五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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制作 : 山本やよい 
  • 早川書房 (2010年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310218

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想・レビュー・書評

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  •   五匹の子豚って、歌のタイトルにつられた、というか、自分が知ってる「五匹の子豚とチャールストン」ってやつとは別物、間違ったけど面白かった。

     ポアロの元に若いカーラ(娘・キャロライン)と言う女性が訪ねてきて、16年前に起こった毒殺事件で、母キャロラインは、(娘の父である)夫を殺した罪に問われ獄中で死んだが、母は無実なので、もう一度調べなおして欲しい、との依頼を受けた。

     16年も経った事件をほじくり返して、どうするのか、と弁護士、検事など、裁判の関係者は、再調査に否定的だったが、それでも、ある人を介して、ポアロは5人の当事者からの供述を得ることができた。夫婦の友人、夫婦の友人の兄、夫の愛人、妹の家庭教師の女性、妹、いずれ劣らぬクセのある五匹の子豚。さらに、5人から覚書も受け取り、それぞれの視点によって全く異なるキャロライン像が浮かび上がり、5人のうち4人までがキャロライン有罪を確信していた。

     ポアロは、カーラと婚約者の立会いの下、またこの5人を集め、経緯を伝え、また、個々に質問していくと、微妙な思い違いから、母キャロラインの無実が解明されることで、母は5人のうちの誰かをかばっていたのだと判明。犯人は、妹かと思われたものの、違った。やっぱり、いけ好かない人が真犯人説は、最後まで残しておいた方がいいと思った。

    2017.12.06 読了

     
     

  • [手に取った理由]
    年に数冊ずつクリスティーを読んでいるので。

    [主な登場人物]
    エルキュール・ポアロ...私立探偵

    カーラ・ルマルウション...20代前半。依頼人
    ジョン・ラタリー...カーラの婚約者

    エイミアス・クレイル...画家
    キャロライン・クレイル...エイミアスの妻

    サー・モンタギュー・ディプリーチ...キャロラインの弁護士
    ジョージ・メイヒュー...事務弁護士
    エドマンズ...法律事務所の事務員
    クウェンティン・フォッグ...次席検事
    ケイレブ・ジョナサン...クレイル家の顧問弁護士
    ヘイル...警視

    エルサ・グリーア/レディ・ディティシャム...工場主の一人娘。
    フィリップ・ブレイク...エイミアスの親友。株式ブローカー
    メレディス・ブレイク...フィリップの兄。田舎の大地主。道楽で薬草をいじっている
    アンジェラ・ウォレン...キャロライン・クレイルの父親ちがいの妹。遺跡の発掘にたずさわる
    セシリア・ウィリアムズ...アンジェラの家庭教師をしていた

    ディティシャム卿...エルサの夫。上院議員。詩人

    [感想]
    事件関係者を色々な豚に例えているのが面白いと思います。ポアロとの会話を読みながら、なるほど確かにそうねと思わされました。

    手記、質問の数に調和を求める拘りに、その方がバランスが良いと賛同できました。目次も良いですね。

    マザーグースの歌を元に作られていても、無理矢理当てはめたと感じさせないのは流石です。

    楽しみながら読みました。満足です。

  • 映像では何回か観ていて、その度にせつない話だな、、、と思ってたいたので、本を読むのは少しためらっていた。けど、16年前に起こった事件の真実を関係者の証言を元に解き明かしていく過程がとてもおもしろく、今のところポワロの中で1番おもしろかったように思う。

  • 今まで読んだクリスティ本の中で、不動の№1作品です。

    絵的に美しい描写、トリックでもアリバイでもなく人間性にスポットを当てた話づくり、同じセリフなのに取り方ひとつで物語全体がガラッと姿を変える衝撃。何もかも素晴らしすぎて文句のつけようがありません。

    特にラストが圧巻です。絡んだ糸を丁寧にほぐすようにポワロが謎を解いていき、そしてすべての誤認を取り除くと、そこには犯人の痛切な嘆きがありました。セリフの一つ一つがドラマチックで胸を打つので、読み終わって本を閉じた後、しばらく余韻にひたって動けなくなります。

    ちなみに私はミスリードにまんまと引っ掛かって別人が犯人だと思っていました。しかし作者の手のひらの上でコロコロ転がされるのって楽しいですね。
    長編にしては容疑者が少なくて読みやすかったのもポイント高いです。

    ただ一つ、妹が読んでた本が『月と六ペンス』だとポワロが当てた理由が私には分かりませんでした。あらすじはざっと見たんですけど、やっぱり『月と六ペンス』本文読まなきゃ分からないのでしょうか。

  • ドラマがとてもよかったので原作の方も読んでみました。
    ドラマ版はちょっと人物像というか、キャラの設定を変えているのだなぁと思いましたが概ねそのままでした。

    15年前の事件(すでに犯人の裁判は終わり、その犯人も獄中で亡くなってしまい全てが過去のことになっている)を色々な人にインタビューすることでその形を明確にしていくのですが、事件の当事者の立ち位置によってそれぞれ見方が違うのが面白い。
    ポワロが各関係者に順にインタビューしていくのがこの物語の大半を占めているのですが、飽きずに最後まで読めました。

    ポワロはなにより心証というか、その人物像を明確に定義していくところから推理を始めるのだなぁとしみじみ。
    そも人の心に興味があると再三作中で言っているので当たり前なのかもしれないですけれど。そのあたりから矛盾を見つけ、それならばどういうことなんだろうと考えを展開させていくのはさすがだなぁと思いました。

    有名な大作!!というわけではないのですけれど、頭が休まる暇のない連続殺人事件に比べると穏やかに、そして面白く読めるいい作品だと思いました。

  • 16年前に夫を毒殺した犯人として投獄・獄死した母親がほんとうの犯人なのか明らかにして欲しいという依頼がポアロへ。
    犯人として可能性があるのは5人。昔からの知人である兄弟、夫の当時の愛人、犯人(母親)の妹の家庭教師、犯人(母親)の妹。
    5人の証言を素直に解釈すると母親が犯人としか考えられないのだが…
    ポアロの推理は今回も冴えるねえ。
    面白かった。

  • ラストが秀逸。余韻が見事。

  • ポワロもので1番か2番めに好きなお話。
    『ロミオとジュリエット』のジュリエットに若さゆえの情熱がなかったならば、ロミオは死なずにすんだのかも…。

    なんとなく途中から犯人はこの人かな…と思わせつつ、最後にしっかりと伏線を回収して、人間心理、若い娘の恋愛心理を描いた良作だと思いました。

  • 図書館で。
    昔読んだ時になんだかポアロさんの人物像が鼻についてなんていけ好かない男だろうと思い、ポアロシリーズは読んでいなかったのですがマープルさんを読み終えてしまったので手を出してみました。面白かったです。
    それにしても安定して面白いものを書ける人ってのはすごい。

    過去の犯罪を当時事件に関わった人々の証言だけで推理するというなかなかに難題なお話。私は妹が間違って毒を入れたのかと思っていたら…違っていた。
    でもアガサ・クリスティのお話って推理を楽しむというよりは登場人物たちの心理描写やいつの世も人って変わらないよね、というような所が読んでいて楽しいな、と自分は思っています。それにしてもはた迷惑な男だ。そういうのを真に受けちゃう娘さんも…まあ熱に浮かされていたと言えばそれまでだけど… 問題ですよね。

  • クリスティ長編#32(ポアロ)

    ポアロの推理を読むまでもなく、(残念なことに?)真犯人は登場時に分かってしまいました。
    むしろ彼女がなぜ罪を被ったのかという点についての方が読み応えがあったかも。

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五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の作品紹介

16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです-娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る。

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)のKindle版

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