Self-reference engine (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
- 早川書房 (2007年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152088215
作品紹介・あらすじ
進化しすぎた人工知性体が自然と一体化したとき、僕と彼女の時空をめぐる冒険ははじまった。Jコレクション創刊5周年記念作品。
感想・レビュー・書評
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バラバラの話のようで地続きではあるような短編集、と思ったらわりとしっかりつながっているらしい。
理解しきれないような難解なところもあるが、「床下から大量のフロイトが」のようにぶっ飛んだ話もあって、そういうのは分からないなりに楽しめた。
まだ魅力をつかみきれていないが、いくつか読むうちにハマりそう。 -
日常。過去。未来。崩壊。計算機。箱。夢。宇宙。数理モデル。神話。捕り物帳。そんなイメージがぶわっと広がる。各章は前後の脈略が迷子のようで、エッシャーの騙し絵世界に入り込んだ気分。それでも、漂う概念は途切れなく繋がっているように思う。何が、どうして、そうなったんだ、ジェイムス。本書は再読ながら、不思議なほど何も覚えてない。読んでしばらくすると零になり、ただ流れるようなリズムと余韻だけが記憶される。
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好:「A to Z Theory」「Ground 256」「Freud」「Sacra」
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「全国ビブリオバトル2015 徳島・香川地区決戦」
(12月5日/徳島大学常三島キャンパス けやきホール1階 地域連携小ホール)
(チャンプ本)
http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=215003787 -
巨大知性体にまったく知性を感じられなかった。純文学寄りとの評価を見たがわたしにはライトノベルに感じられた。話の筋に真新しいものを感じることがなかった。あたかもデカルト座標上に言語の系が固まって浮遊しており予め割り当てられた対称や限界に当たる言葉らしきものを巧みに操る想像性は特筆に値する。
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人間が彼らの絶滅の理由を知ることができないとされる理由は単純だ。ありえそうな滅亡の理由を思いつく先から、その理由で滅びたわけではないと過去を改変するような時空構造として、彼らは絶滅したのだと考えられている。証拠がどんどん後出しされる推理小説には終わりようがない。はじめから終わってしまっていない限り。
(P.262) -
SFは少しの不思議であってほしい。
世界観についていけず、物語が入ってこない。
想像の枠を超えている。 -
ひと言でいうと、面白かったような気がする。
正直よく分からなかったので評価も満足にできない。時間と存在についての様々な物語が、数学的タームという修飾を多用して書かれているように思う。それらの修飾を平易な言葉に置き換えたならどうなるのだろうかとふと考える。たぶん、つまらない物語になり果ててしまいそうだ。