夏への扉[新訳版]

  • 1262人登録
  • 3.86評価
    • (132)
    • (186)
    • (133)
    • (19)
    • (9)
  • 214レビュー
制作 : 小尾芙佐 
  • 早川書房 (2009年8月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090591

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
カズオ イシグロ
和田 竜
角田 光代
湊 かなえ
伊坂 幸太郎
村上 春樹
伊坂 幸太郎
ジェイムズ・P・...
有効な右矢印 無効な右矢印

夏への扉[新訳版]の感想・レビュー・書評

  • 高校生の頃からずっと、外国作品では一番好きな、『夏への扉』。

    尊敬するブクログ仲間さんが書かれた素晴らしいレビューに
    「大好きな福島正実さん訳で読んでくださってありがとうございます♪」
    なんてコメントして、ふと思ったのです。
    そんなこと言っておきながら、私ったら新訳版を読んでいないじゃない。
    『夏への扉』ファンとして、これはひょっとしてものすごく不公平な態度なのでは?!

    ということで、読んでみました、新訳版。
    読む前から、訳者さんのお名前になんだか見覚えがあるなぁと思っていたら
    なんと、あの『アルジャーノンに花束を』を翻訳された小尾芙佐さんではありませんか。
    新訳と銘打つのだから、もっとかなり若手の(小尾さん、ごめんなさい!)
    訳者さんの手に委ねられたのだと思い込んでいました。

    そんなわけで、福島版では「文化女中器」だった家事ロボットが
    「おそうじガール」と、かなり軽やかなネーミングになっていたりするけれど
    全体的には、ベテランの訳者さんらしい正統派の翻訳です。
    福島さんを訪ねるところからSF翻訳者としてのキャリアが始まったという小尾さんの
    福島訳への敬意が伝わってきて、胸が熱くなったりして。

    でもでも、欲を言えば、翻訳ものに馴染みのない少年少女にも
    コールド・スリープ中の資産運用や、ダンの発明品の部品の説明なんかが
    すんなり理解できるような新訳版であったなら、もっとうれしい。
    オススメの本を貸して、という生徒に喜び勇んで『夏への扉』を渡して
    文章に馴染めない、説明が頭に入ってこないからゴメンナサイと
    早々に返却されることが、今までどれほどあったことか。

    この本に描かれた未来を10年以上飛び越えてしまった今だからこそ
    ルンバもスイカも使いこなす若者たちが、すうっと作品世界に入り込めるような
    しなやかな新訳版の誕生を待ち望んでしまいます。
    だって、夏への扉を探し続けるピートとダンの勇姿を
    ひとりでも多くの人に見てもらいたいではありませんか♪

  • 夏に読みたい青春ねこSF。

    2000年がもう10年以上過去なのが驚きですが
    書かれた時代を考えると、こんなにいきいきと描かれている30年後の世界が楽しい。
    100年後にドラえもんは無理でも、万能フランクは普及してるかな?

    SFも翻訳ものも、あんまり手を出さない分野なのですが
    あんまり難しいところもなく無理なく読めました。
    構成的にはミステリーぽい。

    訳自体はそんなに新しいという感じもなく正統派な印象だけど
    いちいち注釈がなく英語を残した読み仮名が読みやすく思いました。

    賭けて過去に戻るところはハラハラするけど痛快です。
    ダンが2000年を好きだと言ってくれてうれしい。
    「夏への扉」が象徴するように
    未来はよりよく変わっていくと希望が持てます。

  • 海外SFは理解するのに時間がかかりそうな先入観がありなかなか手に取れなかったのだが、新訳版が気になり読んでみた。
    旧訳版も知らないのに比べようがないのだが、やっぱり翻訳独特の言い回しがなかなか頭に入らず、慣れるまでに苦労した。でも、主人公のダンが信頼してきた恋人と親友に裏切られ、大切な発明までも奪われてしまい、失意の底に沈んでしまうところから目が離せなくなってくる。中でも印象的なのは、相棒である猫のピートの活躍。特別猫好きではないけれど、本書が猫好きの人におすすめというのも頷けるほどにいいキャラクターだ。そうしてダンはコールド・スリープに入り、1970年から2000年の世界へ…。
    この作品の発表が1956年だがら、当時考える2000年像ってこんななのかと思うとなるほど、というか、実現できてなくてごめんなさい、というところもあり(笑)長い眠りから覚めて当然戸惑いまくりのダンが、どうにか気持ちに折り合いを付けながら2000年に馴染もうとしていく過程が健気で、ついつい応援したくなってしまう。ただ、私が本書を読む前に知り得ていた情報はこの「コールド・スリープ」までだったので…後半からの怒涛の展開はまさにSF。うわうわうわ!とばかりにダンの快進撃が始まるわけだが…まさかこんなにストーリーがうねりまくるとは。流れに乗っていくのに大変だったけど、どんなに時を超えようとも、「信じる」ことの大切さがすごく心に残りました。ちょっといい人すぎて、だから騙されてしまうダンなのだけど、人間不信に陥りかけても一方で手を差しのべてくれる人がいて…そんな出会いに恵まれたのは、彼の人柄なんだろう。そんな彼の心の変化…どんなに傷付いても、その経験をばねにして起死回生を図り、胆が太くなっていく過程も読み応えあるかな。

  •  福島正実訳の文庫版が出たのが1979年。その頃、翻訳されていて手にはいるハインラインの長編はほとんど読んだ。『夏への扉』も文庫が出てすぐ読んだのではなかったか。それから30年、もっとも原始的な時間旅行法で未来に旅してきたよ。その間に、「猫を愛するすべてのひとたちに」捧げられた本書の被献辞者にぼくもなった。30年後の未来では、新訳が出たのだけれど、これがバリバリの新人訳かと思いきや、ベテラン小尾芙佐訳。あとがきでは福島正実の傍らでSFの翻訳をはじめた頃の思い出が書かれている。
     52年過去に遡る。つまり1957年。本書の出版年、ハインラインはすでに50歳。われらが主人公のダンは30歳くらいだけれど、なんて若々しい小説なんだろうか。お話の舞台は出版から13年未来の1970年。これを読んだ当時、さらに9年未来にいたぼくは、たぶん恋愛小説として読んだんだと思う。恋人と親友に裏切られ、その陰謀で30年後に冷凍冬眠で送られてしまうダンが真の恋人を見出す物語。ダンの30年後は、2000年。今また、ぼくはそこから9年未来にいてこの小説を読む。
     新訳版はほぼ新書版の大きさ。旅行に持っていくのにちょうどいい。ぼくは急逝した親友の葬儀の行き帰りに『夏への扉』を読む。その親友とのつきあいも奇しくもおよそ30年。30年の旅すがら親友を失って、ぼくはもはやわずかに残った青春をも完全に失ったと思った。ぼくの胸には冬があり、しかし夏への扉を探す気にもならない。
     青春を失ったぼくにはダンを裏切る恋人は最初から魅力的ではないし(実際、最初からいかがわしい人物に描かれている)、真の恋人の登場はごく添え物的にみえる。圧倒的に本書を染め上げているのは未来、そして先へ歩んでいくこと、運命を切り開いていけることへの揺るぎない信頼だ。ぼくの頭の中では『夏への扉』はタイムトラベル小説として『マイナス・ゼロ』と同じカテゴリーに置かれていた。だが、ここには過去へのノスタルジーは皆無。裏切られた主人公が過去に戻るのは、復讐のためではなく、ちょっと不正を正すだけ。ダンは2000年に自分の生きる場所を見出している。
     ハインラインがこれを書いた黄金の1950年代、確かに夢と希望に溢れていたかも知れないが、冷戦が影を落とし、『夏への扉』でも限局的な核戦争は1970年以前にすでに起こっているし、『宇宙の戦士』が刊行されるのはこの2年後だ。本書の前向きさはもはや今の時代にそぐわないばかりか、当時の世相にもそぐわなかったのかも知れない。だからいつまでもこの小説は支持されるのだろう。
     ハインラインもたぶん夏への扉を探して『異星の客』や『月は無慈悲な夜の女王』へと進んでいく。夏への扉を探す気にならないぼくも、また次の30年の時間旅行を続けていくしかない。だから、ハインラインの歩みを再読して追いかけてみようという気になっているところなのだ。

    2009/08/15記

  • 名作。
    名作、なめてたわ。
    ハインラインって、実は「宇宙の戦士」しか知らなくて、まあ、あれ、おもしろいかというとイラスト以外は微妙じゃないですか。

    でも、これは、文句なしの名作です。

    まあ、この21世紀は、まだきていないわけですが、この未来視の能力というのは、すごいなぁと思います。
    これ、i-padだ~というものも出てきています。

    でも、そういうギミックな部分だけではなくて、この主人公がいいですよねぇ。
    好きにならずにいられない技術者気質な人です。

    ストーリー自体は、ベタベタな展開なところもあるけれど、安心してドキドキできる。
    そんな古典的名作SFです。

  • わあ……1年くらい旧訳版に新訳のレビューをつけてしまっていたので修正。
    【当時のレビュー】新訳でとても読みやすくなりました。翻訳ものやSFが苦手な人にもおすすめできそう。何度読んでも有名な冒頭シーンと、そこにつながるラストに翻訳ものならではのスマートな爽快感を感じます。
    【追記】ジュブナイル小説のくせに、やさぐれすぎていて好きになれないというレビューの多かった主人公が、ちょっとおだやかに、やさしくなりました。読んだ直後は新訳いいなあ、と思ってのレビューだったのですが、最近、思い入れのあるラスト一文は、すがすがしさのある旧訳のほうが好きかも、と思うようになりました。新訳はやさしくて余韻を残します。

  • 面白かった…! うわー、うわー…面白かったです! もし方法があるのなら、未来へは行ってみたいですね。「夏への扉」への信念を持ち続けるのはなかなかむずかしいけれど、それだけは、確かに信じ続けなければいけないものなのかもしれないです。たまたま、近所で見つかったのが新訳版だったのですが、福島正実さん訳のものもいずれ読みたいです。

  • 初版から50年経ってやっと新訳が出版されました。日本では舞台劇にもなった古典SF小説です。
    固有名詞や小さなニュアンスに新たな解釈が加えられていて「今風」になって読みやすくなりました。今の世代や女性の方々はこちらがオススメです。凛とした猫のピート、優しいダニエル、可愛いリッキー(リッキー・ティキー・タヴィー)。ベタだけれども幸せな気分になるSF小説の金字塔です。BGMはもちろん山下達郎の「夏への扉」 http://www.youtube.com/watch?v=198venj_GSA

  • 本書は1956年に発表された!
    面白かった。
    まだまだ面白い本が眠っているのではないかとワクワクしてきた。

    本書はタイムトラベルもののSFです。

    作者自身がタイムトラベルしてきたかのような面白さであり、驚きです。
    「希望にみちあふれた未来予想図」
    そんな風に紹介されている小説。
    1956年に2000年を描いている。
    2013年までに実現していることもあるし、まだ実現されていないこともある。
    そんな風に考えながら読むのも楽しい。

    もちろんタイムトラベルもののハラハラさ、不安定さ、希望…もある。
    タイトルである「夏への扉」
    扉の向こうにあるのは未来なのか過去なのか、幸せなのか不幸なのか、大きな運命が横たわっている。

    2013年代の今でも説明できない古代文明、ありえない天才とタイムトラベルをからめるとワクワクする。
    UFOなんかよりワクワクしてしまう。

    本書のあとがきに著者ハインラインの言葉が記されています。
    「SFとは予測の文学だ。この宇宙で、将来こういうことが可能であり、おこるのではなかろうかということを、単なる幻想としてではなく書くことだ」と。

    ジーンとしました。


    本書を知るキッカケをいただいたブクログ、ブクログ仲間にありがとう。

  • 子ども向け?と思うかもしれません。
    新訳でさらに読みやすくなった、タイムトラベルもの。
    古い作品なのに何回でも読めてしまいます。
    過去に、山下達郎が読んで感銘を受けタイトルと同名の曲を作ったというのも納得の素敵な作品。

  • コールドスリープ興味なし
    愛だね

  • 猫好き本に悪い本なし。印象派のような淡い表紙が何より素敵な、SF古典の新訳版は良い意味で「名著」という言葉が似合わない内容であった。派手さや大仰さは微塵なく、タイムトラベルという仕掛けを上手く活用しながら描かれる世界は、主人公の性格とも合わさって未来への肯定感が丁寧に描かれている。とても優しいオプティミズムに溢れた本作は、たぶん何かを伝えようとする作品ではなく何かに寄り添おうとする作品なのだろう。個人的には、この楽観性には今は無き過ぎ去りし日のノスタルジアを感じてしまい、ほろ苦い気分にさせられてしまった。

  • 面白かったです。翻訳もののSFというと更に敷居が高かったのですが、今なら読めるような気がしました(笑) 
    最初は言い回し等に馴染めなくて物語に入り込むまでに時間がかかりましたが、それからは一気読みでした^^
    コールド・スリープにタイムスリップ。2000年…この物語が書かれた頃は希望溢れる‘未来’だったのだろうと思うと、それを10年以上超えた今にその物語を読んでいると思うと不思議な気がします。

  • ストーリーとしては分かりやす過ぎるくらいにむしろハリウッド的なのですが、1970年と2000年といういわば2つの時代で手酷く痛めつけられるダニーが、あくまでも技術屋として、そして人として誠実であることを貫き、困難に立ち向かっていく、その姿に心を打たれました。
    天才的な発明家ではあるんですが、30年も経ってしまうと進歩した技術になかなか着いてゆけない。
    それでも未来(2000年)の技術を地道に観察し、学び、吸収し続けて、2000年代の技術者になってしまうのだからすごい。
    しょげてもめげない、そんな主人公だから応援したくなって、夢中になってしまったのかも知れません。

  • とりあえず名作と呼ばれるものを読んでいこうと手に取った。
    理系用語が苦手でもさくさくと面白く読めるあたりも名作たる所以?
    読後感は装丁の絵のように爽やか。
    旧訳とは受ける印象が違うそうなので、そちらもいつか読んでみたい。

  • 専門用語と事務的な説明にめげそうになった。
    猫好きならオススメってどこかで見かけたのに、途中の展開で猫虐められてるし、もう会えない‥!と思って結構ショックだった。
    でもまぁ最後はそこそこのハッピーエンドで良かった。
    期待し過ぎなのもあって、正直ちょっと肩透かしな感じもしたけど。

  • 1956年に書かれた、1970年と2000年が舞台のSF。名作です。(2009年新訳版として発売)

    「ナミヤ雑貨店の奇跡」特設サイトにて、東野さん自身が好きと書かれている「夏の扉」を読んで見ました。
    http://www.kadokawa.co.jp/namiya/essay.php

     最近の、読み始めからグイグイ来る小説に慣れた私。洋書に良くある、「退屈な前半」を何とか乗り切ったら、あとは一気でした。

     1956年に書かれたって事が驚きです。その当時2000年は44年後。未来を描いたタイムスリップSF。作者はいろんな事を想像し書いたのでしょうね。作者自身も楽しんだのでは?と思わずに居られない内容です。

     描かれた舞台2000年からすでに現在12年過ぎています。小説と現実の差異は・・・読んで確かめて下さい。

     東野さんのお勧めだけあって、確かに面白かった。あと、SF好きじゃなく猫好きの人も、この本面白いかもよ。

  • 1970年代から2000年にタイムスリップした主人公のお話です。友達にも恋人にも裏切られながらも、前向きな姿勢の主人公に好感を抱きました。
    この本に描かれている2000年というのは、実際の2000年よりも高度な文明を持っています。1970年から見た2000年はこんなにも遠い世界だったのですね。
    猫好きなひとに大変おすすめな本です。

  • きっと主人公は大丈夫、うまくいくはず!と安心しながら最後まで読めるSFです。冷静に読んでしまうと、都合いい展開だな…と真顔になってしまうかもしれませんが、わ〜タイムトラベルって結構簡単なんだ!とか、やったー!ついに出会えたぞ!ぐらいの感覚で読んだ方が楽しいしワクワクします。小さい頃はその様な気持ちで楽しく読みましたし、大人になっても同じです。

  • 新訳でも読んでみた。それほど変わらない印象だった。どちらかと言うと旧訳のほうが好きかも。色々な発明品が出てくるが、1970年当時から変わらないものも結構ある。風邪は、まだある。

  • 出版時は画期的なSFであったかもしれないが。。

  • 発明家のダンは、共同で会社を作った友人2人に裏切られ、すべてを失ってしまう。しかし、強制的にコールド・スリープに入れられてしまったことによって、過ぎてしまった30年によって、ダンは、そこから猛然と自分の未来を切り開いていく。そんなお話です。

    理系の人間としては、ダンが発明にのめり込んだり、未来で、また発明するために、技術者として勉強する姿に共感というか、わくわくというか、一緒に頑張っている気持ちになりました。主人公のダンのちょっと理屈っぽくしゃべる語り口が癖になります。

    中盤で突然にタイムマシーンが出てくるところはちょっと唐突で、笑ってしまいました。あれ、これファンタジーだっけ?って。

    後半はとにかく勢いで駆け抜ける感じで、最期の幸せな結末に突き進んでいきます。夢中になれる小説でした。

    幸せのために諦めずに頑張るって、簡単なようですごく難しいことで、それを成し遂げてしまうダンをうらやましく思いました。

  • センティメンタルな小説かもという危惧は案に相違した。しかし時間旅行(タイム・トラベル)に際して、生物の脆弱性・短命さはなお気掛かりだ。図書館本。72

  • エウレカセブンAO最終話のタイトルで、とても素敵なタイトルだと思いました。
    「夏への扉」
    元ネタとなる小説があることは知っていたが、ようやく読むことが出来ました。

    古典SFとしては非常に人気があるようですし、なかなか楽しく読めたのですが、、これを読むのであれば「星を継ぐもの」とか「幼年期の終わり」とかのSFを読んでほしいなぁと思いますが、多分それは同じ古典SFとしても実質はジャンルが違うのでしょう。

    ライトに楽しく読める青少年向けのSFといった感じですね。

  •  50年以上前の作品ですが、SF小説の名作です。
    (一般担当/take)平成28年8月の特集「夏の本」

全214件中 1 - 25件を表示

夏への扉[新訳版]に関連するまとめ

夏への扉[新訳版]を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

夏への扉[新訳版]を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ツイートする