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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
ユートピア=ディストピア
SFによくある設定なんだろうけれど、健康第一がスローガンの全体主義…作中では生命主義と言ってる…というのは面白いな~と思って読み始めた。でもなんだか将来ありそうで不気味。
そんなに難解なわけでもなく、回想と現在が行き来するストーリーも起伏があって面白くて、生命主義を世界に押し付けているような組織の一員になりながらもタバコやコーヒーやワインに惹かれている霧慧トァンに入れ込みつつ読み進めた。ピンクの装甲車とか軍服とか、ビジュアルも面白いし。
そしたら後半に重たい荷物が仕込まれてた。人体の境界とか、意識とか、意思とか、無意識とか、言葉とか、魂とか、そんな難解なものをずっしり持たせられたという読後感。
この本を読んだ後で、神林長平「いま集合的無意識を、」をもう一回読んだら、ますます脳みそがオーバーヒートしてるみたいな感じになった。うなされそうだ。
久々に本を読んだ。
人間に対しても身体に対しても度を超えた優しさが起こす歪み。潔癖社会の生み出した意識のない人間。
煙草などの不健康なものに対して過敏になりつつある今の日本が、より潔癖になるとどうなるのか考えさせられた。
静かな作品。おもしろかった。
起こっている出来事は大々的なのに、どうしてこんなにも静かなのだろう。
この静謐さは「虐殺器官」でも感じた。
間違いなく傑作だとおもいます。虐殺器官もよかったですが、より完成度もたかくなっていて、もっと彼の描く世界に浸ってみたかったとおもえる1冊でした。本当に著者の死が悔やまれますが、すばらしいものを残してもらえたことに感謝したいとおもいます。
医療技術の発展によって死ぬまで病気にかからなくなった肉体的安全、個人情報の徹底的な開示と管理による社会的安全。理想的な全体主義社会が実現した未来。そして極限まで高められていく末は…?
欲望と理想で人間は幸せになれるのか?
自由意志とは人を幸せに出来るものなのか?
思考や感覚を失う事が生物として幸せなのかもしれない。
けれど単純でとてもつまらないものだなと私は思う。
虐殺器官と対を成し、リンクする続編みたいなお話。
行き過ぎた調和への違和感と現代に通じるテーマに、現実離れしている世界だけれどリアリティを感じる作品。
人の思考をこんなにも科学的に書いた作品は無いと思う。
おもしろかった*
テクノロジーではユートピアは作れないのか…ハーモニーの意味を知ったらちょっと身震いする。
虐殺器官の、その後の世界。自分の体は自分のものかどうかなんて、今この世界でもちょっと怪しいですよね。
etmlという、htmlを模したタグのついた文章が独特で面白かった。
虐殺器官もそうだったけど、底で静かな音楽が鳴っているような感じがする。機械音、なんだかぱっきり折れそうな。
私にとっては虐殺、の方が面白かったかなーと思います。始めて読んだせいもあるかもしれませんが。
ジュブナイルに片足残ってる感じがして。
優しさに浸かりきった世界は、はたしてユートピアなのか、そうではないのでしょうか。
伊藤さんは、ああいう、なんというかこう人間の中にそっと潜んでいる何かこうほんのちょっとグロテスクで残酷なものを描写するのが凄く上手いと言いますかなんといいますか。
もっと読みたかったなあ。
お亡くなりになられたのが本当に残念です。
Emotion-in-Text Markup Language という概念からはじまるこの物語はとてつもなくユニークである(HTMLを少しでもわかっている人でないと、タグに込められた意味が分かりにくいだろうけれど)。この着想はどこから来たのだろう。驚きの作品だと思う。 しかも、これは決して奇をてらったものではないことは、エンディングを見れば明らかだ。「虐殺器官」とは逆のアプローチなんだろ... 続きを読む »
鳥肌たった~。
装丁の可愛さに油断したらいけません、
思わず声に出してスゴイッと言ってしまうくらいのインパクト。
虐殺器官よりこっちだな。
◆普段本を読まなかった僕が 同時期に大好きな小島秀夫監督、同じく漫画家の篠房六郎さんが話題にしていて 「コレも何かの縁」と購入したのが出会いのきっかけ。 ◆健康を第一とする価値観によって形成された社会。 WatchMeという医療用ナノマシンによって健康が保証され、 感情も穏やかに保たれ、 個人の情報などがすべて共有されることによって 互いに親身に気遣うことができる 優しさと倫理... 続きを読む »
ミァハだのトァンだのアニメっぽい導入にいささか面食らったけれど、WatchMeをインストールした身体のように私自身も徐々に物語の中に調和されていった。イジメもない争いもない病気もない優しさとメディケアに支配されたユートピア。実際にはこの世から悪が根絶されるなんてありえないけど、こんな未来もあるかもな、と思わせる現実と地続きのレールを伊藤さんは綿密に敷いてくれる。「虐殺器官」にも通ずる独創的な世界に感服しきり。読後にはいい意味での異物感が残る。惜しい人をなくしたものだ。
ようやく読めた
最初はおもしろい、けれどうまく入っていけない。お酒、煙草カフェイン、健康を害する恐れのあるものがほとんど忌避、禁止され痛みにも病気にも無縁になった近未来SF。
淡々とすごい世界観が綴られている。
虐殺器官も読みたい。
著者が亡くなっているということはずいぶん前から知っていたけれどとても残念。
圧倒的な呆然を生む読後感、でした。 完璧な「ハーモニー」のために行われた途方も無いプロジェクト。完璧…その言葉の本当の恐ろしさを感じました。うつくしい世界、そのための人間のあるべき姿。それはある意味間違いではないものなのでしょう…そう思える部分があることが怖い。 SFというジャンルならではの見聞きしない言葉が頻出して、またテーマも深いものですが、テンポそのものはゆっくりと、そしてライトな語り口... 続きを読む »

「わたし」、トァンは大規模な事件のさいに、13年前に死んだ友人、ミァハの影を見る。
お互いがお互いを思いやる、真綿で首を絞め殺すようなやさしい社会。
アルコールや煙草はもちろん、カフェインも駆...





