ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 早川書房 (2011年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (583ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151792557
作品紹介・あらすじ
宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた。
感想・レビュー・書評
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今回の上はなかなか動きが激しかった。
もしかしたら1.2.3の中で一番かもって
それほどの期待を抱かせてくれた。
これから起こるであろう
大きな戦いの予感を感じさせる
うまい盛り上げ方だ。
下に期待大だ(^^)/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作に続いて重傷を負って入院しているリスベット。弁護士以外の面会は認められず、公安からは口封じの為に精神病院へ入れられそうになりそしてそんなリスベットに必死に連絡を取ろうとするミカエルの活躍にはドキドキ。
誰が味方なのかホントに話していいのか?読み進めていくのもドキドキ。
今後裁判が始まってどのように反撃していくのが楽しみ。 -
アスペルガー症候群の天才ハッカー、リスベット・サランデルは因縁の父を追い詰め、次には国家的陰謀の犠牲者として狙われる。一方のジャーナリスト、ミカエルは殺された 同僚のための調査を続けるうちに「ザラ」に行き着く。両者の行き着く先は?
先日読んだ「ドラゴンタトゥーの女」が面白くて続編を読んでいったのですが、ミレニアムの2,3は続き物の話として読んだ方がよさそう。しかし(スウェーデンでは)一世を風靡したミステリだけあって読ませます。
2の「火と戯れる女」では主人公、リスベットが因縁の父を追い、その過去が少しずつ明らかになってきます。ここら辺はもう、この親父こそミレニアムシリーズのラスボスだろう、という展開なのですが、3「眠れる女と狂卓の騎士」ではあっさり殺されて本当の黒幕が明らかになってきます。リスベットをめぐる陰謀の輪や父親との因縁もここで明らかになり、最後は息もつかせぬ法廷合戦で盛り上がり、痛快な読後感を楽しめました。まあその先の読めなさとダイナミックな展開で本当に描きたかったことを見事に書き切ったのだな、という印象でした。面白かったです。
しかし本当に、作者がここまで書いて若くして亡くなってしまったのが残念でなりませんね。作者のスティーグ・ラーソンは元ジャーナリスト。スウェーデンとその周辺の社会が抱えるさまざまな問題を、本作を通して暴き出していきます。特に女性に対する暴力や差別がそのメインテーマとなっていて、全編を通じてマッチョな男性社会を告発していきます。細部に至るまで描写が行き届いたこれらの社会問題は、作者が綿密に取材を重ねてきたことを思わせて、ジャーナリストではできなかった仕事を小説という形で結晶化させたのでしょうか。根底に人としての自由と尊厳を簡単にカタに嵌めようとする国家や社会という集団への怒りが熱く流れているのがよく伝わってきました。
ということで読み応えも面白さも抜群の北欧ミステリーは一応ここまで。この先は別の作者が続きを書いていますが、読むかどうかは悩みどころです。
あと、ミカエルくんが特に必要性もなくモテモテなのは鼻につきます。 -
秘密を守る公安よりミカエルのほうが先手売ってるような気がするけど、下巻はどうなるのかなぁ。
政治難民のこととか知らないことだらけでした。
前作での挿話は数式が書かれていましたが、今回は女性兵士の歴史について恐ろしいことが書いてある。
前作に続き、食べ物の描写が気になります笑 -
映画化されアカデミー賞編集賞も受賞した作品。
世界的に売れに売れた本の一つだが、著者は最後まで見ることなく死去。
嘘には嘘を塗り固めるしかないのは万国共通らしい。
塗り固めて高さが出てくると、それを支えるのにも一苦労することになる。
その倒壊に巻き込まれることは、ただ事故以上のインパクトを受けることになる。
以下抜粋
- ふつうは百パーセントよい決断もまうずい決断もりはしない。きみが下す決断は、エリカ・ベルジュが下すものとは違うかもしれない。決める人間がぼくだったら、また違ってくるだろう。でもいまはきみの決断が雑誌を動かすんだ(P.192) -
シリーズ3作目。ひと段落したと思われた2作目は全然終わりじゃなかった。リスベットもザラチェンコも死なずに病院に送られることに。そして新たな陰謀が動き始める。しかし、ミカエルたち、リスベットを守ろうとする人々もいる。どうやって陰謀に立ち向かうのか。事件は政府も巻き込んでいく。面白過ぎて分厚い小説だが、読むのが止まらなくなる
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登場人物多くてパンクしそうになりながらもスムーズに読めるのは書き手のテクニックありきなんだろうな。
いよいよ次がラストかー。感慨深い。 -
ザラチェンコを襲い、その顔と足に斧を突き立てたリスベットだったが、頭部に弾丸を受け、病院へ担ぎ込まれる。
優秀な医師の処置により、奇跡的に生還したリスベットは、ザラチェンコの2つ隣の部屋へと入院させられた。
ザラチェンコも一命をとりとめ、お互い重症を負いながらも、互いの命を狙っていた。 -
3部作ついに完結。リスベットが過去とついに決別をはかる。やっぱりリスベットと言えばハッキング。今回もそれが遺憾なく発揮される。テレボリアンとの裁判での闘いは思わず胸が熱くなる。
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残念なのはリスベットが病院に閉じ込められたままなこと。
陰謀企てるおっさん達のスパイ大作戦は渋いし、デキるおばさま達は凛々しいけど…。
後半に期待します。