ミドルセックス

  • 早川書房
3.91
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本棚登録 : 132
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (733ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152085542

感想・レビュー・書評

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  • 圧巻。
    ものすごい力量で、めっちゃめちゃ面白かった。
    私もういたもん、その場に。
    三世代と一緒に過ごしたもん。
    この目で見たもん。
    そう言いたいくらい迫力の描写だった。
    主人公も祖父母も過酷なものを負っていて、ウエットにしようとすれば幾らでもびっしょびしょにできるのに、語り口は一貫してドライでユーモラスなのもとても好み(訳も上手い!)。
    ほとんど一つのようだった二人が分裂してまた寄り添って、その孫は一人の中に二つを内包しつつ引き裂かれ。
    どちらも旅の果ては楽園ではなかったけれど、猥雑な生が美しい。

  • 3.91/117
    内容(「BOOK」データベースより)
    『デズデモーナとレフティーは姉弟でありながら、深く愛し合っていた。1922年、ギリシャとトルコの戦争で村が壊滅し、二人はいとこ夫婦を頼りにアメリカ、デトロイトへ夫と妻として渡る。やがて、二組の夫婦の子供、ミルトンとテッシーが惹かれ合うようになる。1960年、そこに生まれた待望の女の子がわたし、カリオペだ。車産業が隆盛を誇る街デトロイトで、祖父が始めた食堂を父が繁盛させ、わたしは大事に育てられた。女子高に通うようになったわたしは、自分の体つきに悩み、ある同級生への熱い想いに苦しんでいた。そんなある日、自分がふつうの女の子ではないことを知ったわたしは、激しい衝撃を受け、家族のもとを飛び出すが…。あるギリシャ系一家で紡いできた稀有な歴史を壮大に描く、現代の神話。女と男、二つの性を授かった一人の人間の数奇な運命を描くピュリッツァー賞受賞作。』

    冒頭
    『わたしは二度生まれた。最初は、一九六〇年一月、デトロイトでは稀なスモッグの晴れた日に、ゼロ歳の女児として。そして、次は、一九七四年八月に、ミシガン州ペトスキー近くの救急処置室で、十代の少年として。』


    原書名:『Middlesex』
    著者:ジェフリー・ユージェニデス (Jeffrey Eugenides)
    訳者:佐々田 雅子
    出版社 ‏: ‎早川書房
    単行本 ‏: ‎733ページ
    受賞:ピュリッツァー賞(2003年)


    メモ:
    ・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」
    ・一生のうちに読むべき100冊(Amazon.com)「100 Books to Read in a Lifetime」
    ・オプラ ブッククラブ『Oprah's Book Club』

  • 疲れた~~
    ここまで長い必要ある??
    夢中になっても難しい
    いいお話なんだと思う

  • 近新婚の果ての…みたいなある意味SFというより医学ものだったんやな……

  • ジョンアーヴィングの本を読んでるみたいだった。彼の本は、手術後の傷痕を見せられながら、手術されてる様子を念入りに説明してくださるようで、苦手というか疲労する。読むのに気合いがいる。そんなアーヴィングの文章の中に血や汗しっこが練り込まれているのに対し、こちらは濃厚なわきが。
    親子三代の人生劇場。祖父母の生まれたギリシアの食文化に興味が沸いた。ギリシア正教会は肉食を禁じているため、野菜や魚介類を多く食べるそう。基本はオリーブオイル、トマト、乳製品みたいだな。

  • この本は全ての登場人物が丁寧に書かれていて、デスデモーナが蚕箱を持って戦争の最中にアメリカにわたり、自家製ソーセージやパンなど素朴な生活を一生懸命送る様子や弟が姉を愛しやがて妻とし、老いてからは再び姉さんと呼ぶなど、他人事とは思えない愛着を持ってそれぞれの人生が描かれている。戦争や恐慌に翻弄される一般市民も一人一人近寄ってみると、近親婚だったり、両性具有だったり。長くて重くて読むのが辛かったけど、印象が強く残り、読んで良かったと思える本。

  • 「ヘビトンボのきせつに自殺した五人姉妹」のジェフリー・ユージェニデスの2作目。
    語り手である主人公は両性具有者。主人公が産まれるまでの三世代に渡る物語が描かれている。長い世代をまたぐ物語が少し「百年の孤独」を連想させる大河ドラマとなっております。この長い物語をほぼノンストップで読むことができたのはやはり物語の面白さだろうと思いました。
    ただ、肝心の主人公が苦悩するエピソードは物語のほんとうに終わりかけに出てくるので、前置き長く感じられた。それから、主人公の一人称で描かれた小生なんですが、明らかに誰も見ていないシーンや他人の心理も堂々と描かれているのが気になりました。

  • 本の厚さや馴染みのないギリシャ語の名前に戸惑いつつも最後まで読めてしまうのは、やっぱり物語に力があるからなんだろう。両性具有者である語り手の人生も興味深いけれど、それよりも祖父母から始まるこの一家の大河小説って読み方が合ってるんだろうな。

  • 男でもない女でもない体。そんな人の気持ちなんか絶対わからないし、そばにいたら困惑するだけだと思うけど、作者はよく書いたなーってかんじ。親子三代に渡って受け継がれた血。長いはずの物語だけど、本当うまく書けてる。最後が幸せな感じで救われる。

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ジェフリー・ユージェニデスの作品

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