カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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制作 : 中村 能三 
  • 早川書房 (2004年11月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300332

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カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • エルキュール・ポアロ最後の事件として有名な『カーテン』。25年くらい前にクリスティの作品を夢中でまとめて読んだのですがポアロが死んでしまうこの作品だけはあえて読まずに居ましたが、復刻フェアで本屋に並んでいるのを見て、購入。この前に読んでいたクンデラと同じく、第三者の目から見た容赦のないあけすけな人物評とその人物のふるまいや言動が交互に描かれ読み応えたっぷり。さすがクリスティ。ポアロとヘイスティングスが最初に事件を解決したスタイルズ荘が舞台で、それから二十数年後という設定、ポアロは病と老いに苦しみ、ヘイスティングスも最愛の妻に先立たれ癒されない孤独を抱えながら最後の事件に取り組むという独特の雰囲気。ポアロが死んでしまうのはわかっているし、Xというこれまでにない陰湿で特殊な犯人像から、読み進みながらやや心理的に追い込まれるようなしんどい気持ちになりました。最後に、残された手記の形で提示された謎に対してはポアロ自身の鮮やかな解説により全て明快に明かされますが、作品全体の雰囲気は必然的に至極暗く、不穏です。高校生のときに読まずに今までとっておいて良かったと思いました。

  • 読み始めたら止まらなくなって、結局、2日で読んでしまった。痛快さとは正反対の重苦しい心理戦が基調となっている。
    体は動けない、しかし、脳細胞は動き回るポワロは最期までポワロで、ポワロが絶対の信頼を置く、いうなれば普通の人、ヘイスティングスは最後までヘイスティングスだ。人物造形はさすがである。ヘイスティングスの娘が出てくるが、世代交代を感じさせる。娘よりも父ヘイスティングスに共感してしまうのは、私も年をとってしまった、ということか。
    一度読んだら満足だなあ。
    さあ、また、若々しいポワロおじさんに会いにいこう(笑)。

  • なんだか寂しい。

    事件の様相よりポアロの様相ばかり気になりました。

    なんだか本当、これしか手はなかったのか?と思える最期でした。

  • 殺人を防げないポアロの弱点は、殺人が起きてから動く警察という経験から仕方が無いのだろう。

    ポアロの最後も、ポアロのポアロによる、ポアロのための殺人で終わると言えばいいのだろうか。

    最後まで殺人を防げないポアロの失態を、ポアロがどう受け止めるのか、ポアロそのものの限界がここで明確になる。

    映像作品がなければ、ここまで読み次ぐ意欲が湧かなかったかもしれない。

    ポアロを演じた俳優に乾杯。
    ポアロに冥福を

  • ポアロの最後の作品。この作品自体は1943年に書かれ、「自分の死後に発表するように」と、とっておきにしておいたそうだ。現実にはファンのためにクリスティーの亡くなる一年前の1975年に発表されたそうだ。とっておきのこの「カーテン」は年を重ねて体が言うことをきかなくなってしまったポアロを見るのには、親友のヘイスティングズ同様どうしようもない寂しさを感じるのだが、灰色の脳細胞は健在でうれしい。スタイルズ荘に招かれたポアロ、ヘイスティングズは、彼ら以外の宿泊客の中に、過去に起こったいくつかの殺人事件を企てた犯人が存在することが明らかになる。ポアロにはすでに犯人が分かっている。だがその名を打ち明けることなく、ヘイスティングズに犯人を特定すべく調査を依頼する。犯人はじめ宿泊客の心理描写の絶妙さはたまらない。この作品がなぜ最後なのか、ポアロらしさをイメージすると、余韻が深く残る。

  • フーダニットの筋書きは平凡ですし、真犯人の思い通りにいくものかなという疑問もありますが、「殺人が起きるのは分かっているが、誰が誰を殺すのかは分からない」という状況からの展開はスリリングで面白いです。
    そして、野心的な着想でシリーズを締めくくる仕掛けが秀逸。ポアロの手記をヘイスティングズが読み上げるラストも切なくて良いです。

  • 画像とは違う装丁の本でしたがこちらで登録。
    文字めちゃくちゃちっさい(笑)
    ポアロ亡くなっちゃいましたか。。。
    よくある亡くなった犯人の手記で真相が分かるパターン。
    人間の思い込みとは恐ろしいものだなあ。。。

  • 気になっていたので再読ヽ(〃Д〃)ノ

  • ポワロ作品。彼の最後の事件が記されている。

    【あらすじ】
    ポワロの招集により懐かしのスタイルズ荘を訪れたヘイスティングス。老齢の衰えを見せるポワロから、過去5件の殺人事件の真犯人ともいうべき人物Xがこの荘に滞在しているため、日々の状況を観察して欲しいと依頼される。知りすぎると身の危険あり、という理由からXの正体を明かそうとしないポワロに憤慨しつつ、ヘイスティングスはスタイルズ荘の客と交流を開始する。

    【感想】
    作品の発表はクリスティの晩年だったが、執筆は傑作を多く生み出した時期らしく、この作品も傑作だと思う。良き相棒と評されながら、アルゼンチンへ移住したために長く陽の目を見なかったヘイスティングスが登場しているのもファンとして嬉しい。
    序盤にポワロから犯人の存在を植え付けられるが、誰が何を狙っているのかがわからないため、人々の会話や行動に都度惑わされながら読み進めることになる。ヘイスティングスの羽目を外した行動も面白い。
    やがて事件が起こるが、ポワロの取った行動によりまた謎が深まってしまう。ヘイスティングス同様、読者に取っても困惑の限り。しかし、ちゃんと筋の通った結末が用意されており、読み終わった後はやられた感があった。犯人の正体も巧妙に隠されていて、手記まで読み進めないとわからなかった。
    そういう意味では、ポワロの遺した手記のメッセージは読者に向けられているのではないかと思う。ヘイスティングス=読者だったってことか…。

  • ポワロ最後の事件。もう少し年を取ってから読もうとは考えていたが、我慢できず手を取ってしまった。
    トリックなどが有名ではあったが、この作品に限っては全体的に物足りない感じ。ただポワロらしい最後は満足。
    シンメトリー!

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カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の作品紹介

エルキュール・ポアロ死す!懐かしのスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズとポアロを再び殺人事件の悪夢が襲う。過去五件の殺人事件を背後で操る真犯人Xは、年老いて体の自由がきかないポアロに挑戦するかのように、スタイルズ荘で次なる計画を練っていた…奇怪な殺人事件と名探偵ポアロの最期を描く衝撃作。

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