- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151744051
作品紹介・あらすじ
激動の時代、ギャング戦争の中でのしあがる一人の青年を通して、アメリカの裏面史を描き出す大作。エドガー賞最優秀長篇賞受賞!
感想・レビュー・書評
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マジクソヤバおもしろい!(不適切な表現!)
というわけで、アメリカの巨匠デニス・ルヘインを初読みです
もちろん、最近ハマっている加賀山卓郎さん訳ということで読み始めたわけですが、一応デニス・ルヘインの方も名前だけは知ってました
映画化作品がやたらとあるんですよね
巨匠ですからね巨匠
てかこれクライムノベルだよね?
なんか作品紹介には歴史ミステリーって書いてあるんだけど
まぁ、面白ければそんなラベリングはどうでもいいんですが
舞台は禁酒法時代末期のボストン
イコール?そうギャングです
禁酒法イコールギャングです
物語はボストンのギャングの部下だった無法者ジョーが愛する人を失い、囚人となりながらも裏切りと制裁をくぐり抜け、のし上がっていく物語
うーんベタ!
でもベタこそ最高なのよ
そしてなんかもう文章がひたすら格好良い
そしてそして上巻は不器用な親子がお互いに深く愛し合っていることに気付く泣ける物語でもありました
ハラハラドキドキ略して腹巻き(略してないわ!)の下巻はこのあとすぐ!
あ、でもひとつだけ残念なことがあってね…
三部作の真ん中だったー!。・゚・(ノ∀`)・゚・。
やってもたー! -
ノワール小説の危険な魅力やロマンと、ハードボイルド小説のような渋さやかっこよさが同居した作品だと上巻を読み終えた時点で思いました。例えるなら危険な雰囲気と色気と陰のある渋おじみたいな一作です。
主人公となるジョーはボストンのギャングの部下。しかし敵対組織のボスの情婦であるエマと出会い、彼の運命は変わっていく。
このジョーとエマの関係性に惹かれました。この二人が具体的にどこに惹かれあったのか。それは想像に任せるところも大きいのだけど、二人の心情と、簡単に恋に落ちることを許されない環境。そんな中で募る感情が燃え上がっていく描写が読ませる。そして絶対的な敵として立ちはだかる、敵のギャングのボス、アルバートの凄みも、また物語を引き立てる。
裏組織の世界に漂う陰のある雰囲気と、それを伝える文体も見事で、特にジョーと父親の関係性が印象的。
ジョーが犯罪組織に所属する一方で、ジョーの父親はボストン市警の警視正です。
しかし二人は縁を切るわけでもなく、お互いに意識しあい、特に父は息子を気に懸け愛しているようにも思えます。この一言で形容しがたい複雑な関係性も丁寧に描かれていて良かったです。
ジョーの生き方というのは一般には理解しがたいものだけど、それゆえに惹きつけられる部分があります。普通の生活、一般社会のルールというものをとことん嫌い、自分の世界、スリルと危険から離れられないジョー。その性分を語る部分が最高にイカすというか、格好よかった! もちろん自分がそんなことをしたいと思っているか、というと完全にノーなのだけど、でも一方でジョーの気持ちもどこか分からなくもない。
野望や危険に対するどこかロマンチックな思いが作品では描かれています。危険とロマンチックっは一見矛盾するように思えますが、この物語を読んでいると、その二つは共存しうるように感じます。
タイトル通り、明かりが差す表世界に背を向け夜の世界で生きることを選んだジョー。その人生の果てに何が待っているのか、下巻も楽しみです。 -
デニス・ルヘイン『夜に生きる (上)』ハヤカワ文庫。
なかなか面白いノワール小説。一応、『運命の日』の続編ということだが、全く独立した物語である。読んでみれば、ドン・ウィンズロウの描くノワール小説のような雰囲気だった。
舞台は禁酒法時代末期のアメリカ。ボストンのギャングの部下のジョー・コグリンが敵対組織のボスの情婦に手を出したことから運命は一変する。刑務所に収監されたジョーは暗黒街でのし上がるために非情に徹していく。
デニス・ルヘインと言えば、どうしてもパトリック&アンジーの印象が強く、その後の作品を読んでも、なかなかしっくり来なかった。しかし、本作は久し振りにデニス・ルヘインの面白さを堪能出来る作品だと思う。
あの消防士のやつか
ちゃんと一Qさんのレビュー読みなさいよ!
あの消防士のやつか
ちゃんと一Qさんのレビュー読みなさいよ!