あの日、少女たちは赤ん坊を殺した (ハヤカワ・ミステリ文庫 リ 5-8)
- 早川書房 (2005年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151716584
感想・レビュー・書評
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灼熱の太陽の下、放置されていた赤ん坊を連れ去り死なせたことで収監された2人の少女。
彼女たちが出所してから、街では幼女連れ去り事件が頻発するようになる。
果たして犯人は2人の少女のどちらかなのか? 最終目的は殺された赤ん坊の妹なのか?
謎を含んだまま、物語は進んでいく。
センセーショナルなタイトルとは逆に、物語の描写は淡々とし、逆にそれが少女たちの異常性を際立たせている。
罪悪感の薄い自分本意な言い分はかなり怖い。
終盤、真相が明らかになる場面での関係者のそれぞれの主張は、それまでの緻密な人物描写と相まって狂気すら感じられる。
そしてやるせない結末。いいなぁ。
惜しむらくは語り手が頻繁に入れ替わることで、物語が散漫になっている感があること。
主人公と見られる女刑事の内省などは蛇足だったかも。
それが事件の根幹とある意味シンクロしているわけだけど、それならば伏線を張るなり、どこかでまとめてあげるなりしないと、エピソードが宙に浮いたままになってしまう。
謎解きより人間の描写を読む1冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんというか…覇気のない小説。だらだらーもたもたー。
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昔懐かしい形のベビーカー。作品の中では「乳母車」と訳されています。表紙もいいけれど、題名にもっと惹かれました。
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いつか再読したい。