千の輝く太陽 (ハヤカワepiブック・プラネット)

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制作 : 土屋政雄 
  • 早川書房 (2008年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089762

千の輝く太陽 (ハヤカワepiブック・プラネット)の感想・レビュー・書評

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  • 図書館で。君のためなら千回でもを読んだので他の本も読んでみようと借りてきました。本当に男ってやつは…という感想です。イスラム圏に限らず男女平等というのは表面ではうたわれているもの中々実現はしていない。それにしても女性に暴力をふるう男というものはなんなんだろう。自分を産み、自分の子を産む女性という存在を何故そう差別し虐げられるのだろうか。理解に苦しみます。前作を読んだときも思ったけどとかく知らない人間だとアフガン=タリバンの支援者の国と思いがちですがそんなことは決してなく中には反対する勢力もあり内乱状態の国には必ず苦しんでいる弱者が居る。女性を診察することをタリバンが禁じたとか本当に憤りを感じます。

    弱者である女性たちが助け合って何とかできるほど生きやすい世界ではなかったのですがそこには希望がある。最後は泣いてしまいましたよ。戦争は嫌だなあ、教育って必要だよな、と改めて考えさせられる本でした。

  • 作者はアフガニスタンからアメリカへ亡命した人物。
    共産主義の時代からその後に続く内戦の時代へ。この中で生きる二人の女性を軸に話は進む。

    とにかく…なんというか…
    読んでいて自然と口許に手が行き、眉間に皺が寄ってしまう。
    「なぜ!」と思ってしまう。

    アフガニスタンがずっと内戦状態にあること。タリバンって勢力があること。イスラム原理主義じゃ女性は蔑視されていること。
    ニュースで何度となく聞いていたけれど、それがどういうことなのか私は全然分かってなかったんだな。
    マララさんがノーベル賞を採ったけど、それはこういうことだったんだ…。

    物語のラストには希望が見出だされるけど、たぶんほんとの世の中にはそれさえもない場合の方がずっと多くて…どんな感想を言っても偽善になるような気がしてしまう。

    ちゃんと伝えたいことがあって書かれる本はなんて強いのか。
    日本に住んでいる私はとても恵まれているんだなと、ただただそれは強く感じた。
    もっとちゃんと生きないといけない。

  • 望まれぬ子として生まれたマリアムは、粗末な小屋で母と暮らしている。父は土産を持って毎週娘を訪れるが、兄弟達に逢わせることも、経営する映画館に連れて行くこともしない。ある日、マリアムは父の屋敷を突然訪れ、その扉を叩いた。それが、悲劇の始まりになるとも知らず…。そして彼女の人生は闇に包まれる。二十年後、聡明な少女ライラとの間に、美しい心の絆が生まれるまで。アフガニスタンの激動の歴史に翻弄されながらも力強く生き抜く女達の姿を感動的に描き、2007年度全米年間ベストセラー1位を記録。『君のためなら千回でも』著者の傑作長篇。(「BOOK」データベースより)

    『君のためなら千回でも』の著者が書いた作品と知り、前回感じた感動を再び感じたくて、手に取った一冊です。
    前作品では男性が主人公だったので、アフガンで起こった悲劇&それに伴って引き裂かれた彼らの友情に重点を置いてストーリーを追って行ったのですが、今回の主人公は女性たち。
    アラブ世界の女性の立場が、今だそう高くはない事は知っていたつもりだったのですが、ここまでひどい扱いを受けているとは・・・。
    今回は、「女性である」というだけで望みを奪われた悲しみも加わって、前作品より一層深みのある内容になっていました。
    ハラミー(不義の子)と呼ばれ、父からは中途半端な愛情を、母からは罵倒と不器用な愛情を授けられつつ小さな小屋で生活してきたマリアム。父の家に行く、というただそれだけの行為の為に、母を失い、父の庇護も失い、父の家族から遠方の見知らぬ男へ嫁げと言われるマリアム。
    単なる契約のように結婚し、妻と息子を失った中年男の為にひっそりと尽くすも、妊娠しても子が流れるばかりの妻に苛立ち、手を挙げる夫に耐えるマリアム。
    年降りしのち、孫ほどに年の離れた第2の妻の世話をまかされるマリアム。
    彼女の人生は、本当に不遇だと言わざるを得ないものでした・・・。
    けれど夫が迎えた第2の妻・ライラとの間に奇妙な友情が育まれたのちは、彼女の考え方がゆっくりと変わっていくのです。
    愛されず、愛することも知らず、自分の人生に希望を持つことができなかった彼女が、ライラとライラの子供たちのために、とある勇気ある行動をとるのです。そして

    「あたしはここで終わっていいんだ。もうほしいものはないもの。小さい頃に願ってたことは、あんたと子供たちが全部かなえてくれた。あんたたちに大きな幸せをもらった。いいんだよ、ライラジョ。あたしはこれでいい」

    何も持たなかった小さなマリアムが、大きなものを得、もうなにもいらない、と満ち足りた想いを感じるのです。
    多くを持ちつつ、何も得ることがない人たちと比べて、はたしてどちらが真の幸福と言えるでしょう?
    マリアムがとった選択はつらく悲しい。でもそこにあるのは悲しみだけじゃない。
    虐げられ、うつむいて生きていく事を強いられた一人のアフガン女性の心が、強い輝きを発した一瞬でもあるのです。

    このマリアムの行動のために、ライラたち一行はタリバンらの戦闘集団から無事逃げのび、復興し始めたカブールに戻ることすら可能になります。そこで彼女は愚かで哀しい父親の、愚かで哀しい手紙を読みます。
    それはマリアムに届かなかった、彼女の父親からの手紙・・・。
    この手紙がマリアムの手に渡っていたら、もう少し彼女の運命は変わっていたのでしょうか・・・。
    「もしも」の話をするのはせんない事とわかってはいるのですが、あまりに過酷だったマリアムの人生を想うと、ほんの少し、「来るかもしれなかった違う未来」の想像を、彼女の為にしてあげたいという気持ちになるのです。
    それでも彼女は、いつかはライラたちのために命を投げ出したのかしら?
    ふとそんな気がしたりもするのですが・・・。

    ラスト一行に込められたライラの想いもとても深いです。
    さりげなく、美しい未来を約束してくれるような。
    そんな希望に満ちた一行です。
    自分らしく生きることができない環境で、それでも自分の意思を失わずに生きた一人の女性の生き方を、その未来がしっかりと受け継いでくれるのでしょう。
    神ではなく、人だけが灯し得る希望の光。
    暗闇に差し込む、そんな一筋の光を感じる一冊でした。

  • こういう世界があることは知っていたつもりでいたけれど、
    ドラマチックに描かれた、でもおそらく現実にもあるであろう物語を読んで、
    いかに自分が何も知らなかったのかを思い知らされた。

    厳しい環境や社会の中で、それでも心に希望を持って生きる強い人に、
    その生き様に、本当に心を打たれた。


    宗教や教育、食べるものや話す言葉、肌の色や目の色は違っても、
    やっぱり同じ人間なんだから、戦争や差別は無くなって欲しいと思う。
    自分には何が出来るだろうか・・・

  • PDF
    原書あり

  • 男性には決して真似出来ない、真の女性(母親)の強さが胸を打ちます。

  • ハンカチでは足りません。バスタオルをお手元に。

  • 自分の今の悩み事なんてないに等しいと思った。

    自分の努力だけではどうにもならない社会。

  • 前作の『君のためなら千回でも』も面白かったが、この作品はさらに面白かった。アフガニスタンで女性が生きて行くことが、いかに困難であるのかを理解できる。ストーリーとしても一流のエンタメといえる。

  • 時代は紛争中からアルカイダ登場、さらにビンラディンの出現まで。
    この時代に生きた2人の女性の人生を通して
    アフガニスタンという国と人と時代を描ききった秀作。
    たぶん時代とか国とかいう縛りがあるから面白いのですが
    国籍、性別などに縛られなくても
    物語として、すごく奥深く、余韻の残る作品。
    知らない国のできごとだからこそ、
    次はどうなるかわからずに、
    主人公たちと一緒に不安を抱えながら進んでいける。
    ドキュメンタリー番組や新聞より、
    アフガニスタンのあり様が心に迫る小説でした。

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望まれぬ子として生まれたマリアムは、粗末な小屋で母と暮らしている。父は土産を持って毎週娘を訪れるが、兄弟達に逢わせることも、経営する映画館に連れて行くこともしない。ある日、マリアムは父の屋敷を突然訪れ、その扉を叩いた。それが、悲劇の始まりになるとも知らず…。そして彼女の人生は闇に包まれる。二十年後、聡明な少女ライラとの間に、美しい心の絆が生まれるまで。アフガニスタンの激動の歴史に翻弄されながらも力強く生き抜く女達の姿を感動的に描き、2007年度全米年間ベストセラー1位を記録。『君のためなら千回でも』著者の傑作長篇。

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