干し草のなかの恐竜 下: 化石証拠と進化論の大展開

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152082992

作品紹介・あらすじ

伝えたいのは、「進化は進歩ではない」こと。つねに変化し、新しく生まれ変わる進化生物学の現在をあますところなく語る。生物の多様性を礼賛するグールドの科学エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 2000年刊。上下巻中の下巻。

     余りにも広範囲なテーマを叙述するので、絞り込み不足の感はあるが、それも連載エッセイの集積だからだろうか。
     基本的には、古典的ダーウィニズムへの批判を基軸に据えた書なのだろう。
     それは、例えば孔雀の羽の進化的意味(性淘汰仮説)、社会性昆虫(蟻・蜂)の子孫形成の特徴(群淘汰仮説)を叙述し、あるいは古典的優生学への批判的言動から伺いうる。

     まあでも、諸言語の発展形態を進化論など生物学的知見で説明しようとするなど、少し首を傾げるところもないではない。

     そして人類の性差論にも若干言及。
     もとより、生物学的に人類が性差二型であることは否定できないのは確か。一方で、そのような性差が社会的・制度的差別を正当化するものではないというのが原則であるということも当然である。
     ただし、生物学的性差がないことを言及するにあたって、学界において、性差を否定する論文が公表されにくいという説明、すなわち、生物学的説明をすっ飛ばした言及は、流石に説得力という面で、どうかなぁと言いたくなるところ。

     とはいうものの、「進化」の前後で、前よりも後の方が優れているとは限らないことを明確にする著者の言に納得することも多いのは確か。
     つまり環境適応性の如何、優劣は、ある時代の、ある地域における特定の環境との対応関係で決まるだけなのだ。ゆえに進化は必ずしも優劣を定めるわけではないというのは納得できるのだ。

  • 第5部 博物館賛歌
    第6部 優生学のばらばらな顔
    第7部 進化の理論、進化の物語
    第8部 リンネとダーウィンの祖父

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