- Amazon.co.jp ・本 (619ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152079664
感想・レビュー・書評
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2054年タイムトラベルが歴史学研究に活用されている時代。お城とお姫様と騎士に代表される中世に向かう史学部生のキブリン。しかし1320年に向かった直後にタイムトラベルを担当したエンジニアは倒れ、キブリンも到着後高熱を発して意識混濁状態となってしまう。果たして生還できるのか?という米国TVドラマぴったりのお話しなのですが、そんな軽いものではありません。中世は小氷河期、疫病の時代でもあり、その描写のリアルなこと。今このタイミングで読むと恐ろしさ倍増。日本の時代劇もリアリズムを追求して描けないかな?どうも良き時代の演出が過ぎるようなものが多すぎ。
それにしても5歳のアグネスが愛おしい。泣ける。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイムトラベルは歴史好きの夢だけど、中世はしんどいよねー。
キヴリンはちゃんと現代に帰ったのかな。ぼやかした終わり方。苦しかったよね。お疲れ様。
2054年、タイムトラベルが出来る時代設定なのに、スマホは存在してなくて、電話が繋がらず右往左往してるのはちょっと面白かった。SF作家といえどもこんな世界は想像できなかったんだろうなあ……みたいな。 -
近未来のOxfordから、歴史の実地調査のため1320年へ飛んだ歴史学科の学生が、手違いで1348年(おお!)に飛んでしまい……という時間ものSF。雰囲気もまあまあいいし、人物の描き込みがすごくよかった(特にローシェ神父とキヴリン)。けっこう調べてはあるなという感じはしたけど、何となく中世のOxfordshireの農村という「風景」が見えないのが物足りないというか変だなと思っていたら、アメリカ人だったのね。ま、仕方ないか。
とても面白かったのだけど、やはりアメリカ的というか……ラストも、あそこにストンとはまってしまうところが、よくも悪くもアメリカ的かなと思う。単純で前向き、問題を残さない。でもほんとに、人物とかとてもよかった。 -
ネビュラ、ヒューゴー、ローカス賞のトリプル受賞作品。
この作家にとっては、珍しくない。
それくらい、面白い。
すごく長いけど、無駄がない。
シリアスもユーモアもたっぷり。
史学部シリーズはかなり堪能した。
最後の中編、味わいにいこうか。 -
長い!でも面白かった。
目当ては「犬は勘定に入れません」なのだ。 -
航時史学生シリーズを読み始めるなら今作から(または短編「見張り」から)をおすすめする。続作に比べて、ネットのしくみ等が比較的丁寧になされているので。
他シリーズよりも読後感や一作としてのまとまりが良い気がする。前半は未来パートが気になってしょうがないが、後半は一転して過去パートが加速し、いずれにしてもページを繰る手が止まらない。一度読み終えた後は、冗長に思えた全編が輝きを放つようになる。再読必至。 -
途中むずかしかったりもしたけどそれでもおもしろすぎるしすごすぎる。
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ブラックアウトとオール・クリアを制覇した勢いでこのシリーズの最初のこの本に挑戦。
結論的には、同じ感想。最後まで行って、ようやく面白かったと思えるのだけど、とにかくこれも冗長。1/3でもっと面白く書ける火がいくらでもいるよねえ~。
話としては、バンデミック物なんだけど、ハンパじゃない。
と文句ばかり云いながらシリーズのもう1冊も読むんですよねえ・・・