解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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制作 : 越前敏弥 
  • 早川書房 (2012年12月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151718540

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解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 海外ミステリの底力を見せつけられた。

    1人の少年の転落と再生を描くミステリだ。
    非情な犯罪の世界に身を置く主人公に、「そっちに行っちゃダメだ!」と何度心の中で声を上げただろうか。

    現在・過去・大過去と3つの時間軸を行ったり来たりするので、物語に没入するのに初めのうちは戸惑ったが、すぐに気にならなくなった。ミステリであるのと同時に、ラブストーリーでもあるので、私はそっちにより心を奪われた。

    とは言え、様々な錠前を解錠していく技術を身につけるに至った主人公の陰がよく描かれていて、その辺りの細かい描写がこの物語に深みを持たせている。

    ミステリに必要不可欠な要素を満たしていて、大どんでん返しもあり、さらに胸を打つラスト。

    読んで本当に良かった。感動した!

  • このミス洋書1位!なんだけどミステリーというより青春小説のようだった。

    幼き頃に言葉を失ってしまうマイク。
    マイクは運命の荒波に飲み込まれるように解錠師へと育っていく。

    読んでいる最中、「ショーシャンクの空に」のシーンがよぎった。
    翻弄されつつも希望を失わない。それは叶うのか叶わないのかわからない。しかし待ち続ける。

    アメリアという希望を求めて。

    解錠師の話とアメリアとの話が交差し時間軸が近づいて行く後半は面白い。
    アメリアってアメリカ的な嫌な娘だったけど、マイクと絵でやりとりしてゆく くだりはステキだった。

    洋書の翻訳って難しいのだろう。
    なんか感情移入させないリズムを刻んでくる。
    同じストリーリーを日本人作家が描き直してくれればもっと良い作品に感じるだろう。

    ちょっともやもやとしたものが残る読後感でした。

  • 主人公に魅力がある。 無駄がなくリアルがあった。口がきけない主人公に、ふいに憧れる瞬間があった。

  • 単純に面白かったです。
    帯で勝手に期待してしまったミステリーではありませんが。
    犯罪小説と青春小説と恋愛小説を足して4で割ったような…厚みの割に淡白な作品です。
    読後感がさっぱり過ぎて何も残らなかった気がします。
    ただ、読んでる最中は楽しかったのは間違いありません。

  • 祝・文庫化!
    錠を開ける才能がある少年の進んだ道は。
    切ない初恋に心貫かれます。

    8歳の時の事件以来、口を利くことが出来なくなったマイク。
    「奇跡の少年」と報道され、カウンセラーにもかかりました。
    酒店を経営する伯父に引き取られ、ミシガン州デトロイトの小さな町で育ちます。
    高校の美術クラスで思いがけず才能を認められ、初めての友達が出来ました。
    17歳半の時、上級生が卒業間近の夜の悪ふざけに、マイクが錠を開く才能を使うように求められ、事件に巻き込まれます。

    奉仕活動のために被害者マーシュの家に通い、仲間の名を明かすよう求めるマーシュに、炎天下でプールを掘ることを命じられます。
    その家の娘アメリアに恋をするマイク。
    母を失っているアメリアのほうでも、マイクにはどこか通じるものを感じたのです。
    ほとんど表情も変わらない、話すことが出来ないマイクの中にあふれ出る感情。
    気持ちをどう伝えたらいいか悩み、漫画的なイラストにして心の中の声を吹き出しに書いて、彼女の部屋に置いてくるのでした。
    そして、始まる交流‥ここで漫画という形が出てくるのが、最近の作品ならでは?

    今は服役中のマイクの手記という形で、犯罪に巻き込まれていくいきさつと、1年後の事件のなりゆきが交互に描かれます。
    錠に魅せられたマイクの特技は、あまりにも危険な性質を持っていた。
    大切な人を守るために特技を使うしかなくなり、ゴーストという解錠師に仕込まれ、依頼人を持つ立場になる。
    心ならずも犯罪者となっていく中盤は重いですが、犯罪小説としてまずまずの読み応え。
    利用されてしまうマイクがかわいそうで、どこか捨て身な態度にもはらはら。
    そして、しだいに明らかになる子どもの頃の事件…
    アメリアへの一筋の純愛が、希望をつなぎます。
    意外に心地良い結末へ。

    著者は1961年デトロイト生まれ。
    1998年のデビュー作「氷の闇を越えて」で高い評価を得る。
    これは2010年発表の作品。
    2011年アメリカ探偵作家クラブのエドガー賞最優秀長篇賞と英国推理作家協会のイアン・フレミング・スティール・ダガー賞をダブル受賞しています。
    2011年12月ポケミス刊行。

  • 確かに評判になるだけあると思う。読んでる時はすごく面白くて先が気になってどんどん捲った。このトーンも好み。でも読了した時にそこはかとなく物足りなさ……小説ってむずかしい。

  • 過去と現在を行ったり来たりする手法で話は進められていくのですが、どちらの展開にも目が離せないので、一気に読んでしまいました!
    アメリアとの遣り取りがもうね…。ああ、絵って素晴らしいなとか!
    ちょっと最後があっさりしすぎな気がしましたが、
    最後のアメリアが送って来た漫画つうのがもう、グッと来ました!いろいろ伏線貼ってたんだなあとか。

  • 少し必然性が弱いところ(いわゆるツッコミどころ、というやつ)がいくつかあって、超一流のミステリとは言い難い気はしました。
    小説よりは、映画に向いている物語なのかなと思います。鍵をあけるときの緊張感なんかは映像の方が伝わりやすそう。

    これは単純に好みの問題ですが、アメリアが、女の私には全然魅力的に思えなくて、イライラしました。
    話せない、話したくない、と言っている主人公に、自分の都合だけで「話せ」と超シツコイ。
    男の趣味は悪いし(最初のボーイフレンドが…)、短気だし、美人っていうところしか良いところがない。まあ、男性にはそれで十分なのかもしれないけれど。

    あと、一流と言われている白のポケベルの犯罪グループが、最初から最後まで全然一流に見えず、メンバー全員、まったく魅力的でもなかったところが非常に残念でした。彼らのキャラと手口がもっと素敵で巧妙だったら、全然印象が違ってたかも。

    彼らに限らず、全般的に、キャラクター達の魅力が薄い。伯父さんとゴーストがかろうじて「いいな」と思うキャラだったのに、2人とも適当な理由で無理やり退場でガッカリでした。

    なあんて、いろいろとケチをつけてしまったけれど、読んでいる間はけっこう楽しんでました。

  • 淡々と、でも緊迫感を持って進むストーリー。2つの時間を行ったり来たりするが、両者ともストーリーはまっすぐ進むので、訳が分からなくなることもなくとても読みやすい。

    謎ときより、原題どおりLock Artistの描写や、心理、または恋愛モノとして、秀逸。

  • 口をきけない少年が金庫破りとして刑務所に入るまでを少年の回顧録という形をとって描いた物語。
    口を聞けなくなってしまった事件から社会復帰を果たした学生時代の時間軸と、彼が金庫破りとして暮らし始めた時間軸の2軸を交互に語る形態をとっている。学生時代の描写は青春小説のような甘酸っぱい友情と恋愛を中心に、徐々に暗い空気が忍び寄ってくる様を描き、金庫破り時代は破滅への道を明るく描いていて飽きさせない。
    けど、個人的にはそこまで高評価な作品であることがよくわからなかった。おそらく登場人物に魅力を感じなかったからであろうと思われる。
    主人公の少年も、彼の心の支えとなる少女も、絶対的な存在として恐れられていた悪役もどこかみんな中途半端だった。

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解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の作品紹介

八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。孤独な彼は錠前を友に成長する。やがて高校生となったある日、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師に…非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描き、MWA賞最優秀長篇賞、CWA賞スティール・ダガー賞など世界のミステリ賞を獲得した話題作。このミステリーがすごい!2013年版海外編。2012年週刊文春ミステリーベスト10海外部門第1位。

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)のKindle版

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