トム・ストッパード (1) コースト・オブ・ユートピア――ユートピアの岸へ(ハヤカワ演劇文庫 26)
- 早川書房 (2010年1月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151400261
作品紹介・あらすじ
混迷の19世紀ロシア。若き知識人ゲルツェンは、民衆を苛む専制政と農奴制の転覆を決意し、祖国を飛び出す。亡命先は革命の嵐吹き荒れる約束の地、パリ。だがそこで彼が目にしたのは、あまりにも無情な「理想郷」の現実だった…。人間の生きる意味とは?"歴史"に目的はあるのか?時代を拓いた革命家たちの生涯を等身大に描き切り、トニー賞7部門を制覇した、英国演劇界の巨人渾身の一大歴史叙事詩。第二回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞作品。
感想・レビュー・書評
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2010年6月20日読了。時代背景や登場人物が多すぎてわかりにくいところもあったが、面白かった。舞台見てみたい。
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世の中を変えていくのはたったひとりではなく、たくさんの「誰か」たちで、たまたまその中の「誰か」が名前を残したり、しているだけで、それでいてそのいくらかの「誰か」たちもひと時は若く、迷い、じつはどこにもたどりつかないままにその人生を閉じていったりしていたのではないか、ということを、この本を読んで、考える。
19世紀ロシアからはじまる、「革命」という言葉だけが耳に残る(そう、だからその他のことはよく知らない)時代の物語であるにもかかわらず入り込んで読めたのは、登場してくる「誰か」たち皆が(歴史上の人物としてではなく)人間としてそのままに泥臭いまま描かれていたからだ、とも考える。
むちゃくちゃ心に響いたけれども、戯曲なので、その芝居を見ていないがゆえに星4つ、ということで。 -
19世紀半ばの革命家たちの日々。
ゲルツェンとバクーニンを中心に描かれる。
若き日は哲学に刺激され、西欧を夢見て旅立ち、挫折し、次第に袂を分かってゆく仲間たち。
なんというか、青春である。
夢と理想と愛にひたむき、そういった言葉に尽きるのではなかろうか。 -
2010.02.28 日本経済新聞で紹介されました。