ペルディード・ストリート・ステーション (プラチナ・ファンタジイ)

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制作 : 鈴木康士  日暮雅通 
  • 早川書房 (2009年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090430

ペルディード・ストリート・ステーション (プラチナ・ファンタジイ)の感想・レビュー・書評

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  • 最初,世界観がわかりにくく,添付されている地図もごちゃごちゃしていて,なかなか物語にうまく入れなかったけれど,この膨大な量を読み進めているうちに,少しずつ引き摺り込まれて最後はどっぷり浸かってしまった.恋愛に芸術,悪徳政治家やマフィアのボスや革命家,AIの野望にモスラのような蛾のバケモノ,なんだかわからない危機エンジン,たくさんの要素がてんこ盛りだ.一番魅力的だったのは,蜘蛛の異性体ウィーヴァーの独特のつぶやき(宣告)だった.

  • 未来都市ニュー・クロブゾン.普通の人間と鳥族,昆虫族,サボテン?などが混在する雑多な舞台.アイザックは犯罪を犯し翼を奪われたヤガレクに再び飛べるようにしてくれと要請を受け研究を開始するが.物語は都市国家全体を巻き込む事件に発展する.地図も細かく完全に未来を構築している.

  •  ニュー・クロブゾンは汚い町だ。汚物、粘液、煤煙、作者がニュー・クロブゾンの汚さを描写すればするほど、この町の活気が感じられてくる。見事だ。この町には人類の他に、両生類人間、昆虫人間、サボテン人間、さらに主人公アイザックもよく知らないいろんな種族が住んでいる。過去の遺伝子操作により雑多な知的生命が棲んでいる、などというSF的説明はなされない。また、改造人間リメイドも重要な人口構成要素だ。アイザックの恋人リンは人間の頭部の代わりに甲虫が付いているケプリという種族で、アーティストだ。前半、主役は丹念に描かれるこの町そのものと思えてくる。

     ペルディード・ストリート・ステーションとは、バス=ラグなる世界の都市国家ニュー・クロブゾンの数個の鉄道がすべて交わる駅、いわばニュー・クロブゾン中央駅。
     そしてそれが主人公である科学者アイザックの隠喩となっている。アイザックという名の科学者で、太っていると描写されると、アイザック・アジモフの顔が浮かんできて仕方がない。アイザック・ダン・デア・グリムネーブリンは市井の科学者で、雑多な知識に通じ、いわば知のペルディード・ストリート・ステーションなのだ。

     罪を犯し翼を切り落とされたガルーダ、すなわち鳥人のヤガレクは再び飛ぶことを望み、はるばるアイザックを訪ねる。飛翔の研究に着手したアイザックはそうとは知らず、知的生命の精神を食べる巨大な蛾スレイク・モスを羽化させてしまう。モスは麻薬製造のためマフィアに捕らえられている4匹の仲間を解放し、ニュー・クロブゾンは恐怖に堕ちる。科学と魔法の同居するこの世界、スレイク・モス騒動が起こると、なんとまあ、悪魔、次元を股にかける巨大蜘蛛、密かに人間に混じる寄生生物、図らずも意識を持った機械、様々な存在が登場してくる。捕食者であるスレイク・モスにデブ科学者如きが到底敵いそうもないのだが、後半、話は、政府とマフィアに追われながら、スレイク・モスと戦うアイザック一行に集約してくる。

     冒頭をはじめとして、ときどき差し挟まれる一人称の独白はヤガレクのものであり、彼がもう一人の主人公。彼はもういちど飛べるのか。彼の犯した罪は何なのか。ヤガレクにとってスレイク・モス騒動も言ってみれば一挿話なのだ。ペルディード・ストリート駅。駅とはいっとき留まり、また去るところである。留まり、去る。換言するとこれは、いっとき死に留まり、そして去る、象徴的な死と再生の物語ともなっている。この物語の多層性に絡め取られた読者もまたいっときニュー・クロヴゾンに留まり、そして深い余韻のもとで去るのである。

  • スチームパンクが好きになった一因。

    内容は圧倒的な世界観。はっきり言ってレビューで語れるボリュームでない。

    私達の世界との共通部分を探すだけで苦労する内容であるため想像力が追いつかず大変に重い。
    特に序盤の世界観紹介ラッシュは挫ける人が多いと思う。
    そこを乗り越えればハリウッドなんて目じゃないレベルの世界とシナリオ展開が待っており、非常に楽しめるので頑張って欲しい。

  • [ 内容 ]
    異端の科学者と翼を奪われた〈鳥人〉の冒険を、唯一無二のスケールで描くダーク・スチームパンク。
    「バス=ラグ」と呼ばれる蒸気機関と魔術学が統べる世界で、最大の勢力を誇る都市国家ニュー・クロブゾン。
    その中心には巨大駅ペルディード・ストリート・ステーションが聳え、この暗黒都市で人間は鳥人や両生類人、昆虫型や植物型の知的生命体と共存していた。
    大学を辞め、独自の統一場理論の研究を続ける異端の科学者アイザックは、ある日奇妙な客の訪問を受ける。
    みすぼらしい外套に身を包んだ鳥人族“ガルーダ”のヤガレクは、アイザックに驚くべき依頼をする。
    忌まわしき大罪の代償として、命にもひとしい翼を奪われたヤガレクは、全財産とひきかえにその復活をアイザックに託したのだった。
    飛翔の研究材料を求めはじめたアイザックは、闇の仲買人から、正体不明の幼虫を手に入れる。
    そのイモ虫は特定の餌のみを食べ、驚くべき速さで成長した。
    そして、成虫となった夢蛾スレイク・モスが夜空に羽ばたくと、ニュー・クロブゾンに未曾有の大災害が引き起こされた。
    モスを解き放ってしまったことから複数の勢力から負われる身となったアイザックは、夢蛾を追って、この卑しき大都市をさまようことになる。
    翼の復活を唯一の望みとするヤガレクト共に…英国SF/ファンタジイ界、最大の注目作家であるミエヴィルが、あらゆるジャンル・フィクションの歴史を変えるべく書き上げたエンターテインメント巨篇。
    アーサー・C・クラーク賞/英国幻想文学賞受賞作。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ながーいので、流し読み。
    またチャレンジする。

  • ちくわぶから

  • いろいろガジェットが出てきて、話がいろいろ出てきてにぎやか。
    それぞれは、なぜか・最後につながっていくが、納得感はなく、
    中身を感じなかった。

  • ウィーヴァーがとても魅力的でした。複数の次元を行き来し、自分たちしか見ることのない壮大なタペストリーを織り上げるために存在する、巨大な蜘蛛。踊る狂神。善でも悪でもなく、思考方法が絶対的に異なるために理解し合えない存在というのはいいですね。それにしても新聞の広告欄に告知を出すウィーヴァー…かわいい…。

    サイバーパンクやアニメやスチームパンク作品の土壌を感じつつ、個人的な印象としては“FF7の世界観で木城ゆきとの『銃夢』(ザパン編)”という感じ。まさか魔法まで出てくるとは。
    あまりにも色々なストーリーが平行して詰め込まれているので、分厚いながら本当にちゃんと終わるのか、大風呂敷ではないか、と心配したりもしましたが、あちらこちらに飛びつつも終盤はきちんと原点に戻り、余韻を残しての幕引き。
    すべてが主人公たちのもとで解決するのではなく、主人公たちの物語もまた、蒸気機関と魔法が統べる都市国家、ニュー・クロブゾンの中の一風景に過ぎない、といった俯瞰構造がよかったです。サイバーパンク、スチームパンク作品には喧騒と雑踏の中の群像劇がよく似合います。

  • 人種を超えたというか、宇宙人というか、一応思考能力がわかる生き物から、人工知能から、魔物やら、その範疇にも属さない異次元の生物?妖怪?やらが出てきて、ドキドキして読めた。おもしろかったよ。

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