失われし書庫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-8)

  • 早川書房
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (588ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151704086

感想・レビュー・書評

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  • R・バートンの稀覯本を入手して一躍時の人となった古本屋クリフを、それは私の書庫から盗まれた本だと主張する老婦人が訪れた。彼女の祖父はバートンと交流があり、献本で埋め尽くされた一大書庫を持っていたが、祖父の死と同時に騙し盗られたという。彼女の頼みで失われた蔵書の探索を始めた矢先、クリフの周囲で強盗殺人が。だが元刑事のクリフの勘はこれは計画的犯行だと告げていた…本好き垂涎の古書蘊蓄ミステリ。

  • 古書店主のクリフォード・ジェーンウェイは元刑事だ。本好きが高じて古書店主となった。リチャード・バートンの「メッカ巡礼」の初版本をオークションで買った。その本には献辞が書いてあった。「チャールズ・ウォレンに大いなる同伴者にして最良の友、…」と。そして彼の店に、その本は祖父の本だという老婆が訪ねてきた。祖父の名前は、チャールズ・ウォレンだという。そして祖父の本はだまし取られた、それを捜してほしいと。古書店主クリフ・シリーズの第三巻目だ。とても面白かった。

  • 2023/12/3読了(再読)
    〈ジェーンウェイ〉シリーズは、今回は趣向を変えて歴史ミステリなのだが、まずもって、リチャード・バートンを知らない(文学愛好者の世界では常識なのかも知れないが)。知らなくっても、作中できちんと説明してくれるし、ストーリーは相変わらずスリリングで楽しめたのだが、やはり、人物・歴史の背景を抑えて読んだ方がもっと楽しめたのだろうな、と惜しい気持ちにはなった。

  • R・バートンの稀覯本を入手して一躍時の人となった古本屋クリフを、それは私の書庫から盗まれた本だと主張する老婦人が訪れた。彼女の祖父はバートンと交流があり、献本で埋め尽くされた一大書庫を持っていたが、祖父の死と同時に騙し盗られたという。彼女の頼みで失われた蔵書の探索を始めた矢先、クリフの周囲で強盗殺人が。だが元刑事のクリフの勘はこれは計画的犯行だと告げていた……本好き垂涎の古書蘊蓄ミステリ。
    原題:The bookman's promise
    (2004年)

  • 前に読んだ「幻の特装本」より好みです。
    実在の人物の空白期間を上手に使ってミステリー仕立てだし
    登場する女性達が 皆個性があって素敵。

  • 再読。
    無駄な人死にが多すぎて切ない。その人殺す必要あったか!?っていう。
    歴史ミステリ的な部分が良かったです。

  • 帯表
    八十年前に失われた稀覯本の山と幻の作家の真実・・・
    元刑事の古書店主クリフに再び人生の転機が訪れる!
    『死の蔵書』『幻の特装本』に続く古書店探偵クリフ・ジェーンウェイ・シリーズ最新作

  • ミステリ好きなのですが、こういう埋れた謎を追う物語も面白いな!と思った一冊(*´﹃`*)いや、これもミステリか?(o゚ω゚)作者とその本の謎が次第に紐解かれて行く感じにワクワクし、その中で生まれた友情に感動(๑′ᴗ‵๑)海外作品はあまり読まないのですが、これはワクワクしたなぁ★最後は少しフワッと終わった感じ?

  • 借りたけど読めなかったやつかな?
    メモだけある。

  • 「古書薀蓄ミステリー」とは帯の言葉。南北戦争を巡る大河ドラマ的展開に引き込まれる。シャーロック・ホームズシリーズ中の「聖徒たちの国」とか一連の新大陸ものの雰囲気を感じた。

  • 話の展開が良く出来ているが、謎解きの楽しさは少ない。登場人物達の会話が気が効いているが、読み難くもある。

  • シリーズでこれだけ趣向変えれるのはすごいな~
    過去の話んとことかすごい好き。

  • クリフ・ジェーンウェイ・シリーズ第3作。今回は古書の世界からちょっと離れて、南北戦争前夜の歴史ミステリーっぽい部分が多く、そこが面白い。色々仕掛けの多いストーリーで楽しめるが、ラストはちょっと弱いか。

  • 元刑事で、今はデンヴァーで古書店を営むクリフ・ジェーンウェイを主人公とする古書ミステリシリーズ三作目。二作目の活躍で、思わぬ大金を手にしたクリフは、リチャード・バートンの稀覯本を競り落とす。ところが、それを聞きつけた老嬢がクリフの店を訪れ、その本は祖父が奪い取られた蔵書の一冊だと話す。

    日本では『千夜一夜物語』の訳者として知られるバートンは、語学の達人で世界中を股にかけた探険家でもある。そのバートンが、ボルティモアを訪問した際、老嬢の祖父チャーリーと意気投合し、南北戦争前夜のアメリカ南部を一緒に旅することになった。友情の記念に献本してくれた著書にはバートン自身のサインが記されている。

    バートンの本をめぐる殺人が起こり、クリフは老嬢の意思を尊重し、失われてしまった蔵書の謎を解くことを心に誓う。謎解きが主体のミステリなので、あまり詳しく内容に触れるとネタばれしてしまう危険があるので、中身の紹介はこれくらいにしておく。

    「歴史ミステリ」というジャンルがあるらしいが、古書探索の薀蓄が楽しい、このシリーズ。作者はマンネリ化を警戒し、一作ごとに新味を出そうと工夫しているようだ。今回は、バートンの伝記の中にある空白部分を「謎」として、提出することで、現代に起きた殺人事件を描くミステリの中に「歴史ミステリ」をはさんだサンドウィッチ状のミステリを書いた。

    味としては、外側のパンは馴染み深い味だが、肝心の中に挿んだ具の味にあまりなじみがなく、個人的な感想を述べることを許してもらうなら、少々違和感が残った。決して不味いわけではないのだが、パンと具のマッチングが上首尾で最高のサンドウィッチになっているとは言いがたいのだ。

    一人称の語りと、気の利いた会話が特徴のハードボイルド探偵小説と、古書にまつわる謎解きをからめた独特の味わいは今回も健在で、その部分は十分に楽しめる。登場人物が善人と悪人の二種類に色分けされすぎるきらいはあるが、それすらも「意外な犯人」というミステリの常道を生かす叙述にプラスに作用しているといってもよい。

    タフガイぶりは相変わらずだが、暴力に対する忌避感が薄いところが少々気になる。一度暴力を振るうと高揚感がとまらないところがある。もっともそれが災いして刑事をやめ、古本屋をやることになったという設定だから、無理もないのかもしれない。それと、昔なじみの顔役を使って相手に脅しをかけるのも、あまりほめられたやり方だとは思えない。これは個人的な好みの問題だから小説の出来とは関係ないが。

    アメリカ人にとって、南北戦争というのはどんな時代になっても忘れられない歴史なのだろう。その歴史的な事実とリチャード・バートンという人物をからませるという発想はすぐれていると思う。日本なら辻原登が採りあげそうな話題だ。残念ながら、南北戦争に興味を持つ日本人は、そうは多くないだろう。ただ、リチャード・バートンについては興味を持った。バートンとスピークを主人公にした『愛と野望のナイル』は、かつて見たことがある。DVD化されていれば、もう一度見てみたいものだ。

  • ハードボイルド古書探偵第三弾。
    100ページくらい読んで、気に入ったキャラクターに死亡フラグがたったので読む気力がなくなった…。

  • 最初の本が面白かったので続きを借りてみようと思い借りてみました。そしたら第2作ではなく第三作だった…。まあ続いているわけではないので良いんですけどね。

    面白かったんですがチャーリーとバートンの南部旅行はちょっと長く感じました。南北戦争の辺りの歴史や背景をあまり知らないので知っている人たちなら面白いんだろうな、と思いながら読みました。
    それよりもラストがちょっと…弱いかな~ なんだか強引に最後終わった感じがしました。でもそのうち2作目は読もうと思います。

  • 間違って、2度買ってしまった。
    めったに再読はしませんが、面白かったので読んでしまいました。

    シリーズ物ですが、全て趣が異なるので、次作『災いの古書』も楽しみです。

    主人公と女友達(最後の彼女)とのやり取りが、どうにもしっくり来なくて…ガマンしましたケド

  • 前作「死の蔵書」を期待すると、失望します。

  • 読了
    この作家さんわたしのツボですわ
    映画化すればいいのにな

  • 元刑事で、今古本屋亭主の探偵譚。3作目。
    さすがに1,2作目ほどのパワーはなかった。
    敵役の描写が弱くて全体が今一引き締まらない。これは2作目を読んだときも感じたことなので、この作者の欠点なのかもしれない。
    長編をぐいぐい読ませるプロットは見事なのに、実にもったいないなぁと思うわけだ。

  • 趣向が面白いです。古書と催眠術・・・ミステリアスで興味深い展開。「本のない家は哀れな家だ」という言葉にドキッとしました。

  • ★ビブロマニアにオススメ。

  • ジョン・ダニング古本屋シリーズ第3弾。新しいの読みたいですね。劇中劇ならぬ作品の中に出てくる過去バナの二人がちょっとBLっぽくて変に萌えた作品。

  • 未読

  • ジョン・ダニングのクリフ・ジェーンウェイ物、第3弾。
     クリフがオークションでバートンの本を手に入れたところから物語は始まる。

     謎解きものとしては「死の蔵書」に及ばないが、ボリュームがあり、冒険、サスペンス風味に彩られ、終盤にはある殺人事件の謎が解かれる。
     ギャングとのやり取りが個人的には楽しめたかな。

  • いやー インターバルの長い作家ですな。前回の幻の特装本から一体何年たったんだ? しかし、やっぱダニングです。なかなか読ませてくれます。今回おもしろかったのは新登場のキャラ2名とのかけあい漫才めいた会話部分。なんせあめりかじんのジョークってどこがおもしろいのか全然わからんかったのであるが、これ読んでるうちにそこはかとなくおもしろさが感じられてきた気がしないでもない。

  • 古書を巡る殺人事件。警察を辞めて
    自ら古本屋を営み事件解決を目指す主人公。前2作は思い出すのだが

  • リチャード・バートンの稀覯本を手に入れたクリフの元に、
    その本は自分の書庫から盗まれたという老婦人が現れた。
    彼女の祖父はバートンと親交があり、その書庫には彼からの献本と手紙で埋め尽くされていたのだが、
    祖父が死ぬと同時に、騙し取られたというのだ。
    直感的に彼女の話を信じたクリフだが、出会った間もなく彼女は老衰で死んでしまう。
    死の間際、書庫を取り戻してほしいと頼まれたクリフ。
    しかし、その直後から、彼の周りで殺人が起こり、怪しげなギャングの影が……
    シリーズ第三弾。
    うーん。今までとは趣向が違って、今回は歴史ミステリ。
    バートンがアメリカにやってきたとき、空白の2週間があり、そこで彼は何をしていたのか?
    もしや、南北戦争の発端に関わっていたのでは?
    と言う話。
    歴史ミステリは好きなんだけど、このシリーズはそれが読みたいわけじゃないし、
    ぶっちゃけ、あんまり本は出てこないんで、期待はずれ。
    やっぱ、第1作が一番面白かったなぁ。
    バートンって、よく見かける『バートン版千夜一夜物語』のバートンなのね。

  • 古本屋クリフシリーズ。第一弾の「死の蔵書」を初読したときはミステリと本と蒐集という魅惑の横線が衝撃でした。

  • 19世紀イギリスの探検家リチャード・バートンという人に興味を持ちました。作者のおもうがままって感じ。
    H16.1.4読了

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