- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152089311
作品紹介・あらすじ
少数派の代弁者にすぎない共和党が、平等な中流社会を壊して格差社会を築き上げた驚くべき方法とは?世界が注目する経済学者が急遽打ち出したアメリカの病根への処方箋。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
アメリカに国民皆保険の存続がいかに厳しいかが分かる。保障や格差是正を大事にする民主党。所得税の税率を安く、格差が広がり続けることに無関心な共和党。それぞれの党の歴史を紐解いていくと、今のアメリカのことに納得できる。
オバマケアは税金が保障へと使われ、富裕層にとって都合が悪い。国による保険が手薄なアメリカによって、必要なもののはずなのに、富裕層の支持者が多い共和党は、オバマケアに消極的だ。そんな姿勢が、アメリカの格差を広げていくのだろう。 -
民主党・支持者としての立場を明確にし、フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策支持と共和党レーガン大統領誕生からの社会的格差の広がり(取り分け法人税減税、対ソ冷戦への危機感の醸成による社会不安の転嫁、社会保障費増大への危機感の煽り)について解説された本です。オバマケア→トランプ大統領の誕生→民主党・売電大統領の誕生→?(トランプ大統領復活)の予言に繋がるのか。。。
-
2008年、オバマ政権の誕生前に書かれた、クルーグマンのアメリカの格差についての話。
健康保険、富の集中、移民問題など、現在もだいたい残っている(たいていはより悪くなっている)アメリカの諸問題についてわかりやすく持論を述べている。
エッセイ集でなくて、1つの切り口でまとまってるので、よりわかりやすいと思う -
ちょっと難しかったな
-
アメリカ経済の歴史に興味があるならおすすめ。それ以外は無意味。
-
・ニューディール政策以前の金ぴか時代(1920年代)と2005年のアメリカの所得のばらつき具合はほぼ一緒≒どちらも格差社会
・貧しい白人に医療を提供するよりも、黒人を白人の病院に入れたくない
・60年代に起こったことは、共和党が60年代の新しい文化に対し国民が抱いていた敵意や恐怖を利用して、いかに選挙に勝つかを学んだ
・白人たちの心の底に潜む黒人に対する負の感情に気が付いたのがロナルド・レーガン
・69年のGMと今日のウォルマートの所得配分の違いは「第二次大戦後、格差の広がりを抑制していた制度や規範が消え去り、格差が金ぴか時代に逆戻りしたこと」を示唆
・70年代以降、大企業からの資金援助を受けた「保守派ムーブメント」のシンクタンクが増大 → 専門家は大企業のイヌに
・2002年の夏にブッシュの支持率は下降傾向へ。国民の関心は企業スキャンダルと経済の不振へ → その後イラク戦争が起こった → 安全保障政策を国の最重要課題へ
・2000年、フロリダの共和党州幹事長は「黒人有権者の大量追放」を行った
・「保守派ムーブメント」の成功にとって不可欠であった黒人開放運動に対する反発を基礎とする政治は、2つの理由から勢いを失いつつある(白人が減少していること、白人が人種差別的ではなくなってきていること) -
『格差はつくられた――保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略』(早川書房 2008)
原題:The Conscience of a Liberal: Reclaiming America From The Right, 2007
著者:Paul Krugman
訳者:三上義一
【目次】
第01章 あの時代の追憶
第02章 長期の金ぴか時代
第03章 大圧縮の時代
第04章 福祉国家の政治
第05章 60年代騒然の中の繁栄
第06章 「保守派ムーブメント」
第07章 大格差社会
第08章 格差拡大の政治力学
第09章 大量破壊兵器
第10章 平等で格差のない政治
第11章 緊急を要する医療保険問題
第12章 格差社会に立ち向かう
第13章 リベラル派の良心 -
3
-
2008年6月20日初版
拡大していった不平等と格差が共和党を右へと引き寄せたと考えられる。→因果関係が逆なのでは?
2002年中間選挙 2004年大統領選挙→ブッシュの勝利にテロ事件、イラク戦争が有利に働く。
ニューディール政策以前 21世紀初頭 富と権力の配分において非常に大きな格差社会
経済歴史家 1920年代から50年代 所得格差の圧縮 The Great Compression
サイモン・クズネッツ 1930年代 GDPの測定法 統計学
ヨーロッパ 経営者のトップの給与はアメリカより遥かに少ない。
保守派ムーブメント 投票の不正 2007年8月タッチスクリーンの電子投票機の使用を全面禁止
保険会社 加入申請者を選別、保険金の支払いを避ける傾向→政府が保険会社として機能する国民皆医療保険制度
ジョンソン大統領 メディケア制度に署名→就任から9カ月以内
クリントン大統領→遅れ→政治的勢いを失う。
トマス・ジェファーソン「小さな土地の所有者こそが国の最も重要な部分を成している」
ディヴィッド・カード、アラン・クルーガー→最低賃金の上昇が、失業につながった事例はない。→ワシントン州とアイダホ州の境では、ワシントン州の方が雇用が多い。
すべての問題の根源は、アメリカの人種差別問題にあるということである。…黒人解放運動に対する白人の反発があるからなのだ。
日本のレーガン大統領のイメージ 減税、小さな政府→いかに言葉巧みに白人の人種差別意識に働きかけてきたかは、あまり知られていない。
無言のメッセージ わざわざ肌の色についてふれる必要などなかった。
自分たちが稼いだカネを黒人が食い物にしていると思いこんでいた白人の反発や猜疑心→人気を博すことができた。
国民皆保険 黒人、ヒスパニック、アジア系を含むことになる。
マイケル・ムーア監督「シッコ」 アメリカの医療がいかなる状況か知り、愕然とした人も多いはず。
☆日本の格差社会化は?
人種差別はないが,近隣諸国出身者は?国民皆保険への加入状況要勉強