そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
- 早川書房 (2010年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151310805
感想・レビュー・書評
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十角館の殺人をきっかけに好きになったミステリー。それから結構な数のミステリーを読んできましたが、十角館の殺人を超えるものには出会えず。それくらい大好きな小説の源流とも言える小説。有名すぎて説明不要ですね。お恥ずかしながら未読でした。
まず読後の正直な感想としては、内容は思っていたよりも普通。展開もある程度は想定内。もちろん犯人は分かりませんでしたが。また、現代とは異なる、職業や性別に対する偏見が多く、前提に納得しきれないことが多々あった点が印象的でした。
でも、この小説の魅力はきっとそういうことじゃないんだと思います。
1939年に刊行されて約100年後の今も読み継がれているという事実。
これに尽きるでしょう。
この小説を読んで覚える既視感。それは読む順序が逆なだけ。
時間が流れたことで読む側が多くの経験をしている今の環境でもこれだけの驚きを与えられるというところに凄さを感じます。
こっちは100年レベル上げしたのにまだ勝てない敵みたいな感じですかね。
歴史に残る色褪せない小説でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は2010年発行の青木久恵さんによる新訳版です。
訳が新しいというより、最近の出版だから読みやすくなっているだろうと思ってチョイスしたのですが、、、
旧訳では、土人とか黒人差別の表現などがあるので、社会的偏見や差別用語に神経を使った訳になっているらしいです。
長い間多くの人に読み続けられ、今後も多くの人が読むであろう人気作品ならではの気遣いですね。
ただ原作により近い雰囲気を感じるなら清水俊二氏訳のほうがいいのではと考え直し、こちらを副として気になった箇所を新訳ではどのように表現しているのかの確認用としました。
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清水俊二さんによる旧訳版を読み終えて、物語の本質には何も影響ないので新訳版でもよかったと思いました。
改めて20ページくらい交互に読んでみましたが、新訳版の方が読みやすかったです。
日本語が柔らかくなったせいでしょうか、新訳版の方が若干ページ数が増えています。
おそらく書店では旧訳版は(置いていない?ので)買えないのではないかと思います。
赤川次郎さんがあとがきを書いているのですが、この部分は新旧で全く同じでした。 -
ミステリーの巨匠クリスティの超有名作。
クローズド•サークルならではの緊迫した雰囲気や恐怖感にドキドキしながら読み進めた!
青木久恵さんの翻訳も読みやすく、物語に没頭できたので満足。 -
過去の名作を今更読んで、ストーリーと回収が
素晴らしいと思います。
海外作品は自分には少し読みづらく、、-
2023/10/28
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有名な作品なのであらすじや結末は既に知っていましたが、色んな人が面白いと言っているので気になって読んでみました。物語の展開はテンポがよく、内容もわかりやすいので、どんな人が読んでも引き込まれる作品だなと思いました。既にトリックを知っていたので、驚きはさほどなかったですが、やはり素晴らしいトリックだなと思いました。記憶を消して読んでみたいです。
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ミステリーの王道、アガサ クリスティの代表作。久々に読みましたが、今回も面白く読ませてもらいました。
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怒涛のテスト期間を終え、久しぶりに本を読むことが出来た。
その一作目、アガサ・クリスティの名作「そして誰もいなくなった」読了。
緻密に描かれたストーリーと関係性。少しづつ変わっていく登場人物。100年近く経っているのに読み口が新鮮でスラスラ読めてしまう。すごい。
だけど内容としては、ちょっとずるいなって思ってしまった。そこにモヤモヤが残ってしまう。
無理なく登場人物が描かれていると赤川次郎さんが解説でおっしゃっていた。今度は「謎を解くぞ!」という気持ちではなく、純粋に小説を楽しむ。という意味で読めば、見え方も変わってくるかもしれない。
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洋書は苦手だが、色々な小説に出てくる原点のような本だと知り手に取った。
設定はもちろんテンポ感もよく洋書にしては読みやすい。
最後の結末も驚きはしなかったが納得。 -
「カタカナの名前が覚えられない問題」。これがネックになって海外作品を読むことに躊躇することがある。この作品も例に漏れず、僅か70ページまでに20名以上の「カタカナ」が登場する。それでもスルスル読めてしまうのが名作の証左なのか。
(それでもハヤカワ文庫の登場人物リストにはかなり助けられました) -
ミステリーは好きだけど洋書への苦手意識から避けてきてしまった作品。
案の定、登場人物名がなかなか覚えられなくて冒頭の紹介に何度も戻りながら読んだけど、終盤にはページを捲る手が止まらないほど夢中になっていました。
真相を知ってから第1章の各登場人物が島へ向かうまでの犯人のエピソードを読むと、犯人としても何も知らずに島へ向かう人物としても違和感なく読めることにびっくりしました。