となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学

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制作 : 酒井 泰介 
  • 早川書房 (2008年10月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089717

となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学の感想・レビュー・書評

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  • 車の運転に関する統計や研究を面白く紹介しているというありそうでなかった本。一見アブナイ道が本当な結構安全で、平坦かつ広い危険が全くない道ほど実は危ないんだよという指摘はなかなか面白かった。他にも標識を減らしたら安全になった街の例とか、混んでるからといって道路を作っても実はあまり意味がないことが多いんだよ、という事例の紹介などなど。人が運転するが故の不確定をコントロールしなければいけない道路の設計者や交通整理の難しさがわかる。近年の行動経済学的研究にも通じる交通の奥深さ(と厄介さ)のわかる一冊。

  • No.771

  • 車線うつったら、自分のもといた車線が動きだしてなんだかなぁと悔しい思いをする経験は車を運転するひとなら一度はあるはず。交通って社会なんだなあとシミジミ思った。早めに車線変更して合流するか、最後まで行ってから合流するかこの二派はあいいれない。最後に入ってくるヒトにも主張がある。車線をもっとも有効に活用しているってこと。どっちが正しいかじゃなく、それをうまくさばくルールが必要というあたりがまさに科学だね。

  • あー、おもしろかった。

    交通について考えることはただ単に通行量や道路整備や車の安全装備について論じるだけじゃなくて、人間や社会を知る上で非常に有益なんだ、と思わせるような本だ。

    最新の交通工学だけでなく行動心理学の知見も取り入れ、多角的に交通と私たちについて分析している。

    興味深いと思ったのが、人間のリスク判断だ。
    自動車や走る環境も絶対的安全を追求すればするほど、かえって安全を損なうという皮肉な結果が実証的にわかってきた。
    安全な道を設計するのは理に適っている。でも、ことはそんなに単純じゃない。
    ドライバーのミスを許容するために設けられた安全策は、かえって彼らにそれらが必要となるような運転を促している。
    例えば英国の事例。ある道路で美観のためガードレール・交通標識などを取り外した。

    その道路で事故は増えたか?いやいや。

    実はこの処置の後、なんと事故は減ってしまった!
    道路の安全策がないがゆえに、ドライバーたちが無謀で危険な運転を避け、それが結果として事故を減らしてしまったという事例。もちろん、だから道路の安全策はいらないという話ではないよ。でも僕らは運転するとき、どういったリスク判断を行っているんだろう?と、不思議に思っちゃうよね。

    何かの便益(安全性の向上)が期待されるとドライバーは受容できるリスク水準を調整していくんだって。最新の安全装備を満載した新しい車のほうが安全かと訊かれると疑問符がつく。
    ノルウェーのある調査では新しい車ほど事故をよく起こす。なぜか?新しい車のほうが安全性が高いということを踏まえ、ドライバーが安全性についての行動を変えている、というのが研究者たちの見立てだ。

    結局、自動車自体は客観的にはより安全になっているが、人間に潜んでいるリスクを克服する自動車を設計することは難しい。
    交通において安全性を高める技術は必要だ。でもそれだけで事故が減るわけでなく、かえって事故を増やす場合もありうる・・。おー、なんと。

    認知のゆがみ。リスク判断。人間の複雑さにトホホ・・とつぶやきたくなる。


    ちなみに、タイトルの「となりの車線はなぜスイスイ進むのか?」。これ、あなたの思い込みかもしれませんぜ。ぜ。

  • となりの芝生は青く見える、といった内容

  • 西成活裕氏の「渋滞学」みたいな話を期待して手に取ってみたのだが、そんな本ではなく期待はずれ。最初の方をぱらぱら眺めただけだが、心理学っぽい話が続く。

  • 最近車に載っていて、渋滞って不思議だなぁ〜とつくづく思ったので手にとったのですが、タイトルに反してこの本はそういう事象を解明するような本じゃなかったようで。

    運転中の人の心理についての解説がずーっと続くのですが、正直あまりおもしろい情報はなかったかな…

    ただ、「安全」に広く作られた道路のほうがいわゆる「危険」な道よりも死亡事故率が高いっていうのはちょっとした発見。標識以上に道の作りの方が雄弁ってことですね。

  • 精神論としてなぜそう感じるのかを論じているが、
    それがわかったところで・・・
    という感じ。ただし、後期合流の方がスムーズというのは納得。
    視線が怖いが。

  • 2008年12月6日に読み終わった本
    http://hydrocul.seesaa.net/article/110810383.html

  • 『あなたは渋滞に捕まったのではない。あなた自身が渋滞なのだ。』

    いわゆる交通科学の本。基本的に考察の舞台がアメリカなので、日本の場合とはだいぶ毛色の違う面もあったけど、概して中々おもしろかった。まあ逆に言えば、おもしろいだけで、交通科学自体に何か学んだということはなかったけど。勉強になるとすれば、考察の際に引き合いに出す他の分野のトリビアとか。そもそも、心理学とかと一緒で、元来からそういう学問なのかもしれない。

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となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学の作品紹介

交通-それは、ごく緩やかな行動指針を示しただけで、無数の人間を一緒くたにする実験場である。だから、路上には思いもよらない驚きがある。となりの車線は(実際はそうでなくても)速く進んでいるように思えるし、入念に安全策が講じられた道ほど事故が多かったりする。「交通について考える」とは、通行量調査や道路網整備や車の安全装備を論じるだけではない。それは人間の本質を追求する試みなのだ。多岐にわたるリサーチと世界中の専門家へのインタビューを通して、本書では、運転という日常的な行為に隠された深遠な交通の世界を垣間見ることができる。

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