神は妄想である―宗教との決別
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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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「本当に」という言葉は、単純に確信しているだけで使うべきものではない。もしニュートリノが、ニュートリノ程度の大きさの祖先から進化した脳をもっていたとすれば、岩石は「本当に」もっぱら空っぽの空間からできていると言うだろう。私たちは、中型の大きさの祖先から進化してきた脳をもち、祖先たちは岩石のあいだを通り抜けることができなかったのであり、したがって、私たちの「本当に」は、岩石が固いことにおいて「本当に」なのである。
― 545ページ -
本当の意味で有害なのは、子供に信仰そのものが美徳であると教えることである。信仰は、それがいかなる正当化の根拠も必要とせず、いかなる議論も許さないという、まさにその理由によって悪なのである。子供に、疑問を抱かない絶対的な美徳であると教えることは、彼らに、将来のジハードまたは十字軍のための潜在的な凶器となるべく育つ素地を与えることにほかならない。
― 451ページ -
スティーヴン・ワインバーグが言うように、「宗教は人間の尊厳に対する侮辱である。宗教があってもなくても、善いことをする善人はいるし、悪いことをする悪人もいるだろう。しかし、善人が悪事をなすには宗教が必要である」。ブレーズ・パスカルも似たようなことを言っている。「人間は、宗教的な確信をもっておこなっているとき以上に、完璧かつ快活に悪をなすことはない」。
― 363ページ
みんなの感想・レビュー・書評
とにかく宗教を批判している本で、偏りもあるように思えましたが、とても楽しく読めました。 日本人の場合、特別な信仰はないけれど宗教(とその問題)に興味があるという人、特に「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」などが好きな人にはちょうどいい本だと思います。 人格神、唯一神という特徴がある宗教に対する批判が中心で、仏教などについてはほとんど触れられていません。また、原理主義、過激主義の問題について多く... 続きを読む »
サブタイトルは『--宗教との決別』。
無神論者であることを語るのにこれほどのエネルギーを費やさなければならないとは…アメリカ人を心から哀れむ。八百万の神を無意識にも理解できる日本文化は、彼らにとって「寛大」と目にうつりつつ謎も多いだろう。当然、「無神論」という言い方も怪しくなってくる。そうカテゴライズすること自体、宗教寄りの考えを主体とした偏見なのではないだろうか。
タイトル(『神は妄想である』/"THE GOD DELUSION")の解釈を、筆者の「神」や「妄想」の位置づけから読み解くことに大した興味もないので、第1章の途中からはもう斜め読みです。
「神」といっても、トイレの神様とかではなくて、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教という一神教がターゲット。著者は自分自身の考えや行動を起こすときに、「神」や「聖書」や「聖典」というものを持ち出す人にイライラするようだ。
無神論は別に悪くないと思うし、逆になぜ人が宗教を頼りたくなるのかも知りたかったのだけど、文体がとっても攻撃的。そして執拗。なので、ちょっと飛ばし読みしてしまった。
著者はダーウィン主義の人なので、科学と宗教の関係については興味深かった。自分の解らないことを神様のせいにしてしまうのは精神の安定上必要なことなのかもしれないけれど、それで考えることや探求することを止めてしまうのはダメだと思う。
この本を読むことで、ひとつの宗教や考え…当然著者がモーレツに信じてる無神論だって…に取り付かれてしまい、柔軟性やバランス感覚を失ってしまうほうが恐ろしいと思った。
年始からとても考えさせられました。元々漠然と疑問に思っていたことが一気に晴れる気分でした。哲学的・科学的・聖書解釈的・社会的な側面からの検証のどれをとっても論理的で違和感が無かったです。賛同ですね。そろそろ一神教的神の存在は限界なのでは?次は世界最大のベストセラーを読んでみたいです。
進化生物学者のドーキンスが、 自身の信ずる、そして世界の人々にとって価値があると信ずる 科学の名のもとにおいて、 「宗教」を全力で斬って捨てる本。 いかに宗教(ほぼ本書では一神教を指す)、そして神(唯一神)を 信じることによって、プラスではなく、歴史の中で、 そして今でも悲劇が蓄積されてきたかを、多くの人々の事例や声を 取り上げながら、 「なぜ人は神にとりつかれてしまうのか?」... 続きを読む »
科学の枠組みから神が存在しないという根拠をダーウィンの「進化論」を主張の軸足として滔々と述べている。議論は宇宙の始まりと創造主の概念にまで及んでおりスケールが大きい。神という存在に対する科学的証明のみならず、宗教の起源・道徳の起源にまで考察がなされており、興味深い内容になっています。宗教という概念が希薄な日本にいるとあまり実感できませんが、キリスト教やイスラム教を信仰する国々にとって宗教は命がけのテーマであるということがよく伝わってきます。
宗教に与えられた自由とは、神を信じる自由なのか、偏向した考えを持つ自由なのか。私自身は無神論者に近いですが、キリスト教は比較的理解しやすい宗教だと思っていました。しかしそれは、我々と同程度で理解しやすい文化を持つ人々にキリスト教徒が多いというだけの誤解であると感じました。この本の例示は極端なものが多いのかも知れませんが、表現の仕方が違うだけで根本は全て同じなのでしょう、神は一人だと言っているのですから。私はやはり神は存在しないと思います。そして子ども自身に宗教選択の自由を与えることが大事なのだと。
圧倒的な論理を武器にして、タブーを恐れずに科学的な姿勢を貫き通すドーキンスさんかっけー。過激すぎて狂信者に命を狙われないか心配になるがw
特に前半の、神が存在しないことの証明や、宗教の進化論的起源についての話は非常に面白かった。
私にとって、『利己的な遺伝子』 http://blog.livedoor.jp/froo/archives/50894182.html に次いで2冊目のドーキンス。ミームについても昔から興味あって、スーザン・ブラックモア『ミーム・マシーンとしての私』 http://blog.livedoor.jp/froo/archives/50866307.html もすでに読んでいた私にとって、興味深い内容だった。
筆者の論には幾分感情的な印象があるが、ほぼ賛成。
神が存在するかしないかという議論よりも、宗教を特別視して無批判に受け入れる風潮に対して警鐘を鳴らすことこそが本書の重要な意義だと思う。キリスト教圏の人間である筆者がここまで書くのには日本に住む私には想像もつかないほどの勇気がいるだろうと推察する。その点だけでも敬意を表したい。
ただ、総じてアブラハムの宗教、一神教に対する批判に終始しているように感じられたので、星マイナス一。あとwebの引用が多いかな。
この問題についてはもう少し勉強して考えてみたい。レビュー・評価も後で書き直すかもしれない。
面白い本ではあります。タイトルも秀逸。
ただ、いくつかの論点を「ごっちゃ」にしている印象が否めません。
T・イーグルトンの「宗教とは何か」をきっかけにして、それほど話題なら読まねば、と、手に取った次第。
私は基本的に「科学の子」なので、進化論やその他の科学的な理論、事実に関してはドーキンス氏の言うことに賛成です。(まああたりまえですが。)しかし、そこから一足飛びに「神がいる」=「進化論を否定する」という立場を作り出しているのは、どうもいただけません。あまりフェアじゃない、というのが感想です。正直に言って。
おそらく、宗教学や神学に関する素養が欠けているか、あえて挑発しているかのどちらかでしょう。
(無神論者って、面白いですね。というのが個人的な感想です。)
ドーキンスの理論は、進化論的、生物学的にはほぼ穴がない。その意味でドーキンスはすごい学者です。
そしてキリスト教を中心に一神教圏における宗教の弊害は凄まじいものがある、それも確かなこと。
この本でもそれら一神教に限定する、と冒頭で明言されています。
でも、東洋の多神教文化圏に属する者からみれば、ドーキンスさんのやり方はいささかオーバーキル気味です。「やりすぎ」なんです。
それに進化論的、生物学的に見れば穴のない理論も、量子物理学的にはとても完璧とは言いがたい。
目に見える、それと認識できる「物質」だけを対象とする生物学なら、「目に見えない存在」など一笑に付してればすみますが、この宇宙でそのような「物質」はたったの4%を占めているに過ぎません、物理学的には。
生物学者による「神は妄想である」と論じた本。 自分の人生において「神の意思」を感じたことはないけれど、わざわざ「神様はいない」とも否定はしないで生きてきた。 けど、コレを読むと、私は無神論者なんだなぁと感じる。 現代社会において、信仰について口にすることはタブーとなっている。けれども、その信仰がさまざまな弊害を生んでいるとしたらどうなんだろう……? たとえば、生まれた時か... 続きを読む »
第1章 すこぶる宗教的な不信心者
第2章 神がいるという仮説
第3章 神の存在を支持する論証
第4章 ほとんど確実に神が存在しない理由
第5章 宗教の起源
第6章 道徳の根源
第7章 「よい」聖書と移り変わる「道徳に関する時代精神」
第8章 宗教のどこが悪いのか?なぜそんなに敵愾心を燃やすのか?
第9章 子供の虐待と、宗教からの逃走
第10章 大いに必要とされる断絶?
全体的に宗教への嫌悪感が溢れている。それが冷静な議論を妨げている感じがする。
無神論、進化論が当然の前提として、宗教を非科学的、邪悪と決め付けている。
しかし彼の宗教理解は幼稚であり、昔から言い古された批判も多い。
また彼がやり玉に上げる「宗教」自体、広範囲なカテゴリであり、あいまいである。
したがって彼が指摘する問題が宗教界の一部分であり、かつ宗教の本質からずれている。
だから、彼の指摘は私には届かない。私の信仰は、彼の批判の対象になりえないものが多い。
また彼は歴史の中で宗教が果たしてきた役割、良い面については全く触れない。これは公正さを欠く。
彼の問題点は
1、すべてを論理的に科学的に証明しようとしているが、それがすべてではない。
2、宗教、信仰への偏見、憎悪に動かされており、公正さを欠く。
正直なところ内容はわかるが、宗教が身近に浸透していない私にはよく理解できないところ。しかも著者の考えでは、多くの日本人が信じるところの仏教や神道(神社)は宗教というよりも倫理観や道徳ということみたいです。
もっと宗教、歴史について見識を深めたいと思う一冊でした。中東で起こる戦争など、それらの知識がないと深く理解できない事柄も多いですし。。。
2009/9/15図書館で借りる
2009/9/22読まずに返却
借りたが読む気にならない。分厚すぎる・・・(笑)。時間の無駄だと感じた。他に読むべき本がある。
500を超えるページ数でひたすら科学的視点、分析に基づいて論理的に神と宗教の存在がいかにダーウィン進化論的に不合理であるかを考察している。 初めのうちにはリチャードドーキンズ(ちなみにこの人はかの有名な「利己的な遺伝子」を書いた)の論理展開がきわめて複雑で斜め読みを許してくれないくらい緻密なので辟易とするが、中盤あたりから神の存在・及び宗教が道徳を形成する矛盾とその存在を否定しようとする論理... 続きを読む »
とばしてるなぁ ドーキンス というのが ニーチェの書いていることが きょーれつ で なんでこの人 力こぶつくって こんなことを?とながいあいだ 思っていたんだけどNHKの 爆問 で 哲学の先生の回 を見て神 を語るとき 力こぶつくって きょ−れつ に ならないといけないくらい キリスト教 が 彼の地においては きょーれつ なんだということに 初めて思い至ったのでしたしかし そうはいっても これ アラブの国で イスラム教徒がやったら 殺される訳だから
聖書のお話が文字通り事実起こったことだという考えを荒唐無稽というのは難しくないだろうが、神がいるかいないかはいずれも証明困難だから、ドーキンスのこの本での話は結局「神がいる」方に賭けることの有害性が中心になっている。ドーキンスは、異なる宗教を信じる者同士でも多元性を認めて仲良くやっていけよというのではなく、問題は多元性を認められない原理主義的宗教ではなくて宗教そのものなのだ、と考えている点が、寛容... 続きを読む »
著者渾身の一冊なんだろうが、キリスト教や既存の宗教に対する理解がないと、筆者の議論を理解することも難しい。つまり自分はそれほど宗教に対して無知であり、日本はそんな人間でもやっていけるほど信仰心の薄い社会なんだと感じた。ドーキンスの議論はいつも明快すぎて切れ味がよすぎるので、類似の本を何冊か読むまでは評価を避けたい。テーマがテーマであるし。






