ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ル)
- 早川書房 (2013年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151757556
作品紹介・あらすじ
父を亡くした娘を次々と襲う怪事件。陰ながら彼女を見守るアルセーヌ・ルパンは、見えない敵に苦戦する。封印されてきた幻のシリーズ最終作。本邦単行本初収録の短篇「壊れた橋」を特別収録する決定版
感想・レビュー・書評
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『海外古典ミステリー読み直しキャンペーン』!ドンドンドンパフー!ではありません!(知るか!)
以前ブクログで児童文学のお勧め3選のブックリストを作るという企画があった際に『ホームズシリーズ』『少年探偵団シリーズ』そして『怪盗ルパンシリーズ』を挙げさせて頂きました
当然小学生時代に全シリーズ読破しているんですが、本作だけは未読でした
それもそのはず、本作『ルパン最後の恋』モーリス・ルブランの死後70年たってから、氏の未発表の作品として刊行され、邦訳は2012年になるんですね、小学生のひまわりめろんが読めるはずないでしょうが!子供がまだ食べてるでしょうが!(『北の国から』よりってもういいわ)
さて肝心の内容ですが、本作の推敲中に氏が亡くなってしまったということもあり、実は未完成でかなり粗さが目立ちます
また「怪盗紳士」の紳士の部分がかなりクローズアップされていてアクションがちょっと抑えめな気もちょっとしましたが、ルパンはルパンでちゃんとかっこよかったです
2編の短編も面白かったです
アルセーヌ・ルパンの活躍に胸躍らせた元少年少女は絶対に読むべし! -
ルブランの描くルパンの物語。ルブランの死後70年間も未発表だった原稿がついに書籍化ということで往年のファンとしては喜々とした。少女を見守る怪盗、まさにこれぞルパン!という設定だ。映画、小説、漫画と様々なメディアで今もなお愛されるアルセーヌ・ルパンを堪能できる。
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ルパンの、ハヤカワ&平岡さんの新訳シリーズは、無茶苦茶好きです。
でもこれは、未発表もむべなるかなという出来で、正直、今ひとつ。
「カリオストロ伯爵夫人」とか「水晶の栓」とは比べるまでもない。
早く「813」をこのシリーズで読みたいっ! -
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ヅカファンとしても、ルブランのファンとしても
大変嬉しいです。これは読まなきゃ!
素敵情報ありがとうございます!
演出の正塚先生は素晴らしい...ヅカファンとしても、ルブランのファンとしても
大変嬉しいです。これは読まなきゃ!
素敵情報ありがとうございます!
演出の正塚先生は素晴らしい演出家で
大変お勧めです。もうご存知かしら?
まず本読まなきゃ始まりませんね!2013/04/24 -
「演出の正塚先生は素晴らしい演出家で」
そうなんですね、、、実は観に行ったコトがないのです(ファンの友人が居て誘われるのですが、都合が合わな...「演出の正塚先生は素晴らしい演出家で」
そうなんですね、、、実は観に行ったコトがないのです(ファンの友人が居て誘われるのですが、都合が合わないのと財布が許して呉れなくて)。。。
ラインナップを見て、気になる演目が多々あるですけど、縁が無いのかなぁ~
(恥かしい思い出話ですが、恋心を抱いていた人がヅカファンで、時折、何かのモノマネ?をして歌い出すんです、それが可笑し過ぎて、いつも噴出していました)
「まず本読まなきゃ始まりませんね!」
タカラヅカのお陰で早く文庫になった訳ですから、感謝しながら読みます!2013/04/25
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「モーリス・ルブラン」のミステリー作品『ルパン、最後の恋(原題:Le Dernier Amour d'Arsene Lupin)』を読みました。
「モーリス・ルブラン」の作品は『赤い数珠』以来なので約半年振りですね。
-----story-------------
父を亡くした娘を次々と襲う怪事件。
陰ながら彼女を見守る「アルセーヌ・ルパン」は、見えない敵に苦戦する。
著者が生前に執筆しながらも未発表のまま封印されてきた幻のシリーズ最終作、ついに解禁。
父親の「ルルヌ大公」が突然自殺し、一人娘の「コラ」は悲しみに沈んでいた。
そんな「コラ」を助けるのは、大公から後見を託された4人の男たち。
大公は遺書の中で、じつはこの4人の中に正体を隠した「アルセーヌ・ルパン」がいる。
「ルパン」は信頼に足る人物なので、それが誰かを見つけ出して頼りにするようにと記していた。
やがて思いがけない事実が明らかになる。
大公は「コラ」の本当の父親ではなく、「コラ」は母親がイギリスの「ハリントン卿」との間にもうけた子だったのだ。
高貴な血をひく「コラ」は、にわかに国際的陰謀に巻き込まれ、そんな「コラ」を救うべく、「ルパン」は動きだすが……永遠のヒーロー、「ルパン」と姿なき敵との死闘が幕を開ける!
本書には、「アルセーヌ・ルパン」シリーズの第1作『アルセーヌ・ルパンの逮捕〔初出版〕』を収録。
従来の邦訳は、フランスで雑誌に初掲載後「ルブラン」が加筆した単行本収録バージョンでしたが、ここでは雑誌掲載時そのままのテキストを採用。
正真正銘の初登場版は、本邦単行本初収録となります。
あわせて「ルブラン」のエッセイ『アルセーヌ・ルパンとは何者か?』も収録します。
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『ルパン、最後の恋』は、「モーリス・ルブラン」の最晩年、1936年から1937年にかけて執筆されましたが、最終稿には達せず推敲が不十分だったこと等から発表が2012年となった作品で、「アルセーヌ・ルパン」シリーズの最終作となる作品、、、
その作品に「アルセーヌ・ルパン」シリーズの第1作『アルセーヌ・ルパンの逮捕〔初出版〕』と「ルブラン」のエッセイ『アルセーヌ・ルパンとは何者か?』、『バーネット探偵社』の英語版にのみ収録されていた『壊れた橋』を収録した一冊です。
■ルパン、最後の恋(Le Dernier Amour d'Arsene Lupin)
プロローグ
Ⅰ アルセーヌ・ルパンの先祖
Ⅱ カリュプソの洞窟
1 遺言
2 危うし、七億
3 新事実
4 ゾーヌ・バー
5 ココリコ
6 奇妙な男
7 救出
8 不可能な愛
9 敵の隙を突く
10 ルパンの財産
11 尾行
12 話し合い
13 潰えた陰謀
14 罠にかかる
15 対決
16 女が望むもの
≪付録≫
■アルセーヌ・ルパンの逮捕〔初出版〕(L'Arrestation d'Arsene Lupin)
≪付録/エッセイ≫
■アルセーヌ・ルパンとは何者か?(Qui est Arsene Lupin)
■訳者あとがき
≪特別付録≫
■壊れた橋(The Bridge that Broke)
『ルパン、最後の恋』は、「ルパン」が恵まれない子ども達のために尽力するという新しい「ルパン」像が示される冒険譚、、、
他の「ルパン」シリーズと同様に、ミステリー色は薄く、女性とのロマンスを絡めた冒険活劇風の展開でしたね。
子どもと達と協力して敵を追い詰めるシーン等、ワクワクできるシーンもあり、子どもの頃に読んだ「ルパン」シリーズを思い出しながら読めました。
アジトに仕掛けた、SF的とも思える奇想天外な機会仕掛けは非現実的でしたが… まぁ、ご愛嬌かな。
『アルセーヌ・ルパンの逮捕』は、1905年にフランスの月刊誌『ジュ・セ・トゥ(Ju sais tout)』に発表された「ルパン」シリーズ第1作の初出版の翻訳作品、、、
短篇集として刊行された際に大幅な改訂が加えられているらしいので、マニアには垂涎の的となる作品でしょうね。
女性から愛される「ルパン」… 正体が判明した際に女性が感じる愛情や憎しみ等、心の機微が巧く描かれていると思いました。
『アルセーヌ・ルパンとは何者か?』は、「ルブラン」がフランスの雑誌『ル・プティ・ヴァール(Le Petit Var)』に寄稿した「ルパン」に関するエッセイ、、、
「ルパン」誕生のエピソードや、「ルブラン」が「ルパン」に囚われの身になった経緯等が、本人の言葉で綴られているので、興味深い内容でしたね。
『壊れた橋』は、「ルパン」が私立探偵「ジム・バーネット」として活躍する『バーネット探偵社』シリーズの一篇、、、
本国フランスでは幻とされていた作品で、なぜか英語版のみに収録されていた作品(日本語版にも未収録)らしいです… 原文が残っておらず、英語版は早々に絶版になったとかで、長く忘れ去られていた作品とのこと。
一般的な「ルパン」シリーズでは、謎解き要素が少ないのですが、本シリーズは探偵モノとして謎解きが前面に押し出されている作品なので、推理小説として愉しませてもらいました。
「一切料金はいただきません」という看板を掲げ、依頼者から料金を受け取らないが、事件を解決する中で巧みに関係者から調査料以上の報酬を受け取る(ピンはねする?)という痛快なオチも健在でしたね。
少年の頃に戻った気持ちで読書できました。 -
ルブランの死後ずっと保管されていた最後の原稿が、死後70年の年にほかの作品とともに出版された。それが、この『ルパン、最後の恋』。
盗みや世間を驚かすことよりも、そのお金を何にどう使うかを考え、子供たちの教育や都市計画などを行っている40歳のルパンは、生涯最後にしてひとりの愛する人と出会い、これからの人生を変える決心をする。
正真正銘、「怪盗ルパン」としての最後の物語。
それにしても、この間読んだチェスタトンもそうだけど、この時代のミステリは「子供向け?」って思うような内容で長閑。 -
久しぶりに子ども心でハラハラドキドキさせられた
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ルパン・シリーズの未発表作品だった「ルパン、最後の恋」、ルパン・シリーズの第一作「アルセーヌ・ルパンの逮捕」の初出版バージョン、作者自身によるエッセイ「アルセーヌ・ルパンとは何者か?」、「訳者あとがき」、バーネット探偵社の未収録作品「壊れた橋」が掲載されている。
「ルパン、最後の恋」
ルパンと令嬢コラのラブストーリーを絡めながら、物語は進行していく。ルパンの父親であるルパン将軍にまつわるエピソード、レルヌ大公の自殺とその遺書の内容、金貨400万ポンドの盗難事件、さらわれたコラと金貨の追跡劇、ジョゼファンとマリ=テレーズによる尾行、レルヌ邸での捕獲劇、真の犯人との対決、最後の決断など、ルパン・シリーズらしいスピーディーな展開。追跡劇でのルパンの意外な登場の仕方や、事件の背景にある真の犯人の存在とその思想対決など、楽しめる要素もある。しかし、「訳者あとがき」にもあるように、展開が唐突すぎて、推敲不足という印象を強く受ける。恵まれない子供たちのために力を尽くす教師であったり、資金難に苦しむ科学者のパトロンであったり、「わたしの夢は、世界平和を打ち立てる助けになること」と発言するなど、新たなルパン像を示している点が興味深い。最終章で、ルパンは一大決心をする。
「アルセーヌ・ルパンの逮捕」
ミス・ネリーが最後に取った行為が印象的であり、謎でもある。
クルスティーの某有名作品のトリックを先取りしていると言える作品ではないだろうか。
「アルセーヌ・ルパンとは何者か?」
処女作の発表経緯、ポーに影響を受けたこと、主人公を泥棒とするうえで心掛けたこと、ホームズとの違いなどが書かれている。
「壊れた橋」
2つの家をつなぐ橋から老人が転落して、死亡。その橋には、のこぎりで切れ目が入れられていたという事件。フーダニットとホワイダニットの問題で、事件の様相が最後に反転するのが面白い。バーネットは相変わらず、ちゃっかりと私腹を肥やしていた。 -
裏表紙:(中略)著者が生前に執筆しながら封印されていた、正統アルセーヌ・ルパン・シリーズ正真正銘の最終作!
「水晶の栓」
「奇岩城」
なんて、おもしろかった覚えが。
「水晶の栓」
「奇岩城」
なんて、おもしろかった覚えが。
読み直したくなってきた
読み直したくなってきた