特捜部Q-カルテ番号64-(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-6)

  • 早川書房
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151794568

感想・レビュー・書評

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  • 『特捜部Q』シリーズ第4巻の完結編。渦巻く新進政党絡みの陰謀、言葉に言い表わせない程の悲惨な過去、ニーデは復讐を果たせられるのか?カールに魔の手が?息つく暇もない展開で読者を魅了するシリーズの傑作❗

    ドキドキ度やハラハラ度は、もしかしたら『Pからのメッセージ』の方が上かも知れませんが、ミステリーなのにデンマークの文学賞を受賞したのは、何だか納得できる気がします❗

    シリーズを読み進めるにつれ、ますます特捜部Qメンバーのみんなに愛着を感じさせる、稀有な海外警察小説です♫

  • 過去の未解決事件を洗い直す特捜部Qのローセが見つけていたのは、20年以上前に起こったエスコート・クラブの経営者リタの行方不明事件。同時期に5人もの失踪者がいることに気づいたカールたちだが……→

    ニーデが……いいんだよなぁ。応援したくなる。
    相変わらず加害者側に苦しい描写はあるし、今回は実在した施設をモデルにしているから色々考えちゃうけど、それを中和してくれる特捜部Qメンバーよ。カールの周りではオンオフ問わず事件だらけだし、ローセの裏側が少しだけ見えて、なるほとなぁ、と→

    なったり、あと、アサド!!アサドの謎感が深まり続けるんですがぁぁ!!(笑)
    いやもう、今からシリーズ後半の「アサドの祈り」が楽しみすぎる……全て明かされるのかな……?

    ヤコプスンやラウアスンが今作もしっかり活躍してくれて嬉しい。
    あと、ミカ、最高!ハーディがいい方向に進みそう!

  • クライマックスが下巻全部です。
    もう次はどうなるのか?彼は?彼女は?とページをめくるのが止まらない!
    ニーデの過去も壮絶ながら、ラストはあんな形で良かったのか疑問に思いました。神のささやかな救いだったのか。できればニーデには幸せになって欲しかった。
    クアトにはもっと壮絶な最期を迎えて欲しい気もあったけど、この終わり方がきっと北欧ミステリーであり、特捜部Qらしさなのかもしれないです。政治犯は彼等の捜査対象外ですから。
    女性収容所が実際にあって、不妊手術が行われていたというあとがきが下巻での一番の衝撃でした。
    人種差別、人権侵害を平気で行う、クアトのような人間が過去にいたのなら、今もいるのかもしれないと思うのは心配のしすぎでしょうか。
    次回作がなかなか書店では見つからないのでまたAmazon発注かな。

  • 2019.07.10.読了
    長編好きの私ですが、特捜部Qはなんだか途中で飽きちゃうんですよね。読了後疲れてる。
    意気揚々と読み始めて下巻に入るとだいたいだる〜くなる。この作品は兎に角登場人物と事件がごったになっちゃって、最後に挨拶に来た人がなんてなんの事件だったか?忘れちゃってました。
    あの妹って、なんだっけ?マジで薄っすら記憶にある程度。
    でも、だからって最初に戻ってなんの事件だったかなんて調べる気力はわかないんです。大した事じゃないやって感じで。
    本作は詰め込みすぎだと思います。
    日本人にはカタカナの長〜い名前は覚えづらいししょっちゅう登場人物欄をチェックしながらじゃなくちゃ読めない。その上、事件がいくつも重なるから、ここはどこ?あなたはだれ?状態に陥ります。
    サラーッと読みましょう

  • (上巻より)

    変人アシスタントその1のアサドが、
    自分からのりこんでいったとはいえ、
    また死にそうになっていてかわいそうじゃないか、
    と思っていたらカール刑事も死体と一緒に二晩も過ごすというひどい目にあっていた。

    カール刑事は離婚できて一応良かったし、
    ハーディは回復の見込みが出てきて良かった。
    でも、アサドの謎も、カールが同僚を失った事件の謎も深まるばかりで、
    なかなか進まないのが不満。

  • 最後まで読んで、この小説に出てくるスプロー島の女子収容所が実際にあり、1967年まで稼働していたという事に衝撃を受ける。
    民族衛生法?優生法?
    誰が何を決めるっていうんだろう。どれだけおこがましい事を。
    ただ、これは、デンマークだけの問題ではなく、多くの国でうたわれていた法律であるのも間違いはない。
    人間とは、どれだけあさはかなのだろうか。

    というかですね。
    なぜ、女子にだけ、そういう事をやって、
    もっと問題になってもいい男子の方をパイプカットするとかにしないんだ!!!
    やるんなら(いや、やっちゃいかん!いかんのだけれども)平等にしろや! 
    本当に、この差別主義っていうのは、自分に自信がない人々がやっている、あさましい事なのだとつくづく思う。
    いつの世も、多かれ少なかれ、差別はいまだはびこっているわけで、女子だというだけで、馬鹿にされ、職業で差別され、学歴で差別され。
    その職業がなぜ「偉い」とその人が思い込んでいるかは、世間がそうさせているのもわかるわけで。
    だいたい、大人の男っていうだけで、女性や子どもに対して暴言吐く人も多く、脳味噌どうなってんだこの人は?と思わされる場面にもよく出会う。
    正論で返すと余計に怒鳴るんだよね、こういう人・・・。
    脱線しましたが。

    いやー
    最終的に、あの組織?政党?は、壊滅状態に追いやる事ができたので、それはいいんですけれども、
    アサドの体は大丈夫なのか心配なので、はやく続きを読まなくてはいけないな・・・。
    カールもよく無事で・・・。

    ものすごい終盤で明かされるニーデがニーデじゃない件。
    あれだけ丁寧に、ニーデが企んだ復習が書かれていて、最後の一人についてがなかなかこないなーと思ってたら、そういうことか!
    いや、本当に、やられまくりです。

    特捜部Qの、嗅覚恐るべし。

    次の物語で、きっと、
    アサドの件(体の事もだけど、謎に包まれてる部分)
    アマー島での釘打ち事件
    いとこのロニーの件
    進展あるんですよね。
    気になる気になる。
    あ、バズ・・・もどってきたけど・・・それも・・・どう転ぶ?

    あ、あと、トイレの使い方について、ローセに賛成!!!(147頁から149頁のやりとりwww)

  • 優生思想や強制不妊というおぞましい事件を、過去と現在から暴き出す。原作は本当に、本当にあまりにも酷い。おまえらは何様なんだ、という憤りに駆られる。
    特捜部Qの結束(?)も強まり、アマー島での事件もゆっくりとだけど進展を見せ、ますます目が離せない。

  • シリーズ第4作。何故か順番に読んでないけど。何度読んでも思うが長い。けれど、それもストーリーの複線であるけれど、翻訳の問題かなぁ。

    テーマは、いわれのない差別、根っこはナチズムであったり、魔女狩りと同じ。この国だけの問題ではなく、世界の凡ゆる国で、過去も今もそして将来も起こり得る話。自分も含め少しでも多くの人がこのような価値観を持たないコトを思いたい。
    哀しいのはこういった価値観が人の心の闇にあること。

  • このシリーズのメインテーマなのかもしれないが、今回も「復讐」がストーリーの中心となっている。
    そこに優生思想が織り込まれ、過去と現在を行きつ戻りつ、展開していく。

    復讐に社会問題とテーマは重いがキャラの立っている登場人物たちがストーリーをテンポよく引っ張る。これだけの個性的なメンバーをうまく束ねて最後まで持っていく著者の筆力は素晴らしい。

    シリーズも4作目になるとキャラに依存した中だるみが心配されるが、杞憂のようである。

  • 1月-8。3.5点。
    20年以上前の、哀しい女性ニーデの復讐劇。
    過激思想の政治家との対決。上巻はサイドストーリーが幅をきかせていたが、下巻はメインが一気に進む。
    安定した面白さ。ラストのどんでん返しも鮮やかだった。
    次作も期待。

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