夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

  • 早川書房
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感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090393

感想・レビュー・書評

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  • ふーん、と思っていたけど、最後まで勢いを持って読んだ。

  • 音楽にまつわる男女の機微を描いた短編が五編、収めされている。
    別の編で登場した人物が他の編の作中に現れたり、ほんの少しだけ関連性が伺えるが、基本的に各短編は独立した一個の物語として成り立っている。
    役者もあとがきで述べているが、人生のほんのワンシーンを切り取ったような内容のものが多く、劇的な展開やあっと驚くオチがあるわけではない。
    では平凡でつまらないかといったらそんなことはなくて、なんだろう、何か心に残る。小難しい人生論を滔々と語っているわけではないのに、すっと自分の中に入ってくるものがある。
    言葉にしがたい魅力だ。

  • 2010.2
    5つの作品からなる短編集。

    表紙を開くとレコードになっているのが、このタイトルではストレートすぎる感もあるけどやはり素敵。

    *老歌手
    *降っても晴れても
    *モールバンヒルズ
    *夜想曲
    *チェリスト

    あとがきによると、「本書全体を五楽章からなる一曲、もしくは五つの歌を収めた一つのアルバムにたとえ、『ぜひ五篇を一つのものとして味わって欲しい』と著者は言っている」とのこと。

    どの物語も、小さな予想不可能なできごとが起こっていく。
    この小さなっていうところがポイントです。
    あんまり突拍子もないと置いていかれてしまいますから。

  • 期待しすぎたか。私には難しいか経験の欠乏ゆえか。

  • 人生の夕暮れにさしかかっても、なおじたばたせずにはいられないことの滑稽とかなしさ。最後の一篇である「チェリスト」は、陽性のユーモアが少ないぶん凄みがあって、ちょっと怖い。

  • クラシックとかはあんまり興味はないのだけれど、テーマを聞いてから音楽を聴くと、なんだか違ったもののように聞こえる気がします。
    まだ読んでないんですけどね。

  • イシグロ氏初の短編集で私の初・イシグロ。

    副題にあるように、五編とも、音楽と夕暮れがテーマです。
    音楽を聴くように、ゆったりとリズムにのれるような物語ばかりで心地よかった。
    もうひとつ、どの話にも共通しているテーマは男女関係の危機。人間関係ってすごく不毛で面白いなと思った。

    『老歌手』
    『降っても晴れても』
    『モールバンヒルズ』
    『夜想曲』
    『チェリスト』

    二話目が好み。なんかシュールで。

  • イシグロ氏初めての短篇集と聞いて凄く期待した。読了後思わず「あー面白かった」と声が出た。コミカルな振り方がこぎみよい。タイトルから分かるように全編に音楽がベースになっているが、とても完成された曲の一つ一つに思わずハミングした。でもイシグロさんは長編が読みたいわ。

  • 期待して読んだだけになんかちょっとがっかり。

  • イシグロ初の短編集。大人ですなあ…。でも渋すぎはしない、20代のわたしでも十分読めるしおもしろいとも思う。
    とはいえ友人夫婦の間をとりもちひたすら三枚目街道をばく進する男の話である「降っても晴れても」が一番好きだった。

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著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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