太陽の簒奪者 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 160
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152084118

作品紹介・あらすじ

西暦2006年、突如として水星の地表から噴き上げられた鉱物資源は、やがて、太陽をとりまく直径8000万キロのリングを形成しはじめた。日照量の激減により破滅の危機に瀕する人類。いったい何者が、何の目的でリングを創造したのか?-異星文明への憧れと人類救済という使命の狭間で葛藤する科学者・白石亜紀は、宇宙艦ファランクスによる破壊ミッションへと旅立つが…。星雲賞・SFマガジン読者賞受賞の傑作短篇、待望の長篇化。

感想・レビュー・書評

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  • テンポよく話が進むファーストコンタクトものSF。
    人間とは異なる社会性を高度に発展させた異星人の設定が好み。

  • ・水星の異変に最初に気づいた一人である白石亜紀はその生涯のほとんどをそのことを発端とした一連のできごとに費やすこととなった。
    ・水星の異変は宇宙を渡る知的生命体がとある目的のためになしたと予測されたが彼らはなぜか地球からの働きかけを完全に無視しているようだった。
    ・アリやミツバチとか植物とかが進化して群れ全体が一個の生物、あるいは脳となった知的生命体と果たしてコミュニケーションとれるのかとかはずっと考えてた。「マクロス・フロンティア」のバジュラとか「ガンダム00」のELSとか。そんな感じの話かなあ。

  • #日本SF読者クラブ 「SFが読みたい! 2003年版」国内篇ベスト1。短編版(2000)と長編版(2003)の双方で星雲賞を受賞。地球から日射を奪う謎のリング。誰が何の目的で構築したのか。その謎に主人公白石亜紀が人生をかけて挑む。
    SFマガジン掲載中から注目して読んでいた。その掲載作を加筆し長編化した作品だが、4Hの先を尖らせた鉛筆で書いたような味わいがある。泣かせる場面もあり、野尻氏の作品では一番好きかも。

  • ベストSF2002年1位

    【要約】


    【ノート】

  • ハードなSFで痺れました。生命体の描写は好みが分かれるところかもしれません。それに至るまでのリアルな、もしくはリアルっぽい宇宙科学の描写からの流れですんなり受け入れられるかどうか。

  • 太陽に突如リングが形成され、そのリングを作っている異星人と地球人の戦いという感じです。
    リングに対して無力であった人類が一矢報いることで、急速に技術発展していきます。
    そして、リングを形成していた異星人が太陽系に到着し、その進化した技術で迎え撃とうとします。
    しかし、切り札となっていた異星文明の兵器は…。
    異星人が太陽系に到着した痕の目的は…。
    古典的SFをベースにして、現代の技術や世界観を乗せた感じで、読みやすかったです。
    異星人サイドの状況は、ナノマシンと通信への応答から、容易に想像できました。
    そのあたりが、いわゆる古典的SFなんでしょうね。
    著者の経歴も面白くてCADプログラマからゲームデザイナーへ、そしてゲームのノベライズで小説家デビューとなっています。
    だからなんでしょうけど、そのままゲームに持っていけそうな感じの小説でした。
    面白かったです。

  • 水星の異変に気づく冒頭から、どんどん話に引き込まれていく。ラストに至るまで全く飽きさせない。

  • これぞ日本SFなんだなあ、と思います。「かめ探偵K」読んだあとだったからより衝撃を受けたww実に面白い。

  • 水星から吹き上げられた物質が太陽を取り巻くリングとなり、太陽光を遮ったために、破滅の危機を迎えた人類。人類救済のために主人公は飛び立つ。
    異星文明との交流への憧れと、自身(人類)の存続で悩む主人公。そして、ついに異星文明は姿を現す…。
    「星を継ぐ者」とはまた違った観点の異星文明SF。


    恐怖、期待をどうしても被せて思考してしまう、自身の知識の及ぶ範囲で物を考えてしまう、そこを越えることの難しさを感じた。
    「真実をつきとめるんだ。ビルダー(異星人)を好きになってもいけない、憎んでもいけない」というラウルの言葉が印象的。

  • 何年か前、突然SFを読みたくなった。それも、堀晃のようなハードSFが。そこで買ってきたのがこの本だった。
    SFという分野はとても幅が広い。完全に異世界を描いた作品もあれば、いわゆる「すこし不思議」なSFもある。
    この『太陽の簒奪者』をとても面白く読んだのは、おそらくとても現実感あふれる高校の天文部の活動を描写した冒頭に始まり、それが水星上の不可思議な建造物の謎を経て地球外生命体とのコンタクトにまでつながっていくという、なんだか自分の足元から遠い宇宙空間まであたかも地続きであるような感覚を抱いたからではないかな。

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