五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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制作 : 山本やよい 
  • 早川書房 (2010年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310218

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五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 映像では何回か観ていて、その度にせつない話だな、、、と思ってたいたので、本を読むのは少しためらっていた。けど、16年前に起こった事件の真実を関係者の証言を元に解き明かしていく過程がとてもおもしろく、今のところポワロの中で1番おもしろかったように思う。

  • 今まで読んだクリスティ本の中で、不動の№1作品です。

    絵的に美しい描写、トリックでもアリバイでもなく人間性にスポットを当てた話づくり、同じセリフなのに取り方ひとつで物語全体がガラッと姿を変える衝撃。何もかも素晴らしすぎて文句のつけようがありません。

    特にラストが圧巻です。絡んだ糸を丁寧にほぐすようにポワロが謎を解いていき、そしてすべての誤認を取り除くと、そこには犯人の痛切な嘆きがありました。セリフの一つ一つがドラマチックで胸を打つので、読み終わって本を閉じた後、しばらく余韻にひたって動けなくなります。

    ちなみに私はミスリードにまんまと引っ掛かって別人が犯人だと思っていました。しかし作者の手のひらの上でコロコロ転がされるのって楽しいですね。
    長編にしては容疑者が少なくて読みやすかったのもポイント高いです。

    ただ一つ、妹が読んでた本が『月と六ペンス』だとポワロが当てた理由が私には分かりませんでした。あらすじはざっと見たんですけど、やっぱり『月と六ペンス』本文読まなきゃ分からないのでしょうか。

  • ドラマがとてもよかったので原作の方も読んでみました。
    ドラマ版はちょっと人物像というか、キャラの設定を変えているのだなぁと思いましたが概ねそのままでした。

    15年前の事件(すでに犯人の裁判は終わり、その犯人も獄中で亡くなってしまい全てが過去のことになっている)を色々な人にインタビューすることでその形を明確にしていくのですが、事件の当事者の立ち位置によってそれぞれ見方が違うのが面白い。
    ポワロが各関係者に順にインタビューしていくのがこの物語の大半を占めているのですが、飽きずに最後まで読めました。

    ポワロはなにより心証というか、その人物像を明確に定義していくところから推理を始めるのだなぁとしみじみ。
    そも人の心に興味があると再三作中で言っているので当たり前なのかもしれないですけれど。そのあたりから矛盾を見つけ、それならばどういうことなんだろうと考えを展開させていくのはさすがだなぁと思いました。

    有名な大作!!というわけではないのですけれど、頭が休まる暇のない連続殺人事件に比べると穏やかに、そして面白く読めるいい作品だと思いました。

  • 16年前に夫を毒殺した犯人として投獄・獄死した母親がほんとうの犯人なのか明らかにして欲しいという依頼がポアロへ。
    犯人として可能性があるのは5人。昔からの知人である兄弟、夫の当時の愛人、犯人(母親)の妹の家庭教師、犯人(母親)の妹。
    5人の証言を素直に解釈すると母親が犯人としか考えられないのだが…
    ポアロの推理は今回も冴えるねえ。
    面白かった。

  • ラストが秀逸。余韻が見事。

  • 図書館で。
    昔読んだ時になんだかポアロさんの人物像が鼻についてなんていけ好かない男だろうと思い、ポアロシリーズは読んでいなかったのですがマープルさんを読み終えてしまったので手を出してみました。面白かったです。
    それにしても安定して面白いものを書ける人ってのはすごい。

    過去の犯罪を当時事件に関わった人々の証言だけで推理するというなかなかに難題なお話。私は妹が間違って毒を入れたのかと思っていたら…違っていた。
    でもアガサ・クリスティのお話って推理を楽しむというよりは登場人物たちの心理描写やいつの世も人って変わらないよね、というような所が読んでいて楽しいな、と自分は思っています。それにしてもはた迷惑な男だ。そういうのを真に受けちゃう娘さんも…まあ熱に浮かされていたと言えばそれまでだけど… 問題ですよね。

  • クリスティ長編#32(ポアロ)

    ポアロの推理を読むまでもなく、(残念なことに?)真犯人は登場時に分かってしまいました。
    むしろ彼女がなぜ罪を被ったのかという点についての方が読み応えがあったかも。

  • 回想のミステリー。
    前に何回か読んだことがあるのに、また読んでしまった。犯人も、あ、確か…と、途中から、わかって。しかし、確かめないと(笑)。
    「ロミオとジュリエット」のジュリエットの台詞が時を超越して、探偵の心の中に鳴り響く。
    それにしても、アンジェラの話。モーム「月と六ペンス」を読まないと(笑)。

  • 再読。クリスティーらしいストーリー。ポアロを久しぶりに読みましたが、流石の推理。隠れた名作。

  • 先日参加した読書会の課題書。

    過去の事件で収監された、亡き母親の無実を晴らしてほしいという女性の依頼を、ポワロが受けて始まる回想型のミステリ。

    マザー・グースから引かれたタイトルと、「犯人」とされた女性の周りにいた「容疑者」たちをからめて話が展開される。ポワロがそれぞれにインタビューし、質問を投げかけ、包囲網を狭めていくさまは、クリスティーのミステリー作品の王道。

    個人的には、「容疑者」のキャラクターはどうでもよくて、彼らに提出させて揃えた書簡で構成された第2部だけで十分楽しめた。私は今そこにいない人を、証言や書簡などだけで浮かび上がらせていくテクニックの小説が好きなのだが、これはそこにずばりとはまっているだけではなく、芥川の『藪の中』的な、食い違いのスリリングさを味わえてよかった。正直、ここだけでご飯三杯は軽くいけるし、ほかのパートなんかなくてもいい(笑)。

    犯人当てとしては、クリスティー作品を何作か読んでいると、第1部で2人くらいには軽く絞れるので、あとは後に語られるエビデンスとして信用の高いほうを採用すると当たることが多い感じがするが、この作品では、『白昼の悪魔』的なパターンで落ち着くかと思いきや、最後にちょっとひねりが効いており、二択で外してしまった。でもそれが作者サイドのちょっとダサいねじ込みかたのようにも思うので、いまだに納得できない(苦笑)。

    犯人当てにいたるプロセスを楽しむか、そこまでの文体や登場する小道具、時代考証といったディテールを楽しむかで好みも楽しみかたも分かれる作品だと思うが、私は後者。といっても犯人が外れたからじゃないですが。

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