解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151718540

感想・レビュー・書評

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  • ずっと気になっていた作品を昨日読了。

    アメリカ探偵作家クラブ賞、英国推理作家協会賞受賞、このミステリーがすごい! 2013年版海外編第1位受賞作品。

    ミステリ系の賞を受賞しているので、最終的に何かどんでん返しがあるのかと思ったが、そこは想像と違った。

    過去と現在を交互に語ることで、なぜ少年が話せなくなったのか、なぜ解錠のスペシャリストとなったのか(原題『THE LOCK ARTIST』)が語られる。

    裏社会と関わることになるので、血なまぐさくハードボイルドな一面もあるが、主人公の青年の繊細な心理描写が印象的。

    特に恋する彼女と絵で語り合う部分が切ない。
    彼の今後の幸せを願いたくなる終わりだった。

    ある書評で、嵐の二宮くんに主人公を演じてもらいたいと書かれていたのを不思議と覚えている。

  • 1805 青春ミステリーって感じ。途中までずっと良いテンポで進んで入り込めたけどラストはもやもやが残ってしまった。映像化した方が楽しめそう!

  • 友達が数年前のお誕生日にプレゼントしてくれたのだけれど、偏読傾向の強い私はなかなか読めずにいた1冊。

    結果的には先が気になって一気読みに近かったかな。

    マイクルの過ごした時間は十分にハードボイルドなのだけれど、私的には青春小説のような読後感。

    終盤のアメリアとマイクルには、コナリーの小説のなかにあった『一発の銃弾説』を思い出してしまった。

  • 主人公とある人と出会い開錠師となり、過去のトラウマと打ち勝つストーリー。本は厚く長く断腸な部分も多い。映画でありそうな話。

  • 面白かったのに…
    いつの間にやら本が行方不明
    一旦記録

  • 思ったより最後は盛り上がらなかった。

  • ネットで見かけて。

    最初に言っておくが、これはミステリーではない。
    ラブストーリーだ。

    金庫破りにされる過程も、
    金庫破りとして成長していく姿も、
    金庫破りなのに殺人に巻き込まれていく必然も興味をひかれるが、
    それらと混然一体となっているラブストーリーが、俄然気になる。

    そういう意味では面白かったが、
    勝手に「奇跡の少年」の「奇跡」を自然災害的な大きなものに設定したらしく、
    ちょっと肩透かしに合った気がする。
    ラスボスもあっさり殺されてしまうし。
    伯父との再会が語られなかったことも少し残念。

  • ほろ苦いテストの青春ミステリーとして出色。
    深い心の傷を抱えた孤独な少年の成長と葛藤を描いた青春小説としても優れているし、互いが互いの欠落を補い合う引力の強いボーイミーツガールものとしてもお勧めできる。

    だがなんといっても絵を描くもの、創作に携わるものに読んでもらいたい。

    主人公の特技が錠破りなのでそこがクローズアップされがちだが、ヒロインと交流する手段や、本書の重要な場面にマイクのもう一つの特技の絵が登場する。

    特に終盤、ヒロインと空き家に忍び込んで壁に交互に絵を描き合うシーンのイノセンスな美しさときたら!
    絵を描くという言葉を用いぬ営みがどのようにして孤独なふたりを繋ぎその心を癒してきたか、静かな感動がこみあげて胸に迫る。

    言葉にするには刺々しすぎ生々しすぎる、その行為は傷口を抉るような痛みを伴う。だから告白の代償として二人は漫画の交換を選択した。
    どんな辛い記憶や酷い体験も、絵にすれば濾過されて、諦観で慰撫されて伝えることができたから。

    フィクションに救われた経験があるものは感情移入せざるをえない。

    マイクの特技であり本書の重要なターニングポイントとなる「錠前破り」が「閉じたものを開く」行為なら、絵は「閉ざされたものを表現する」行為であり、二つの対比が過去から未来へ響き合うことで切ない余韻をもたらしている。

  • 少し必然性が弱いところ(いわゆるツッコミどころ、というやつ)がいくつかあって、超一流のミステリとは言い難い気はしました。
    小説よりは、映画に向いている物語なのかなと思います。鍵をあけるときの緊張感なんかは映像の方が伝わりやすそう。

    これは単純に好みの問題ですが、アメリアが、女の私には全然魅力的に思えなくて、イライラしました。
    話せない、話したくない、と言っている主人公に、自分の都合だけで「話せ」と超シツコイ。
    男の趣味は悪いし(最初のボーイフレンドが…)、短気だし、美人っていうところしか良いところがない。まあ、男性にはそれで十分なのかもしれないけれど。

    あと、一流と言われている白のポケベルの犯罪グループが、最初から最後まで全然一流に見えず、メンバー全員、まったく魅力的でもなかったところが非常に残念でした。彼らのキャラと手口がもっと素敵で巧妙だったら、全然印象が違ってたかも。

    彼らに限らず、全般的に、キャラクター達の魅力が薄い。伯父さんとゴーストがかろうじて「いいな」と思うキャラだったのに、2人とも適当な理由で無理やり退場でガッカリでした。

    なあんて、いろいろとケチをつけてしまったけれど、読んでいる間はけっこう楽しんでました。

  • 2013年版このミステリーがすごい!1位(海外)

    読みやすいので、あっという間に読めました。
    でも、どこら辺がミステリィ?
    全体的に淡白なので、謎と呼べる謎は特に無かったような。
    正直、かなりガッカリしました。

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著者プロフィール

1961年、ミシガン州デトロイト生まれ。98年のデビュー作『氷の闇を越えて』は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞、アメリカ私立探偵作家クラブ(PWA)賞の最優秀新人賞などを受賞。以後、『ウルフ・ムーンの夜』『狩りの風よ吹け』と、「探偵アレックス・マクナイト」シリーズを発表している。2009年の『解錠師』では、MWA賞最優秀長編賞、英国推理作家協会(CWA)賞スティール・ダガー賞、バリー賞、全米図書館協会のアレックス賞に輝いた。現在ニューヨーク州に在住。

「2016年 『ニック・メイソンの第二の人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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