾つかの事件の後、ポアロの御節介により幾つかのカップルが誕生している(笑)。これはある意味でポアロシリーズのお約束でもあり、味の濃いミステリー本編を爽やかにするための要素でもある。
今作はスタートが変わっており、とある若い女性がポアロの探偵事務所を非常識な時間に訪ねて来る。彼女は、「人を殺したかもしれない」と言い放ち、しかしポアロを見たとたん、年寄り過ぎるという理由でいなくなってしまう。ポアロはショックを受けるが、娘については気に掛かり、「死体」の痕跡を探し始める。
そんな中、オリヴァ夫人の強引な(笑、いつもそうだ。)招待を受け、昨日のショックについて話していると、どうやら娘のきっかけを作ったのはオリヴァの可能性があり、名も知らぬ相談者のきっかけをポアロはつかむ。まだ殺人が起きたかどうかもわからない霞がかった状態から、ポアロは経験により何かの悪意を感じ、それを調査させていく。
作中、ポアロシリーズ同じみのキャラクターが総出、ジョージ、レモンは両方登場し(珍しい?)情報屋のゴビィなども登場する。主題「第三の女」は、アパートのシェアをするサードガールと文字通り三人目の女性の意味合いもあり面白い。
レスタリック家を巡る騒動になるが、トリックは再読の為、なんとなく記憶にはあったが、改めて楽しめた。設定が現代と似ている環境下でもありイメージを持ちやすく、読みやすい様に感じた。いつの時代も年寄りは若者を受け付けないらしい。また、今や伝説的なビートルズ等も型破りで受け入れられなかった時代のイギリスを読み取る事ができ、面白い。
物語冒頭から何を捜査しているのか。がテーマになる訳だが、読者もポアロと同様にこの小説のパターンを見出すまで時間がかかる。オリヴァのとある発言をきっかけに物語が動き始め、いよいよ大詰めか、というところで衝撃的な事実が判明する。過去にない手法だが、ミステリーとしては丁寧で、きちんと作中にヒントが残されている(最後は流石に驚きだが)父親のレスタリックの半生と娘の悲哀がとてもアクセントになっている。
推理小説としてとても丁寧な構成の作品だが、事件の取っ掛かりがあるまではポアロとオリヴァの冒険譚であり、長く感じてしまうかもしれない。シリーズを読み慣れている人は、ポアロとオリヴァのやり取りを楽しみながら進める事ができるだろう。 -
ほほお、そうきましたか。
散らかっていた事象が一つに集約される瞬間が好きだなあ。
「自分が犯したらしい殺人についての相談」と聞いた時点で、これは何かあるなと分かる。
結局、その“何か”には最後まで気づけないが。
まあでも自分なりに推理しても、ちっとも当たらないのが楽しい。
そして、ロマンスを忘れないところがまた良い。 -
とにかく前段が長い…というか明確な事件は終盤まで起こらない。冒頭の「殺した気がする」の入りはいいとしてその後はなかなか話が進まない。
心理学的要素も織り交ぜながらの展開は少し新鮮味もあり、晩年の作でありながらこういった新しいスタイルを模索する姿勢は素直にすごいとは思うが、そのスタイルが成功しているか?というと疑問ではある。
それにしても晩年の作品におけるオリヴァ夫人の役所はますます重要になってますね。自分を重ねているのかな。あと、この作品ではモッズやビート族さらにはビートルズなんてそのまま名前が出てきていた。こういった流行に対する大人の反応が面白い。いつの時代もかわなんなぁ…
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久々の再読だが冒頭のシーン以外は覚えていなかった。
「人を殺したかもしれない」とポアロに相談しに来た娘は何も言わずに帰ってしまった。彼女の素性や周辺の事情を調べるポアロだか、殺人の気配は見当たらない‥
なんとも曖昧な謎から始まる話だが、オリヴァ夫人の活躍もあって楽しく読めた。
しかしメインのネタはかなりアクロバティックな気がする。 -
殺人を犯した“かも”しれないという依頼人の登場で始まる死体なき殺人事件。当人に自覚のない殺人事件とはー?
年寄り扱いされたことを根に持ち、オリヴァ夫人の趣旨のぼやけた会話にうんざりするポアロは人間らしく魅力的なキャラクターで、ポアロに合わせてついつい他の登場人物にも感情移入をしてしまう。始めの4/5でゆっくりと謎や設定をばら撒き、最後にパズルのピースを勢いよく当てはめていくようなストーリー展開で、ポアロと共に謎を解明したい人向け。灰色の脳細胞を持つ名探偵に圧倒されたいなら短編集?久しぶりにアガサクリスティの作品を読んだので、こんな感じの作風だったかなと少し違和感を覚えたが、どんでん返しの展開は相変わらずだ。ただ、他作品は余韻を引くような終幕を迎えたように記憶していたので、突然謎が解明してスパンッと話が終わるのには驚いた。車やエレベーターが登場するなど現代的な印象を抱かせる作品だった。「第3の女」というタイトルはあたかも殺人事件に第3の関係者がいるかのように感じさせ、ある意味読者に対するミスリードとも捉えられなくもないが、これは和訳の問題だろう。The Third Girlであれば、事件関係者を意味するのだろうが、原作はThird Girlなので、作中にオリヴァ夫人が解説するように「メインではない」というニュアンスでこの表現を使用しているのだろう。それとも敢えて定冠詞を付けないことで、二重に含みを持たせているのだろうか。ところで、ソニアの本の件は結局何だったのだか気になる。 -
自分は殺人を犯したかもしれない。という依頼人。結局依頼はせず、そこから物語が進んでいく。クリスティ晩年の名作。
ポプラ並木さんのレビュー「えっ鬘」に笑ってしまいました!
犯人は当てられないですよね。こん...
ポプラ並木さんのレビュー「えっ鬘」に笑ってしまいました!
犯人は当てられないですよね。こんな身近な人の変装に気がつかない?というのも、クリスティーあるあるなんでしょうか?