マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152035530

感想・レビュー・書評

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  • 合田の刑事としてのカッコよさと、人としての不安定さが見ものだ。合田は時々、はげしく感情がぶれる。人間的に未完成なのがまた魅力的だ。
    加納兄弟の存在は、合田を不安定にし、また支えているようだ。
    内容としては捜査の段階が非常に長く大変だったが、事件の真相が知りたかったため、あきらめずにじりじりと読み進んでいった。
    結局、真相は明らかになるのだが
    元々の事件は、社会的な地位を守りたいがためのエゴ的な犯罪だったことがわかる。その思惑が大きなうねりとなり更なる悲劇を生むことになる。
    きっかけがきっかけなだけに、なんとも悔しく悲しい。
    合田の最後の怒りももっともだと思うのだ。
    また、最後に水沢が見せる涙が悲しい。
    しかし、水沢はマークスを乗り越え、救われたと思いたい。

  • 目次
    一 播種
    二 発芽
    三 成長
    四 開花
    五 結実
    六 収穫

  • 現場の張りつめた空気が最後までゆるまず、読むほどに迫ってくるものがあった。警察内での対立、軋轢、競争、人間模様が精緻にリアルに描かれており、いつの間にか心は物語の中に。心の葛藤は他人事には思えず激しく共感。

  •  先に映画を観てしまいました。まあまあおもしろかった。とは思いましたが、筋より、細かなディティールの方に気をとらわれて、いまいちという判断。本の方がおもしろいのに、頭の中に映画のシーンが・・・残念です。

  • ミステリーとして読むとつまらない話の展開だった。ミステリ^をはずして山登りのことだけ書いてくれた方が面白かったかも

  • 昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生。

    とにかく長くて、合田さんのくだりを読んでるうちに口なし岩や佐野さんのことを忘れちゃいそうだった。一か月くらいかかった。
    でもストーリーは面白くって、長くてもどんどん読めた。

  • ハラハラドキドキ…
    一気に読んだ~

  • 文庫と比較のため読了。本当にかなり改稿してるんだなぁとびっくり。
    水沢や真知子の人物の描き方が全くと言っていいほど異なっていて、単行本の方がより読者としては感情移入しやすくキャラクターとしての位置づけがはっきりしてるという印象は持った。
    文庫は少し離れた所から見ている冷静さみたいなものが多々あるかなぁ。
    貴代子に対しての合田さんの想いが結構語られてるのにもまたびっくり。
    登攀中は単行本の方が迫るものがあったが、最後の1ページは山の美しさが際立った文庫の方が余韻としてはよかった。
    義兄弟の描写も好きなんですけどね…。

  • これを読んで高村薫が大好きになり、照柿でがっかりし、神の火で再び大好きに。

    ラスト数十ページの疾走感のために読む感じ。
    改訂版より初版のこっちのほうが好き。

    生き返らんのか・・・・で号泣しました。

  • 権力の内部で、うごめく刑事たち。
    若者の遊び心のために、
    どうもよくわからない部分がでてきてしまう。
    もう少し登場人物を整理してみることが必要。

    「権力」内部の葛藤。
    そして、キャリアでない人々の苦悩。
    刑事たちの確執などその側面を描くのがうまいように思える。

    合田、森、吾妻 などは、生き生きしている。

    事件の断片をうまくつなぎ合わせていく。
    しかし、水沢がなぜ マークスをゆすろうとしたのか?
    そして、次々に殺人をくわだてていくのか?
    そのことに対する説明が希薄である。

    緻密であるが、実にねっちりしている。
    そして、さわやかさがない。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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