- Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152035547
感想・レビュー・書評
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アインシュタインの夢
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タイトルを見て、読みたいと思った。伝記的なものかな、と思っていたが、アインシュタインが時折り出ては来るものの、「時間」を考察した「物語」だった。時間の捉え方がたくさんあって、さすが理学博士が書いた物語だ。
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30通りの様々な時間の世界は、実はこの現実の時間を30個に分けたものではないか。時間は人によって、一定だったり、早くすぎたり、遅くすぎたり、止まっていたり、過去にさかのぼってたり、未来がなかったり、未来が見えたり、それはどれも全て一人の真実の時間なのだろう。
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2010.01
特殊相対性理論の論文完成前の二ヵ月半、時間の概念にとりつかれていたアインシュタインが夜ごと見たかもしれないさまざまな時間に関する夢を、ショート・ショート形式で描いた作品。
「時間が絶対的な存在である世界は、慰めの世界である。 ~中略~ 人々が思い悩むあいだも、時間はうしろをふりかえらずに先へ進んでいく。」
「この世界の悲劇は、苦しい時代にくっついていても、喜びの時代にくっついていても、だれひとり幸福でないことだ。 ~中略~ 過去の人生を現在とわかちあうことはできない。時間の中で動きがとれなくなった人びとは、それぞれの孤独の中にとらえられている。」 -
書評を見て気になっていた直後に、高円寺の古本屋の100円ワゴンで見つけて、思わず購入。
特殊相対性理論の完成を目前にしたアインシュタインが夢で見たかもしれない、時間があらゆる様相を見せる幾つかの世界についての短篇集。
映像の思い浮かぶようなせつなく美しい情景を、詩情溢れることばで描いていて、わたしは、時間についてますますわからなくなりました。 -
定価1500円から7割引。
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大好き且ツおすすめの本。
時の存在と概念、それと密接な、人生への態度について。
描かれるさまざまな時間の仮定は、この世界を生きている事実を考える糸口になる。
それらを自分の生きる世界に当ててみるほどに、映画のような、擬似の世界の奇妙さを愉しむことができます。