扉は今も閉ざされて (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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制作 : 小田川 佳子 
  • 早川書房 (2011年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151793011

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扉は今も閉ざされて (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 図書館で棚を眺めてて手に取った一冊。
    これはなかなか興味深い本だった。精神分析医に対する「被害者」の独白形式で進む物語だが、女性一人称にしては喋るんだけどぎりぎり喋り過ぎない、くらいで抑えられていると思う。
    聞きたがりの世間を嫌悪する主人公の告白を、でも聞きたい…という下世話な興味好奇心が読者をもドライブしているわけで、このへんとか、「犯人」の世界観とかは、たいへんに女性的だと思う。やな感じに(笑)。
    かなりミステリ的な要素もある作品だと思うのだが、仕立てがそうなってないんで、エンタメ?サスペンスなのかな。

    著者近影がすげー美人。実際に不動産業界で働いていてこのレヴェルの作品を書けてこの容姿、キャラ盛りすぎ注意である。
    これがデビュー作で、同じ精神分析医が出てくる(というかこの作品では聴き手ポジションにいるだけなんだが)第2作、3作もあるらしいので、読んでみたい。

  • 何の予備知識もなく、そこにあったというだけで選んだ本なのに、とっても面白かった。
    コレクター的な展開かと思いきやそうでもないのが良いです。
    個人的には、終盤の恋愛風味は要らなかった。

  • 女性にしか書けない話だと思う。女性に感想を聞きたいところ。

    個人的には嫌いな話の流れだったが、緊張感が途切れることなく最後まで持続するので途中で放り出さずに読了。

  • <あらすじ>
    ある日、わたしは誘拐された。独立した不動産業者として仕事も充実し、順調だった人生は、一変する。見知らぬ男によって山小屋に監禁され、暴力と歪んだ欲望にさらされる日々。しかし永遠に続くと思われた地獄から、奇跡的にわたしは生還した、はずだった……。極限の監禁生活を逃れてなお、主人公を襲う終わらぬ悪夢と新たな危険、そして衝撃の真相とは!? 怒涛の展開で読む者を震撼させる驚異の処女作スリラー。

    <感想>
    大抵のサスペンス・スリラー小説は、主人公が事件に巻き込まれ、解放されて物語は大団円を迎える。しかしこの作品は、事件が解決してから話が始まる。
    一年以上に及ぶ監禁生活から抜け出した主人公は未だに心に強いトラウマを抱えており、精神カウンセリングへの独白という形式で物語は展開していく。

    主人公が抱えるトラウマ、変わってしまった人間関係、かつての自分との外見的・内面的な変化。そういった主人公の変わりぶりが強い印象を与えてくる。全体的に陰鬱とした内容で、過去形で語られているにもかかわらず、読んでいて痛々しい。
    事件が解決したとしても、その話は終わりではない。むしろ被害者にとってはそこからが長い戦いになるのだ、というのが伝わってくる作品。

    ただ、結末がやけに前向きで、そこだけが若干気になった部分でもある。
    ただ話としてのオチはうまくついているとも思う。

  • 主人公一人の視点、語りで物語が進むので
    物語の中の/アニーのリアルが伝わってくる。
    時間があったので一気読み

  • スゴ本、認定!

    勝手ながら。


    物語はほぼ、独白の形で始まる。
    カウンセラーに語られる形式も一切無駄のない最小限のもので、
    第何回目のセッションか、とタイトルが付けられ、ひたすらに独白。
    他人は出てくるものの、他人の心象風景の描写は皆無。

    ところがそれが、一種異様な緊張感をこの小説に与えている。

    日本でいうところの不動産屋スタッフの女性が主人公。
    ある日、カレシとのデート前の最後の仕事で、モデルハウスを案内していると、
    最初は感じの良かった客が一転、銃を押し付けてくる。
    そのまま拉致され、監禁される主人公。

    どうして自分が?
    目的はいったい何?

    明日をもしれない運命におびえる女性に、誘拐犯は自分の子供を産むように強要する。
    そして、望まない出産。
    子供に愛情を感じ始める日々だが、あそこまで子供を望んだはずの男は一変、
    子供を疎み始め、病気の子供の世話をしようとする女性を妨害し始める。

    最初に女性がカウンセラーと会っているため、彼女が生還したこと、
    子供は彼女とは一緒にはいないらしいことなどは、冒頭から読者に示されている。

    ところがカウンセラーに話される彼女の話は細切れで、
    かつカウンセリングの間に、空き巣犯が出現したり再びの誘拐未遂が‥

    犯人は単なるストーカーなのか?それとも複数犯?
    彼女の周りで彼女を気遣う友人、彼は本当に誠実なのか?
    彼女を救った警察官、その正体は?

    ノイローゼ気味の彼女の独白は被害妄想気味で、
    それが最後の最後まで犯人の狙いと実体をわからなくさせている。

    翻訳の妙で、さくさくスムーズに読めた。
    最後の数ページは、犯人の自己愛と身勝手さに、もう一度戦慄。


    キャリーのような思い込み型犯人を描く傑作はたくさんあったが、
    ここまで徹底的に被害者の妄想世界で織りなされる作品は初めて出会った。

    最後のページまで、まったく誰も、信用できなかった。
    よくジェットコースタームービーと言うけれどこの小説はさだめし、
    目隠しで迷路に放り込まれた感覚。
    とにかく不安。落ち着かない。ささくれ立った感触がずっと続いた。

    いやー、秀作。
    唯一文句があるとしたら、この邦題かな。
    原題は、still missing.
    まだ行方不明、という意味と、失ったままの二つの意味にとれる。
    心のドアが閉じたまま、というよりは彼女はまだ、
    失ったものを取り戻していない、というほうがより正確な気がする。

    いやでも、これがデビュー作とは!脱帽!

  • 一人称で語られる分、恐怖も大きかった。ちょっと読んだことのないミステリ....。虐げられて変わっていく女性をうまく使ってるなあと思う。作者のせいなのか翻訳のせいなのか、??と感じる表現もあったけれど、これが処女作なら次回も楽しみ。

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