ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
- 早川書房 (2002年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152084378
感想・レビュー・書評
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20世紀のサブカルへのリスペクトがめちゃくちゃ感じられる。地球の未来を舞台にした不思議な設定だけれど、後書きにもあるとおり、泥臭さと疾走感は大脱走。
楽しめる作品。錆びた太陽もくすっと笑える登場人物と突拍子もない設定だったなあ、と蜜蜂と遠雷のあとの振り幅にさすが!と思ったのを思い出した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作家デビュー10周年記念作品。
Cover Direction & Design / 岩郷 重力+WONDER WORKZ。
Cover Illustration / おがわ さとし
初出 / 『SFマガジン』1999年3月号~2000年6月号、大幅加筆訂正 -
やたら荒廃してしまって旧地球に取り残され後処理させられてる日本で大東京学園に入学し卒業総代となると生涯の安定を得られる。アキラは兄のオサムが伝説的脱走をしたことに興味と疑問がある。仲良くなった美貌と稀代の身体能力を持つシゲルは姉がいて、卒業総代になれば彼女が救えるらしい。23区の名があてがわれたクラスの中脱走を試みる者が落とされる新宿に落ちたアキラは仲間と脱走を試みる‥‥
いやー面白かったです。随所に散りばめられているサブカル小ネタがどこまで解るかがポイントでしょうか。サブカルを排除した世界だから尚のこと。中央フリーウェイとか力道山なんて若い子知らんぞ笑
軽い筆致でスピード感溢れる読書。二段組の長さなどまるで気にならず全力で駆け抜けます。爽快。ラストの整合性は疑問が残るが、読んでる最中とても楽しかったので気にしない。
シゲルが持つアキラへの友情が健気で萌ゆる。
十二章題が「太陽は夜も輝く」でドキッとし、更にその中のアタミの「蓮の花だって、泥の中から綺麗な花を咲かす」という発言に冨樫のインタビューでの発言を思い出しました。両方、恩田さんの方が早いのすが、偶然の符合にワクワクしました。深読みすぎかな^_^; -
面白かった。昭和の流行っていたものが、いろいろ出てきて懐かしい。昭和時代が長い年月だったというのもあるけれども、戦争からバブル時期まで、ほんとにいろいろあったんだよね。戦後70年の節目なので、最近は戦争のことばかり話題になるけれど、こういうのもあっていいよね。
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最後のオチがいまいち・・・
が、途中までは★×4か5の勢いだったので、そこをきっちり自分を騙し込めばいけるw
なんだか、浅田次郎の「王妃の館(上)」「王妃の館(下)」を読んでいる気分でした。そういえば、この人「ドミノ」とか書いてたのよね・・・。納得。
これは、とにかく笑ったモン勝ちです。
怒涛のサブカルをご堪能ください。 -
恩田さんの作品にしてはめずらしくオチが好き。20代以上は笑える小ネタがたくさんです。
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はじめ分厚くて文字も2段になってたので、飽きずに読めるかな?と
ちょっと不安だったけど、読み始めたらサクサクと読めた。
「大東京学園」からの脱出劇を軸に20世紀のサブカルチャーが
盛り込まれてたりして面白かった。 -
なげえよ!!!て思うかもしれないけれど、ふつうに「ネバーランド」とかの作風が好きな方なら読めると思う。
そんなにSFSFしてない。
お得意の「学園もの」です。 -
20世紀の最後(1999年3月~2000年6月)にSFマガジンに連載されたSF長編作品。
恩田陸さんらしくないというか、恩田陸さんがこんな作品も書いていたんだというか、非常に異色の作品。
日本人だけが地球に居残り、産業廃棄物の除去に追われる近未来を舞台に、エリートを育成する「大東京学園」への入学試験を勝ち抜いたアキラとシゲルの闘いを描いている。
20世紀へのオマージュとして、アメリカ横断ウルトラクイズやDJの赤坂、ミッキーマウスなどが醜悪なほどデフォルメされて「汚れた地球」を彩っていく。
「バトル・ロワイヤル」みたいというレビュアーもいていますが、そこまでの醜悪さはなく、エンタテイメント色が残った作品と感じました。 -
えーオチそれー?っていうのが素直な感想。乱雑で俗っぽい、だけど活気に満ちた時代へのオマージュ。70年代前後の方なら色々と楽しめる、気がする。