- Amazon.co.jp ・本 (782ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152087492
作品紹介・あらすじ
はるか数千年もの未来、地球化された火星のオリュンポス山のふもとに住む学者ホッケンベリーは、イリアムの平原でギリシア神話の神々や英雄たちがホメーロスの『イーリアス』さながらに戦うトロイア戦争を観察していた。神々にナノテクで復活させられたホッケンベリーは、この戦争の記録をとらされていたのだ。だが、彼は思いもよらぬ使命をある女神からさずかる。地球でわずかに生き残っている人類は、仕事も学問もせず、衣食住のあらゆることを自動機械の下僕たちに任せ、享楽的な生活を送っている。この世界の仕組みに疑問をもった男ハーマンやその友人アーダとディーマンは、世界の謎をつきとめるべく旅に出た。木星の衛星エウロパに住む半生物機械モラヴェックのマーンムートは、イオのオルフらとともに、火星探検隊の一員として、火星へと向かった。地球化された火星で起こっている異常な量子擾乱の原因を調査しようというのだが…。「ハイペリオン」四部作で人気のシモンズが、ギリシア神話とSFをみごとに融合させた二部作の第一弾。ローカス賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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【要約】
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【ノート】
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久々に再読。やはり最高。しかしハードカバーだもの、重いったらw
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地球、火星、木星、ギリシャ神話、人工知能、トロイ戦争、シェイクスピア、プルーストなどごった混ぜの大長編。
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ギリシャ神話の世界とはるかな未来の地球や火星がいろいろ交錯する長大な物語。いちおう読み終わったけど、最後で話が終わらず続編に続いています! これもかなりの長編ですが、続編の『オリュンポス』はさらに長い上下巻であると知り、まだ読み始める気になれません。
これを読もうと思ったのは、ヴォイニッチ写本が重要な役割を果たしているという(ソースはWikipedia)からなのですが、この『イリアム』には登場しません。ヴォイニックスという謎の生物が出てくるので、その命名の由来かなと思うのですが、写本の役割を知るには『オリュンポス』を読まないとだめなのか……。 -
読了:2010/08/26 図書館
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トロイア戦争・近未来の世界・木星の衛星に住む生物……。どうやってそれらが絡むのかは終盤まで分からないが、とにかくスケールが大きい!長いけど何だかんだで最後まで読んでしまう。
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波瀾万丈のSF叙事詩と言うのか、気宇壮大、天空海闊、空前絶後の宇宙闇鍋とでも言うのだろうか。流石にDan Simmonsである。ホメーロスの二大叙事詩「イーリアス」と「オデュッセイア」を下敷きに、様々な名作が引用されているのだが、時代は主に数千年後の未来、場所は地球や火星などなど(多元世界でもあるので、あくまで"主に”ではあるが)。そこには驚天動地と言うのか、多勢に無勢と言うのか、圧倒的な登場人物が出現するのであった。それでは、後は読んでのお楽しみ。ではまた…、
と言ってしまうと元も子もないような気もするなァ。アキレウスにアガメムノン、ヘクトルにパリスなどトロイ戦争関係者に、ゼウスにヘラ、アポロンにアフロディテなどオリュンポスの神々も勢揃い。何やら判らぬ知性体に翻弄される未来の古典的人類は、コピーされ過ぎて軟弱化・少数化してしまっている。最も人間的なのが半生物機械のモラヴェックのマーンムートやオルフなのだから、何とももはや和洋折衷じゃなくて生機折衷、支離滅裂。とは言え、やはりオデュッセウスはたいした者なのである。様々な熾烈な戦いの中、古典的人類や紀元前の人々は恐るべき敵に勝てるのか。また、大いなる謎は解明されるのだろうか。さァて、後は物語の中へとお進み下され。 -
お、面白すぎる・・・!
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凄い凄い怒涛の展開!
木星のモラヴェック、神々がトロイア戦争を楽しんでいる火星、そして未来の地球。
火星と、地球の謎にどんどん引き込まれていきます。そして火星を調査するモラヴェックのマンムートとオルフのコンビは最高です。マンムートの可愛らしさにクラクラ♪
ラストは、とってもいいところで終わってしまうので、『オリュンポス』を直ぐに読みたくなってしまいます!
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ダンジモンズは何読んでも当たりだけど、これは本当にすごい!本当に本が好き、SFが好きな人にはたまらないでしょう。